仕事における自分の強みの磨き方、活かし方 | Work , Journey & Beautiful

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$HEARTBEAT ON WORKS-強みを活かし、成果を上げよう。


世の中には実に様々な仕事がある。そして多くの人が自分の強みを活かしながら仕事をしたい、そう思っている。なぜならば自分の強みを活かして仕事をした方がパフォーマンスが高いし、結果的に周りの人にもメリットがあるし、何より自分も楽しい。僕は年間数千人のビジネスパーソンのパフォーマンスを最大化するためにどうすればいいか?を考え続けているわけだけれど、けた外れにその組織の中で高いパフォーマンスを発揮する人がいる。そういった人たちに共通することは何かというと、間違いなくその人自身がもっている強みを最大限発揮していることだ。

そこでこの記事では、どうすれば強みを活かすことができるか?について考察する。これは持論だけれど、強みを活かせる仕事を探そうとしても望む仕事を得ることは難しいけれど、今目の前の職業に対して強みを活かして成果を上げることは必ずできる。僕たちは絶対に目の前の現実を楽しむ才能を一人ひとりがもっている。その具体的なヒントになれば幸いだ。

まずは自分の強みを知ろう



さて、強みを活かすためにはまず自分の強みを知ることが重要だ。世の中には自分の特性だったり強みを診断してくれる適性検査は様々あるけれど、中でもgallup社のstrength finderは根強い人気がある。このstrength finderという適性検査は専用のWebサイトにアクセスし、「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」という本のカバーに記載されてあるシリアルナンバーを入力することで受けることができる。

この検査で診断できる強みとは何をさしているのか。診断結果の一文から引用すると下記のように書かれている。

自分だけの特長的な資質
The Gallup Organizationが長年に渡って実施してきた調査によると、仕事を最も効果的に行うのは、自分の強みと行動を理解している人たちです。 このような人たちは、仕事や家庭生活で日々求められていることをやりこなす戦略的な能力に優れています。

自分にどのような知識やスキルがあるかを確かめることによって、基本的な能力はわかりますが、自分の本来の資質に気付き理解することによって、どのような行動を取ることで将来成功を収められられるかがわかります。



さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす


また本書は自分の強みが分かるだけではなく、強みとは何か、どのように活かすのかについても重要な示唆を与えてくれる。

まず、この本の中で著者は強み(strength)とは各個人特有のものであるとした上で、強みを下記の3つの要素で成り立つと説明している。

「才能」・・・無意識に繰り返される思考、感情、行動のパターン
「知識」・・・学習と経験によって知りえた真理と教訓
「技術」・・・行動のための手段


図にするとこのようなイメージになる。左が強みとして発揮される状態、右が努力しているがなかなか成果が人並み程度にしか上げられない状態である。
HEARTBEAT ON WORKS-才能に基づいた強みとは?


これらが教えてくれるのは「強みを活かす」ということは、自分の才能をベースに、知識・技術を身に付けて能力を発揮することを指す、ということだ。strength finderで診断されるのは、上記の才能であって、強みそのものが明確になるわけではではない。とはいうものの、強みを発揮する、とか強みを活かすという状態を主体的に作り出すためには、自分の才能を知る(発見する)ことは極めて重要な第一歩になる。

なお才能と他の2つ要素の最大の違いは意図的に身に付けられるか否か、である。知識や技術は訓練と経験によって体得することは出来るけれど、才能に関しては意図的に身に付けることはできない。むしろ無意識のうちに身についていくものだ。このように知識・技術が「身に付けるもの」であるのに対して、才能は「発見するもの」であるという違いは大きい。


そもそも才能とは何か?



