新・リア王 | 続・日々コラム・・・

続・日々コラム・・・

Shen Teh n Shui Ta = hen na TeTSuShi・・・

0b0326a2.jpg前作『晴子情歌』の彰之の成長後の話、ということで、登場人物のバックボーンがとっても厚い。
もっとも、分厚いハードカバー上下巻本(=サイフには厳しい)なので、単独でも読み応えはあるのだけれども、高村作品の登場人物には、まったくいつも、どの人物にも感情移入できる人生がある。
そういえば、常連・合田刑事まで登場してきたのは照れるくらいにうれしかった。

それに加えて、話は政治家を扱ったフィクションだが、竹下登氏などが実名で登場してくる。これがまた、リアルに主人公親子を生きさせている。

政治と宗教が、それぞれに過渡期にあった、ちょっと前の80年代をプレイバックして、俯瞰すると、すこしばかり今が見えてくる気がする。
いったいどういう取材をされているのかと本当に感心する。

初読では、面白いので、ストーリーを追って急いで読みすぎた。
高村作は、一字一句の使い方・置き方が魅力なので、次はじっくり再読したい。