繰り返し見た映画 | TERUのブログ

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つれづれに

マイナビって会社が、なんども見てしまうお気に入り映画のアンケートを取ったそうです。

栄えある一位は、「となりのトトロ」なんだそーですよ。といっても、有効回答数 1,000件のうち、トトロを挙げたのは27人なので、ばらけた中では、多かったという感じみたいですね。

要するに、お気に入り映画は人それぞれ。

ぼくの場合、なんども見た記憶があるのは、ヒッチコックの「裏窓」ですね。

非常に古い話で恐縮ですが、もう20年くらい前に、どこぞの小さな映画館で(有楽町だったか新宿だったか……場所が思い出せない)、古い映画のリバイバル上映があって、その中で「裏窓」も、たしか2週間くらい、夜だけ上映してたんですよ。

その上映期間中に、たしか10回近く通ったはずです。

自慢じゃないけど、すごく集中して映画を見ると、一回見ただけで、かなり正確に記憶できる自信があるんだけど、それでも繰り返し見に行ったのは、ヒッチコックの技法に、心酔しちゃったからですね。

ぼくは映画を評論できるほど見てるわけじゃないけど、ヒッチコックって、すごい監督ですよ。芸術性って言うより「職人気質」って感じ。

当時のぼくは、フォトグラファーとしてフリーになったばかりで、食っていくためには、学生時代の芸術家気分なんか、これっぽっちも役に立たないってことを思い知って、職人にならなきゃいかんと感じていたのかも……なんて、後付けで考えてみたりもしますが、グレース・ケリーが美しかったのも理由の1つでしょうな(笑)。

いやまあ、ヒッチコックの表現技法と、ストーリーの構築の仕方が、とんでもない「高み」に達していると感じて、それに魅入られたのは事実です。

さっき、ぼくは映画を集中して見れば、一回見ただけで、かなり正確に記憶できるって書いたけど、その記憶は徐々に揮発するんですよ。だいたい、三ヶ月もすれば忘れちゃう(苦笑)。

でもね、ヒッチコックの「裏窓」は、そんなふうに若いころ、飽きもせずに見続けたせいか、いまでも、ほぼ思い出せますね(完全じゃないだろうけど)。

なんでも一流を知らなきゃダメだって言われますけど、ぼくがストーリーテラーの世界で知った、最初の一流がヒッチコックだったのかも知れません。