「才能」という言葉自体が何をさしているのか?は少し抽象的で分かりにくい。そこである特徴的な四人の事例を見てみよう。

1.人との対話を通して相手に必要なもの(こと)を提案することに心躍らせるAさんと、何百枚にも及ぶ膨大な資料やレポートを読み込み、分析することに楽しみながら取り組めるBさん。

2.過去を振り返り実績を積み残していくことにやりがいを感じるCさんと、未来に対して「こうなればいいな」「こういうことをしてみたいな」と考えることでワクワクするDさん。


ともすれば他の人にとっては苦でしかないことをむしろ楽しみながら取り組める特性、それが「才能」だ。誰もがそういった何かに没頭した経験は持っているはずだ。そしてその経験は人によって異なるだろう。

この話しから導き出される事実はこうだ。誰もがその人ならではの才能を持っている。そして才能が発揮されているとき、人並みならぬ集中度と創造性が働き、結果的に他者と比較して極めて高い成果をあげることができる。


強みを発揮するための3つの要件



才能に基づいた強みを発揮して仕事をすることは本人にとっても、相手にとっても良いことだ。誰も損をすることはない。では仕事において強みを活かすためにどうすればいいのか?強みを発揮するための要件とは何なのか?

その答えは3つで、
1.強みが発揮できる状態を整えること
2.強みを発揮できる機会を創り出すこと
3.最低限自分の弱みで周囲に迷惑をかけないようにする

である。

まず、一つ目の強みが発揮される状態を整えるというのは、


(1)自己認知=才能を知っている
(2)スタイルの選択=才能を活かして、周囲の期待に応えることができる仕事のやり方を見つける
(3)才能の強み化=そういった仕事をするための知識と技能を身に付ける


ということを意味する。


そもそも仕事というのは、シンプルに捉えると「相手が喜んでくれることをして、その対価として金をもらう」ということに他ならない。つまり強みを活かして仕事をするというのは、誰かの期待に強みを活かして応えるということ。これは冒頭で断言した「強みを活かせる仕事を探そうとしても望む仕事を得ることは難しいけれど、今目の前の職業に対して強みを活かして成果を上げることは必ずできる」という考えにも通じる。


言い換えると強みを活かすためには、自分はどんな人と接していて、どのようなことを期待されているのか?(=どのような仕事をすることが強みを活かすことにつながるのか?)を知ることは欠かせない。そしてこの周囲の期待やニーズを知り、それに応えていくというのは2つめの強みを発揮できる機会を創り出すことにもつながる。

仕事の本質のもう一つの側面だが、仕事というものは全て「与えられる」ものだと僕は思う。なぜなら先ほども述べたように相手のニーズがあってはじめて仕事が成り立つからだ。自分から仕事を創り出す、なんてことは基本的になくって、やっているのは相手があまり認識していなかった悩みやニーズを引き出しているだけだ。構図としてはニーズを引き出し、与えてもらっているだけだ。

その意味で強みを活かす機会を創出する、と書いたが正確には「強みを発揮するニーズをいかに相手に与えてもらえるか?」が重要だ。

ではどうすれば強みを発揮できるような仕事を与えてもらえるか?その答えは勿論のことながら一様ではないけれど、主に下記のようなことがポイントになる。

・周囲があなた(自分)の強みは何か?を認識している
・周囲が自分の課題や悩みを認識している
・周囲があなたの強みに関する成果物に信頼している
・周囲とあなたの関係が良好である

こういった状況を作りだすことで、おのずと自分の強みを活かせる仕事を与えられる環境を整えていく。

さて、ここまで強みに焦点をあてて話を進めてきたが、当然強みと弱みは一蓮托生のものである。

そして残念ながら現実のビジネスの社会は減点主義で物事が進んでいる組織も多く、この手の話をすると「自分がいる組織では難しいかも・・・」という返答を受け取ることも少なくない。だからこそ3つ目、最低限自分の弱みで周囲に迷惑をかけないようにする、という項目を要件の中に取り入れている。才能に基づいていないことをいかに努力して行おうと人並み程度の成果しか上げられない、というのは前述したとおりだ。しかし、努力をすることで周囲に迷惑をかけないようにすることはできる。

