『ぐぅ!』
黒マントに撃ち込まれる銃弾。呻き声が漏れる。
「レガーレッ!」
更に別方向から黄色いリボン。螺旋を描き、黒マントの体を縛り上げた。
「赤いリボンじゃなくて生憎だけど、大人しくしてもらうわよ!」
「マミさん!」
「危ない所だったわね。鹿目さんが赤いリボンをしていたのを思い出して。
もしかして…と思ったけど、まさか童守町から見滝原にまで移動して来るなんて」
「マミさん! こいつ、一体何なんですか!?」
さやかの姿を見て、マミは目を丸くする。
「美樹さん!? あなた、魔法少女に…」
(美樹さやか…! 馬鹿な事を…)
ほむらは下唇を噛んだ。
(巴マミが生存し、魔法少女と互角に戦える戦士達が集う、
今までに類を見ないこの『デタラメな世界』でも、美樹さやかは魔法少女になってしまった…
だけどせめて…せめて、まどかだけには魔法少女の契約を結ばせるわけには行かない…)
「こいつは怪人・黒マント。何故か、赤いリボンをつけた女の子ばかりを狙っているらしい」
暗がりに光る水晶玉を手に、ぬ~べ~も姿を現す。
「鵺野先生まで…」
「こいつは人間では無い。全身から邪悪な妖気が発散されている。
これは強い憎しみ、恨みによるものだ」
「限りなく魔女に近い存在、なのかもね」
「だから、あたしのソウルジェムも反応したんだ…」
『ウウウウウウ…!』
「!?」