大学卒業後の就職には2.1以上の学位が必要 | 鉄火のマキ@London イギリス教育事情一番乗り

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大卒者は増えていく傾向にありますが、不況により求人数は逆に減りつつあります。卒業後の就職が一段と厳しさを増しているのはここイギリスでも例外ではありません。大卒者対象のGraduate Job 一つに対し応募者は69人にものぼるのだとか。

Three quarters of employers 'require 2:1 degree'

英国の学士号卒業の学位には、その成績によって優等学位 (class honours) がつけられます。首席レベルの1st Class Honours の次に良い成績である 2nd Class Honours の層は厚いため、その中でさらに Upper Division (2:1) と Lower Division (2:2) の上下に分けられ、さらにその下の 3rd Class > Pass と続きます。 優等学位無しの Ordinary Degree (Pass) でも卒業はできますが、企業が大卒者に求めるのはその2等級優等学位の上部アッパー・セカンド以上の成績です。


意外にも出身大学の知名度を重視するという企業は1割弱と少なく、逆に8割近くが学位の成績を最重要視するというのが興味深いです。

Uni Stats で、各大学の学部別に卒業生の学位取得の割合が分かりますが、自分の志望するところのUpper 2nd以上の取得者の割合が少ないのであれば、それは後の就職活動に影響するかもしれないと予め知っておくべきでしょう。中には前に遡って高校卒業時のAレベルのグレードがAでなかったから落とされたケースがあり、これは競争率が何十倍もあるのなら体の良い足切りなのかもしれません。

近頃よく見聞きするのは、大学を卒業しても学位が役に立たない販売職やフリーターのような不安定な仕事に甘んじるケース。このような仕事であれば、自分と同い年の高卒の「先輩」と肩を並べることになり、さらに大学のローンの返済も重くのしかり社会人デビューの出鼻をくじかれることになります。

ですので、大学へ進学すると決めたのなら将来への強い目的意識を持つことが今後益々大切になるのではないでしょうか。なんとなく皆も行くからといって安易に進学先を選んでしまうと結局良い成績がとれず、時間とお金の無駄だったということになりかねません。

Young students flock to the Open University

次の記事は、ケンブリッジ大学の合格を蹴ってあえて通信制大学で資格取得を目指しながら幼児教育の現場で職場経験を積み、同級生が大学卒業する年にもう自分は管理職という見事な成功例。不況の影響もあり、元々社会人向けに開かれたオープン・ユニバーシティのコースを選択する若い層が増えていますが、大学全部落ちたからしょうがなく通信生になる場合と、この彼女のように目的のための手段として通信制を利用するという意識の違いが将来にどう響くのか注目すべきでしょう。