つまり自分の仕事に対して強みを活かすということは、なんでもかんでも強みを活かして仕事をしようとするのではなく、その比率を高めていくことが重要である。

今、自分が100の仕事のうち自分が没頭できるような時間が20あるのであれば、いかにその時間を25、30にどうすればできるのかを考えることが重要なのだ。

最後に弱みに捉われず強みに焦点をあてるとっておきの方法を紹介しよう。それは自分の弱みをさらけ出すこと、である。自分としてここが弱みだなぁ、と思うことがあればそれを受け入れるばかりか、周囲にも受け止めてもらうのだ。「俺、こういうのは○○は得意なんだけど、△△って本当に苦手なんだよね。。本当にごめんね、迷惑をかけて」と言ってしまう、ということだ。とてもそんなことは言えない、と思われるかもしれないが、事前にある程度懸命に努力をした上であればこの言い方、意外と受け入れてもらえるものだ。

どのような行動が求められるのか?



では最後に具体的にどのような行動が自分の強みを発揮することにつながるのか?その参考となるであろう行動を6つ記載する。


・世の中の様々な仕事に対して興味を持つ
⇒前述の通り、仕事というのは相手からニーズを与えられ、それに応えることで相手に喜んでもらう対価としてお金をもらうことだ。つまり世の中の仕事はすべからく何かしらのニーズに応えるものである。仕事を知る、というのは世の中のニーズを知る、ということ。中には自分が強みを活かすためにうってつけのニーズを見つけることができるかもしれない。


・部門を越えた様々な人とコミュニケーションをする
⇒日ごろ日常的に接する人だけではなく、別部署であったりかかわり合いの少ないパートナーと積極的にコミュニケーションをとること。そうすることでより幅広い視点でニーズをとらえることができるようになる。


・ちょっとしたおせっかいを積み重ねる
⇒いきなり相手がこちらの強みを認識して仕事をお願いしてくることはない。まずはちょっとしたニーズであっても、自分の強みを活かして仕事をする。自分の強みが活かせるものであれば、ときにおせっかいなほどに相手の仕事を手伝ってあげる。そうやって強みを発揮する機会を与えてもらいながら、知識と技術を磨くとともに、相手に「この人にこういうことやらせると質が高いな」と思ってもらうことが大事。


・相手に喜んでもらえたこと、を覚えておく
⇒実は自分がしてあげたことで相手が凄く喜んでいるのに、自分はそれに気づかなかったり、気づいているけれどすぐに忘れてしまうことがある。実は自分が気づかないだけで、自分の強みが発揮されていたのかもしれない。相手の反応は何よりのフィードバックだ。その全てを覚える必要はないが、日常のちょっとした相手の反応を忘れないように覚えておく(なんならメモにとっておく)。
そうすることで、日ごろ気にもしていなかった自分の強みが発見できたり、周囲のニーズに気づけたりする。


・常に成果を発信する
⇒強みを活かして相手に喜んでもらえた事例は可能な限り他の人にも事例として共有する。社内で誰かを手伝って喜ばれたことを他の職場のメンバーに話すのはただの自慢になてしまうが、例えばクライアントなどに喜ばれた事例を共有しておけば、今後似たような案件が発生したときに任せてもらえたり、助言を求められたりするかもしれない。(発揮する機会を与えられるかもしれない)


・強みを発揮できた仕事の「やりがい」を他の人に共有する
⇒強みを発揮し、仕事に取り組めたとき、これまで感じたことがないような没頭感だったり達成感を感じることができる。そういった体験は是非他の人(特に上司)に話すようにしたほうがいい。他者の強みを見出すというのは容易なことではない。具体的な事例・ストーリーを話すことで、相手が自分の強みを発見することを手助けすることは殊の外重要だ。(しかも「こんなことをして本当にやりがいを感じたんだ」という話は聞いていて自慢に感じることもなく、思いのほか聞き手は嫌な想いをしない)



これら一つ一つの行動はさほど難しいことではない。重要なのは、その積み重ねが強みを磨き、機会を創り出すことになることを認識し、日々意識的に行動することだ。そうした行動を積み重ねながら、自分の強みの発揮パターンを知ることで、具体的に自分の強みの活かし方を理解していくことこそ、強みを活かす最短の道だと思う。



さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす