第91回箱根駅伝予選会 | 計測工房社長・藤井拓也のブログ

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マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

さる2014年10月18日、東京都立川市にて 第91回箱根駅伝予選会
が開催され、計測工房にてタイム計測を担当させていただき、私・
藤井が計測ディレクターを務めさせていただきました。

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(計測工房スタッフI氏撮影)


お正月の国民的行事「箱根駅伝」への出場権をかけた熾烈な
予選会です。今年は過去最多の48大学642人がエントリーし、
20kmレースに各校最大12人までが出走し、上位10人の合計
タイムで順位を競います。
予選会から箱根駅伝に出場できるのは10チームだけ。
48校中10校しか通過できない激戦です。

箱根駅伝は、その功罪を論じると百花繚乱であるものの、社会的
注目度や、日本テレビ さんによるTV放送、報道での取り扱い、
観客動員数などいずれをとっても特筆ものの大会です。

個人的には「陸上競技」の範疇を超えた「箱根駅伝」というオンリー
ワンのジャンルになっているモンスターコンテンツだと分析。

代替不可能な唯一無二のコンテンツであり、「年末は紅白歌合戦」、
「正月は箱根駅伝」のように、日本の文化に根付いたコンテンツです。
大会内容や競技レベルという論点ではなく、まさに別次元だと
思います。



この箱根駅伝予選会も日本テレビさんにて完全生放送されました。


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箱根駅伝予選会では全部で6ヶ所の計測をおこないます。
こちらはスタート地点での最終点呼(チップ確認所)です。地面には
タイム計測用アンテナマットが設置してあります。なお、今大会では
選手のナンバーカード(ゼッケン)に装着されたICチップにて計測を
おこないました。(緒方撮影)


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5km地点です。地面にはタイム計測用アンテナマットが設置してあり
ます。(計測工房スタッフK氏撮影)


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10km地点です。地面にはタイム計測用アンテナマットが設置してあり
ます。(計測工房スタッフS氏撮影)


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15km地点です。地面にはタイム計測用アンテナマットが設置してあり
ます。(計測工房スタッフU氏撮影)


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フィニッシュ地点です。地面にはタイム計測用アンテナマットが設置して
あります。(計測工房スタッフI氏撮影)


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フィニッシュ地点脇の計測テント内でオペレーションをおこないました。


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各地点で計測されたデータは電話回線を通じてリアルタイムに
計測テントに送られ、そしてそのデータは、別の協力会社さんを経て、
生放送オンエアの日本テレビ さんの実際の画面にリアルタイムで
表示されます。予選会の場合、その地点をどの大学が10人通過したか
という独自の観点でオンエア画面に表示されています。


箱根駅伝予選会は20kmレースですが、その苛烈さはリザルトに
あらわれます。今年は560人が完走しましたが、タイムの分布は、

1時間未満 10人 1.8%
1時間0分台 52人 9.3%
1時間1分台 76人 13.6%
1時間2分台 52人 9.3%
1時間3分台 44人 7.9%
1時間4分台 36人 6.4%
1時間5分台 56人 10.0%
1時間6分台 39人 7.0%
1時間7分台 47人 8.4%
1時間8分台 26人 4.6%
1時間9分台 24人 4.3%
1時間10分台 33人 5.9%
1時間11分以上 65人 11.6%

となっており、特筆すべきは最も人数が多い1時間1分台です。
1分間に76人がフィニッシュということは、1秒間1人以上です。
そう、この時間帯がまさに箱根駅伝に出場できる圏内と考えて
間違いなく、ここを目指して怒涛のように雪崩打ってフィニッシュ
に飛び込んできます。その迫力、気迫は、生の現場でこそ
感じられるものかも知れません・・・。


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箱根駅伝に青春をかける大学生たちの苛烈な戦い。
壮絶なレースとともに、悲喜こもごもの人間模様が展開されることが
人々の感情移入を呼び、箱根駅伝がモンスターコンテンツたるゆえん
かも知れません。


かつて私も18年前の、第73回箱根駅伝予選会に出場しましたので、
この大会への思いは格別です。(計測工房ウェブサイトのコラム
「箱根駅伝予選会」もご参照ください→こちら



This is timing man. We are professional timing man.
Born this way. This is an everlasting journey.


今回も一期一会の貴重な仕事の機会を頂戴したことに感謝です!
この現場が次の現場に繋がりますように。