リーダーに求められる変革プロセス ~はじめに | Work , Journey & Beautiful

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オルタナティブな学びを探求する

今回は、「リーダー」論についての、

個人的見解を述べる。




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リーダーに求められる資質や能力について、

これまで様々な曲面で議論がなされてきた。

書店に行けば、関連書籍は山積みされているし、

各教育ベンダーもそれぞれの切り口、理論に基づき、

プログラム開発がなされている。

しかし、あくまで個人的な感想だが

リーダーシップについて、

網羅的になんらかのロジックを確立し、

そのロジックに基づきリーダーを育成する試みは

残念ながら当初期待された効果や結果を

出しきれずにいる。


それは一体なぜだろうか?







そもそもリーダーとして目指すべきゴールとは

何なのだろうか?



世には、まさに天性のリーダーがいる。

誰かにリーダーシップとはこうだと教わることもなく、

リーダーになるべくして生まれたような、

資質・能力の持ち主だ。

彼ら彼女らは

圧倒的な統率力と、

ビジョン形成力と、

判断力と実行力と

ゆるぎない信念をもっている。



ではそんな彼ら彼女らのリーダーシップを

プロセスなりコンピテンシーなりで分割し、

所謂凄いリーダーの要件を洗い出し、

自分と照らし合わせ、

足りない部分を認識し自己研鑽に励む。

一見、意義がありそうだが、

多くの場合不毛に終わっている。

(だから今日も新たな自己啓発書が本屋に積まれる)



1.リーダーの外的要因


リーダーにはリーダーシップが求められる。

当然だ。(言葉の上で)

だが、多くの場合、同時にマネジメントも求められる。

プレーヤーとしての結果もまた求められる。

リーダーシップとマネジメントスキルについて、

ここで定義する気はない。


※この点についてはマーカスバッキンガムの
「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」
が分かりやすくご丁寧に一冊かけて解説してくれる。
良著だと思うのでよろしければ。


とにかく、

リーダーとして「組織を牽引する」ことだけが、

求められる仕事なのであれば、

誰もあまり悩んだりしない。

ビジネスパーソンは

環境によって、

場面によって、

プロジェクトのフェーズによって

リーダーとして、マネジャーとして、プレーヤーとして

振る舞わなくてはならない。

つまり、リーダーシップにのみフォーカスし、

研鑽したところで、事態が改善されるとは限らない。



2.リーダーの内的要因


環境も、組織も異なるために、

求められる「役割配分」も異なる中で、

成功するリーダーの共通点を紐とくことはまた、

公約数を探すアプローチとも言える。

しかし、やはり公約数は公約数でしかなく、

凄いリーダーの構成要素と比べ、何かしらが欠けており、

やはり功を奏しているとは言いがたい。







では一方で、リーダーにMECEに共通するものは何だろうか?

それは、リーダーとしての役割であり、

その役割に求められるプロセスであると考える。

リーダーはやはり指導者である。

「育成」という意味ではなく、

「指し示す者」という意味だ。

指し示す先は未来であり、「今よりも」ずっといい未来である。

あるいは、ずっといい未来へ向かうプロセスである。

つまり、リーダーに求められる役割は、「変革」であり、

求められるプロセスは、

「変革のプロセス」である。

そして重要なのは、

あくまで「変革」を実現することが最重要であり、

変革を「一人で」成し遂げることが重要なのでは決してない。

変革プロセスを理解し、

自分の特性を把握し、

不足する点を他者を巻き込み補填する。

それこそがリーダーに求められている。




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このコラムは上述のような理由から、

リーダーに求められる変革プロセスを

今後、4回に分けて紐解いてみる。





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