小説・CROSS HEROES サブシナリオ「ロッソ・ファンタズマ」 | tの丸顔ブログ

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世界の破壊者、tケイド ブログの世界で、その瞳は何を視るー。

殴られ、側頭部から出血する杏子。

「こンのッ…野郎ッ!!」

激昂した杏子はフェイトの胸ぐらを掴み、頭突きを食らわせた。

「あうッ!?」
「へっ、ざま見ろ!」

その隙に、杏子はフェイトから間合いを遠ざけようとするが、

「ライトニング・バインドッ!!」

フェイトは右の掌を大きく開き突き出した。

「何ッ!?」杏子の四肢を、金色の輪が拘束する。

「う、動けねえ!」

大の字の状態で完全に動きを封じられてしまった。

「バルディッシュ!」

【Charge Stand by.】

フェイトはバルディッシュの切っ先を杏子へと定め、魔力をチャージし始めた。

「チッ、えげつねえ事すンじゃねえか…!」

動けない杏子へ向けて、魔力を最大限にまでチャージした攻撃で狙い撃とうと言うのだ。

「死なないように、手加減はします」
「どうだか…! 信用出来ねえな!」

もがく杏子だったが、拘束はビクともしない。

「チッ、仕方無え。この技はあんま使いたかないんだが、死ぬよりゃマシか…!」
「何をする気?」

「ロッソッ! ファンタズマッ!!」

「!?」

杏子の魔力の特性は「幻惑」。杏子は5人の分身を生み出した。

「これは…!」

「だああああああああああッ!!」

それぞれ実体を持つ杏子の分身達はフェイトの元へと飛んで行き、
今まさにチャージした魔力を発射しようとしているバルディッシュ目掛け、槍を突き立てた。