計測工房社長・藤井拓也のブログ

計測工房社長・藤井拓也のブログ

マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

計測工房は4月決算ですが、本日の計測

大会をもって計測工房の第17期(2023年

5月~2024年4月)の仕事も全て終了しま

した。

 

コロナ禍によって、4年連続で赤字決算を

余儀なくされてきましたが、今期は5年ぶり

に黒字決算できることになりました。

 

 

 

昨日は国立競技場へ。
東京オリンピック2020以降、弊社がここで
計測するのも本日の打ち合わせの大会で
4回目になります。
 
 
来年には世界陸上東京大会がここで開催され
ます。会期が2025年9月13日~21日という
ことで、土日は仕事なので無理としても平日
のうち1日ぐらいは都合を付けて観戦しに行き
たいと思っています。
 
前回、ここ東京で世界陸上が開催されたのが
1991年で当時私は高校1年生でした。
現地観戦はしなかったけれど、TVで熱く盛り
上がって、学校の陸上部の部室にも日本選手
の活躍が張り紙されていたことを思い出します。
 
 
 
 

先日弊社で計測したKOBE TRAIL(写真は
全て弊社社員撮影)は上位を海外勢が席巻
したリザルトも含め、日本のトレイル大会
としては稀有な世界基準の大会でした。
 
 
今大会ではサテライト会場でのパブリック
ビューイングがおこなわれたことも画期的
ですし、そもそも短いループの周回コースの
設定なので会場にいれば毎周観戦できました。
さらに周回毎の記録速報もWEBで閲覧可能
(これは弊社サービス)など「見るスポーツ」
としても構成されていました。
 
 
トレイルランニングが五輪種目になるなら
こういうフォーマットになるだろうと思わ
されました。これらの要素はトップ競技者の
レースを見るという観戦スポーツとしての
構成であり、五輪種目になるということは
そういう方向性になります。
これは最近弊社で計測している冬季五輪に
新種目として採用されたSKIMO(山岳スキー)
も同じ方向性でした。
 
 
逆にDOスポーツとしてのトレイルランニング
本来の魅力である山の醍醐味、自己との対話、
長距離への挑戦などの要素とは対極にあるで
しょう。
 
先行事例ではトライアスロンが五輪種目の
51.5kmとクラシックなロングディスタンス
のアイアンマンに分かれたように、トレイル
ランニングも方向性が分かれていくのかも
知れません。
 
 
 

一昨日は和歌山県の那智勝浦町において、
第24回奥熊野いだ天ウルトラマラソン

開催され、計測工房でタイム計測を担当

させていただき、私・藤井が計測ディレクター

を務めさせていただきました。

 

「神に見送られ仏に迎えられるウルトラマラ

ソン」をがキャッチフレーズです。

世界遺産の那智の滝(熊野那智大社の御神体)

をスタートし、同じく世界遺産である補陀洛

山寺(ふだらくさんじ)にフィニッシュする

100kmウルトラマラソンです。

神社をスタートし、お寺にフィニッシュするこ

とから「神に見送られ仏に迎えられる」と呼称

されています。

 

 

コースはトレランのような高低差のあるタフ

な100kmで、熊野の山岳地帯を走ります。

 



スタート地点は那智の滝。



スタート前、那智の滝の入口にタイム計測

用アンテナマットを設置し、出走チェックを

おこないました。

 

 

出走チェック風景。

なお、今大会では参加者の皆さんのゼッケンに

装着されたICチップにて計測をおこないました。

 

 

100km部門は朝5時スタート。
ご覧のように本当に那智の滝の目の前から

スタートします。唯一無二、ここにしかない

オンリーワンのロケーションです。

なお、65km部門と80km部門のスタート地点

は離れた別の場所になるため、参加者の

皆さんはバスで輸送されますが、それらの

参加者の皆さんもスタート前に必ず那智の

滝で完走祈願をおこないます。

 

 

スタート後のレース風景。

 

 


今大会ではスタート、フィニッシュ以外に

途中2ヵ所を計測。
こちらはエイド18番折り返し地点です。
(大会前日の設営風景)
地面にはタイム計測用アンテナマット

設置してあります。




こちらは、エイド27番井鹿会館です。
(計測工房スタッフF氏撮影)
地面にはタイム計測用アンテナマット

設置してあります。

 

 

エイド27番を通過するランナー。

(計測工房スタッフF氏撮影)

 

 

今大会では100kmのコース中に32ヶ所もの

エイドが設置され、各種ドリンクから地元の

食材までふんだんな飲食物の提供があります。

エイドには、「次のエイドまであと○○km」、

「次のトイレまであと○○km」などの丁寧

な案内も書かれています。

 

参加者の皆さんからの感想でも「エイドでの

充実したおもてなしが素晴らしい」という

絶賛の声がたくさんあります。



フィニッシュ地点は補陀洛山寺(ふだらく

さんじ)。
地面にはタイム計測用アンテナマット

設置されています。



補陀洛山寺(ふだらくさんじ)。
建立は4世紀(仁徳天皇の治世)という
由緒あるお寺。



フィニッシュ地点にコンテナハウスが設置

され、そこが私の仕事場の記録室です。
ここでスタート人数、途中通過情報、フィ

ニッシュ集計などおこないます。
途中リタイア情報も随時入り、人数管理

データをまとめます。計測工房が培って

きたトレランのノウハウも取り入れています。



フィニッシュの手前200mほどのところにも

タイム計測用アンテナマットあり。
ここを通過した選手のゼッケンと氏名が本部

テント内のモニターに表示され、MCさん

がフィニッシュする選手の名前を1人1人

アナウンスしてくれます。

 

 

フィニッシュ!

