二酸化炭素 | TERUのブログ

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つれづれに

イタリアの自動車メーカー、フィアットが、二酸化炭素の排出量を120g/km以下にしたって記事を読みましてね。急に気になって、調べてみました。

あ、その前に、ちょいとご説明。

欧州で販売する定員9名以下の乗用車は、二酸化炭素の排出量が、企業グループの平均値で130g/km以下でなければならないと、決められたんです。超過したら、罰金が科せられます。

この規制は、今年から実施されるんですけど、超過した分の罰金は、2018年までは軽減措置が設けられてますけど、2019年からは1g超過について95ユーロという金額が課される予定です。

というわけで、自動車メーカーの二酸化炭素排出量は、いかほどのもんなのかと気になりましてね。調べてみたのです。

2011年の数値(つまり最新の値)では、イタリアのフィアットが世界一少なくて、なんと118.2g/kmです。欧州の規制を、軽々クリアです。お見事。

あと、フランス勢も優秀ですよ。シトロエンは、125.3g/km。プジョーが、128.5g/km。一番高いルノーでも129.0g/kmですから、ギリギリ規制をクリアです。

まあ、フィアットにしろフランスメーカーにしろ、小型車が販売の主流ですからね。彼らが規制をクリアするのは、比較的容易と言えなくもない。(もちろん、努力なさった結果ですよ)

じゃあ、日本メーカーはどうでしょう。

優秀なのは、ハイブリッド・カーのプリウスをたくさん売ってるトヨタ。125.3g/kmです。見事に規制をクリア。欧州で堂々と商売が出来ますな。

ところが……

ほかのメーカーは、まだまだこれからです。日産は141.9g/km。ホンダも144.1g/km。ヤバイ数字です。

日本メーカーは、欧州では大型のSUVとかが売れてますからね。小型車が得意な会社と比べるとやや不利ではあります。

が!

小型車がないって意味では、ガソリンをガンガン使って、アウトバーンをぶっ飛ばす高級車を作っているドイツメーカーは真っ青ですよ。

アウディが146.2g/km。BMWは149.3g/km。もう大変。なんとベンツに至っては162.4g/kmという、とんでもない値で、この先どーするんですか? と、人事ながら心配になってしまう数字でございます。

どーするのかというと、なんと、ドイツの高級車御三家は、そろいも揃って、小型車に力を注ぐそうです。あと、高級車のハイブリッド化を進めるみたいですね。

ドイツメーカーは、一台の車の中に、エンジンとモーターの、ふたつの駆動ユニットを入れるのは非合理的だと言ってたんですけど、もー、そんなこと言ってられんってことでしょうか。

日本メーカーも、規制をクリアしてるのはトヨタだけですからね。ドイツメーカー同様、必死にがんばらなきゃマズいみたいですよ。

その規制ですけど、2020年には、さらに厳しくして、メーカー平均で、排出量を95g/kmにしようってことみたいです。

出来るんでしょうかね?

おそらく、いま一番燃費のいいプリウスの実燃費で計算すると(カタログスペックでは65g/km)、96g/kmくらいだそうですよ。なんと、プリウスでさえ次世代の欧州規制をクリアできない!

自動車メーカーが、ハイブリッド・カーを飛び越して、電気自動車を売ろうとしてる理由もわかるってもんですね。

ちなみに、ガソリン1リットルを完全に燃焼させると、計算上は2360gの二酸化炭素が出るそうです。実際には、それより少なめになるそうなので、2320gで計算するのが一般的なんだそうです。

以上、本日の豆知識でした(笑)。