テモナのメッセージとして、「起業家輩出」という言葉がある。
採用やホームページなど至る所でこれを公言しているので、
当然テモナ社員も起業を志す人が多い。
私は10代で起業して失敗して、更に何度かの起業を経て7年前にこの会社を立ち上げた。
経営の右も左も分からず、人脈もなく、採用スキルも、お金もなく、製品もない。
頼るは己の力、「技術力」と「営業力」のみ。
自社製品を作っても全然売れず、受託開発という形で食いつなぎ何とかしのいでいた日々。
徐々にお客様も増え、人も増え、
やっと最近会社になったきたのかな、
経営者としてスタートラインに立てたのかなと思う。
数々の失敗と挫折を経験して、色々な経営者とコミュニケーションを取る中で気づいた重要なこと。
「自分のミッションの為に、貪欲に社外にいる周囲を巻き込み、遠慮せず使い倒す」ということ。
経営者は自信とプライドの塊なので、
恥ずかしい、何を聞けばいいかわからない、
独力でやるのがかっこいい、という感情がこれを邪魔する。
そして、私のように失敗して更にカッコ悪い、恥ずかしいことになってしまう。
経営者は孤独だ。
でも、それは社内に限った話であり、社外には沢山応援してくれる人がいる。
じゃあ、なぜ周囲は助けてくれるのか?なぜ応援してくれるのか?
それは自分がまさにそうだったから。
その時に沢山の人に助けてもらったから。
それを次に繋ぎたいと経営者なら誰しもが思っている。
私は通算で12年経営をやっている。12年!!
12年たって、やっと経営者としてスタートラインに立てた。
この12年にはおびただしい失敗と恥が積み重なっている。
しかし、少なくともこの半分は自分が無知なゆえの
ムダな努力とムダな失敗、ムダな時間だったと思っている。
なぜなら、自分の力だけで何もかもやることがかっこいいと思っていたし、自由だったから。
その時の会社の裏ミッションは、
「起業して自由に好きなことをやる!」だった。
でも、本当のミッションは当然別にある。
ミッションを全うすることが会社の目的なのに。
起業を志す人へ問いたい。
あなたのミッションは
「起業することなのか?」
「自由になることなのか?」
「独力でやることなのか?」
もっと尊く大事な、利他的な、人をワクワクさせるミッションがあると思う。
そのミッションの為に経営者は全力でコミットし、周囲を使い倒し、
最短距離で辿り着ける手段を取るのが本質的に最善である。
ヒト、モノ、カネの全ての経営資源において恥を捨て、
遠慮せず、貪欲に周囲を巻き込み使える人は、突き抜けるのが絶対に早い。
そういう突き抜ける起業家をテモナから一人でも多く輩出したい。
なぜなら、僕のような起業家を産みたくないから。
この、親心のような気持ち。
でも社員は親の背中を見て育つ矛盾。
この矛盾を解決し、社員にあるべき背中を見せるためには
まず私が突き抜けた経営者を体現し続ける必要がある。
テモナのミッションを全うするための最短距離を歩むため、貪欲に周囲を使い倒す!!
テモナの起業家輩出は、起業が目的の小粒の起業家を生み出すためではない。
これまで培った経験と人脈、情報、カネ、モノ全てを使い倒せるくらいの大きな器と利他的なミッションを兼ね揃える、突き抜けた起業家を生み出すことである。