フィニッシュテープを持っている女性たちは

いにしえより伝わる「熊野詣で」の平安装束

に身を扮しています。

フィニッシュテープは優勝者だけではなく、

全完走者に張ってくれます。




フィニッシュすると、「完走木札」を
かけてもらえます。

木札は毎年異なる言葉が添えられ、2024年は

「歓(かん)」。

 



フィニッシュ後は各自のタイムと順位の印刷

された完走証が発行されますが、スタッフが

選手のもとへすぐに手渡しに来てくれます。

なお、完走証が雨や汗などでグシャグシャに

ならないように、1枚1枚クリアフォルダー

挟んで手渡されています。

 

 


完走証の用紙の裏面のメッセージにも選手

の皆さんは気付かれたでしょうか。

 



今大会では10回完走または5回優勝に

相当する累積ポイントを溜めることにより、

奥熊野韋駄天(いだてん)」の称号が

授与されます。「奥熊野韋駄天」になると

ゼッケンが数字ではなく「名前ゼッケン」

になる名誉が与えられます。
 

 

参加者に配布される大会プログラム

「参加者顔ぶれ」には全参加者のコメント

が掲載されています。

 

 

この大会はすべてにおいて手作りにこだわり、
参加者へのおもてなし、ホスピタリティが溢れ

る素晴らしい大会です。
大会は24回を数え、今や全国から500名以上

のエントリーがありますが、10回大会までは

100名以下という小さなウルトラマラソン

だったそうです。

 

中規模クラスでの全国一の手作り大会
30回大会開催
の2つを目標に掲げ、愛される大会作りに
まい進されています。
なお、同大会は24回の歴史を重ねましたが、
民間・非営利の運営でおこなわれており、
情熱と実行力とリーダーシップを持った実行
委員長さんに率いられてここまでやって来られ
ましたが、ここからは、先を見据えた継続性
の担保が大きな課題であると察しています。

それは私自身が、会社を次世代に継承すると
いう課題を持つだけに他人事ではないと感じる
ところでもあります。
 
 
なお、奥熊野いだ天ウルトラマラソンは
スポーツ庁・文化庁・観光庁による「スポ
ーツ文化ツーリズムアワード2022」におい
て「スポーツ文化ツーリズム賞」を受賞され
ました。
これまでの取り組みが国からの表彰という形
で評価されたことは素晴らしいことです。
 

 

 

 

 
 
 

計測工房のハイエースは一目でそれとわかる

デザインですが、クライアントさんや関係者

にも知られているので、移動中に目撃される

こともしばしばあります。

 

「高速道路で走っているのを見かけた」

「パーキングエリアに停まっているのを見た」

 

とか言われることが割とあります。

 

 

本日は全くの偶然で、奥熊野いだ天ウルトラ

マラソン(和歌山県)からの帰り道に静岡県内

のパーキングエリアに立ち寄ったら、そこに

もう1台の計測工房ハイエースが停まっていま

した。KOBE TRAIL(兵庫県)からの帰り道

の弊社メンバーでした。

完全な別行程で、お互い全く連絡も取らない

状況だったのにも関わらず、偶然にも同じ時間

に同じパーキングエリアに入ったのでした。

(冒頭写真)

 

 

 

 

 

2011年から計測工房にて奥熊野いだ天

ウルトラマラソンの計測を担当させていた

だくようになり、早14年目。

ずっと私の担当なので、那智の滝を訪れた

回数も軽く10回を超えました。

ご縁があるんだろうなあと思います。

 

当たり前のようにここに来れているわけでは

なくて、ご縁というものを本当に大切にしな

ければならないし、任された役割と期待に

応え続けなければならないと、改めて那智の滝

を前に思います。

 

 

 

 

和歌山県の那智勝浦町に入っています。

奥熊野いだ天ウルトラマラソン の前日準備

でした。

 

 

計測機材の設営風景。

 

 

計測機材の設営風景。

 

 

世界遺産の那智の滝をスタートし、同じく

世界遺産の補陀洛山寺にフィニッシュする

100kmマラソンです。

スタート地点の那智の滝は熊野那智大社の

御神体なので神、そしてフィニッシュの

補陀洛山寺が寺。すなわち、神に見送られ

仏に迎えられるウルトラマラソンです。

 

 

 

今週末(2024年4月20-21日)の

計測工房は3大会です。

 

4/20-21(土-日)

KOBE TRAIL

(兵庫県) 二見

 

4/21(日)

奥熊野いだ天ウルトラマラソン

(和歌山県) 藤井

 

4/21(日)

かすみがうらマラソン

(茨城県) 高橋 ※サポートのみ

 

 

昨年(2023年)の奥熊野いだ天ウルトラ

マラソンより。

那智の滝をスタート地点とし、「神に見送

られ、仏に迎えられるウルトラマラソン」

の呼称を持つ唯一無二の100kmマラソンです。