昨年の同じ時期、その中のお二人様は登山を始めて間もない状態で、頑張って後将軍平まで登りました。
しかし天候の急変により、台風の様な天気に変わり、気温も低下し、下山を余儀なくされました。
そして約1年後、私達は再度挑戦したということです。
私自身もリベンジ登山ということで、時々再挑戦したりしてきましたが、今回お二人様にとっては1年間群馬の低山を登り、体力増強の確認も含めて、少々意味ある登山でありました。
「1年間実績を積んで来ましたから、大丈夫ですよ!」
「あの石がゴロゴロした道でしょ、大丈夫かしら?」 「でも行ってみたい。」
そんな不安と期待をザックに詰め込んでの登山開始でした。
他のお客様は10年位前、登山を始めた頃に必死になって登ったという山でした。
色んな思いを抱いてやって来た蓼科山でした。
7合目登山口の駐車場はほぼ満車状態でした。
さすが日本100名山だけあって人気がありますね。
登山口にはトイレもあり、有り難いコースです。
鳥居をくぐってゆっくり歩き始めます。
3人の心中を想うと・・・
今回は山頂まで楽しく到達して欲しいと思います。
ゆっくり、ゆっくり登って行きます。
熊笹の道が苔の道に変わる頃、背中が暑くなり始めて来ました。
立ち休憩で水分補給や衣類の調整をし、すっきりした気分で再度登山開始です。
昨年、お二人様は初めて見たマイズルソウも蕾を付けていました。
「あ、マイズルソウですね。」
「 小さな蕾が有りますね。」
そんな森林浴の道を登るうちに、約1時間。
「小休止しましょうか。」
「は~い。」
振り返ると、女神湖と美ヶ原が見えてました。
汗がすっと引くと本当に心地よい風が吹いて来ます。
いい登山日よりでした。
冷たい塩もみのモロきゅうりを半分頂きました。
美味しかったです。
そんなことも夏がやって来るんだな、という俳句の季語のようでした。
今回の蓼科山は標高2530mです。
「山頂の気温はどのくらいでしょうか。」
「え~、山頂の気温ですか。」
「標高が1000m上がると気温は6度下がると言われてます。」
「分かり易いように標高が2500mだとして、平地と比べると15度低くなります。」
「平地が25度であれば、山頂は10度です。それは平地の真冬の気温です。」
・・・ということで、
フリースやセーターなどの防寒着もしっかりザックに詰め込んであります。
準備は十分でやって来ました。
昨年のお二人様は、この辺りから小屋までの道が辛かったようで、ここからも2~3回は休憩して登った記憶があります。
今回は順調に登って来ています。
「小屋まで半分は来てます、順調ですから、頑張りましょう!」
・・・と腰を上げて一歩一歩足をまえに進めます。
「昨年は石がゴロゴロした道が本当に辛かったです。」
「記憶ではもと大きな石だったと思いますが・・・この辺でしょうか。」
「きっと1年で角が取れて、石も小さくなったかもしれませんね~。」
そんな会話をしながら汗を拭きながら登ると、先が明るくなってきました。
「小屋です。」
「本当ね、小屋だ・小屋だ!」
お二人さんは急ぎ足に成って、小屋まで私の前を元気に登って行きました。
「良かったですね!」
まるで山頂についたような嬉しそうな笑顔でした。
辛かった昨年の思い出を、今回で打消すことが出来たようです。
私も思わず手のひらタッチで祝福。
賑やかな小屋の庭、空いていたベンチと石の上に輪になって昼食です。
今回のランチタイムは笑顔がいっぱいでした。
そして、仲間のKガイドさんグループともご対面でした。
いや~、嬉しい次第です。
みなさんも、小屋へ着いた時は嬉しそうに笑顔でいっぱいでした。
そして私達の輪の中では、何だか此処で満足したような会話と成りましたが・・・。
「山頂まで30分です、エネルギーもいっぱい補給しましたから、また頑張りましょう。」
「は~い。」
今回は風もなく、陽射しも弱く、登山に最適な状態で、順調に登って山頂到着です。
山頂付近にはヒメイチゲやミネザクラ。
そして山頂のおおきな石の間にはイワカガミ。
私達も全員登頂出来ました。
やっぱり山頂はバンザーイ!
みなさん、本当に嬉しそうでした。
リベンジ登山が成功して良かったですね。
1年間サポートしてきた私も、何だか目頭が熱くなるような思いでした。
登頂おめでとうございました~。
頂上では何も見えませんでしたが・・・
地図を見ながら槍ヶ岳や浅間山などの方向を確認し、
山がそびえている姿を想像して、賑やかに下山してきました。
見事、 やりましたね!
お疲れ様でした。
くやしい思いで、やむなく下山して来た山へ
再度挑戦すること・・・
良いですね~。