Androidのスマホを自転車のナビにする
→ その1 ナビアプリの比較(本記事)
→ その2 ルート表示アプリの比較
→ その3 ルートの作成方法
→ その4 便利なスマホの設定
自転車に乗るといっても、その目的地はたいてい近所の知ってる場所やと思う。最寄りの駅、近所のスーパーなど、いつも通う場所へ移動するために乗ることがほとんど。けど、そこそこ遠くまで楽に行ける自転車やからこそ、目的地までのナビ機能が便利なこともあるはず。
そんなわけで、自転車ナビとして使えるスマホアプリを1回目はまとめてみる。先に結論を書いておくと、自転車でのロングライドをあらかじめ計画してるような人は、2回目以降のルート作成・表示を使う方が現状は良いと思う。
車でのカーナビと比べると、後でも書くように現状デメリットの多い自転車のナビやけど、ふと思い立ったときに行きたい場所までナビしてもらうという基本的な機能はしっかり果たせそう。
1. ナビアプリの比較
目的地までのルート検索と、音声案内を行ってくれるアプリの比較
アプリ名 | 料金 | ルート検索について | 音声案内について | リルート の速さ | オフライン 地図 | 横画面 表示 | Android バージョン | ||||
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種類・数 | 経由地追加 | 画面 オフ時 | 曲がり角の 事前予告 | ||||||||
Googleマップ | 無料 | 徒歩用:2~3種 車用:2~3種 ※1 | 8点まで | ○ | 徒歩用:交差点到着時のみ 車用:事前アナウンスあり | 速い | × | ○ | |||
自転車NAVITIME | 無料版 ※2 | 自転車用:1種 | × | ○ | 500/300/100m手前&交差点 | 速い | × | △ ※3 | |||
300円/月 | 自転車用:7種 | ○ | |||||||||
MapFan | 無料版 ※4 | 徒歩/自転車:1種 車用:3種 | 5点まで | ○ | 徒歩用:利用不可 車用:事前アナウンスあり | 速い | × | ○ | |||
400円/月 3600円/年 | ○ | ||||||||||
Maps & Navigation — OsmAnd | 無料 | 徒歩:1種 自転車:1種 車:1種 | ○ | ○ | ? | ○ | ○ |
※1 海外では自転車用ルートを検索できるけど、日本では現状利用できない。
※2 Android版は月に10kmまでのナビが無料。
※3 アプリ単体では非対応。別途アプリの利用で表示を崩さずに横画面表示可。
※4 無料版はオフライン地図が使えないけど、自転車用途なら制限はそれだけ。
1-1. Googleマップ
(1) 一言まとめ
何をするにも無料なところはさすがGoogle。地図が見やすく情報量も豊富で、周辺検索も簡単。自転車向けのルートは探索できないけど、徒歩モードを使えば最低限自転車でも通れる道を案内してくれる。
(2) 提示されるルートについて
・徒歩ルート
徒歩ルートを選択すると、特に街中では細い裏道をジグザグに進むルートを提示されることがある。たしかに信号で引っかからず目的地に早く辿り着くかもしれんけど、ナビの性格上細かく右左折の指示に従うのは面倒くさい。適度にナビを無視した方が快適に走れると思う。
徒歩ルートというだけあって、自転車で快適に走れる道を優先的に選んでくれるわけではなく、高低差もあまり気にしないのかアップダウンのある道を進むことになったりもする。とはいえ、ルートは2~3種提示される中から好きなルートを選ぶことができるし、提示された中で大通り多めの走りやすそうな道を選ぶと意外と良い道を走れたりする。
・自動車ルート
自動車ルートを選択すると、基本的に大通り優先で走れる。ただ、自動車専用道を案内される可能性があるから基本的には自動車モードは使うべきじゃないと思う。もし目的地までのルート上で自動車道を通らないことが分かってるなら、このモードを使うのもありかも。
それと、横断歩道のない交差点に出くわすこともあるから、車道を走りなれていない人は走りにくい道を案内されることもある。自転車は車道が原則やのに走りにくい道路事情もどうかとは思うけど。
(3) 音声案内について
画面オフ状態での音声案内をしてくれるのが有難い。ただ、徒歩モードでは曲がり角に到着時にようやく「右に曲がります」と指示が出たりする。前もって「あと何百メートル先を右折です」とかの指示がないから予測しにくいのはいまいち。自動車モードでは何メートル先を曲がるべきか前もって教えてくれる。
(4) その他使い勝手
・良いところ
デザインや色使いのおかげか地図が見やすく感じる。経路沿いのコンビニ、ATM、レストランなどを簡単に検索できたり、さらに詳しく周辺のお店を検索したりがナビ画面からでも簡単。
・注意点
海外なら自転車専用のルート探索ができるみたいやけど、日本では未対応。
1-2. 自転車NAVITIME
(1) 一言まとめ
見た限りでは唯一の自転車専用ナビアプリ。自転車向けのルートを探索してくれるところが最大の強み。ただ、しっかり使うなら月額300円を払うことになりそう。
まだ有料版は試せてないから、感想はすべて無料版で使える範囲でのもの。時間が出来たら有料版を試してみようと思う。
(2) 提示されるルートについて
・ルートの種類について
月額さえ払えば、自転車向けの7種類ものルートを提示してくれる。7種類の中身は、推奨ルート/距離が短い/坂道が少ない/坂道が多い/裏通り優先/大通り優先/サイクリングロード優先となる。坂道が多いなんてマニアックなルートも選べるところはさすが自転車専用アプリなだけある。
・推奨ルートについて
推奨ルートでは程よく大通りを取り入れた道を提示してくれる。細かいジグザグがないから走りやすい。
(3) 音声案内について
曲がり角に近づくにつれ「あと何百メートル先を右折です」なんて指示が数回届くからどこで曲がるべきか分かりやすい。
(4) その他使い勝手
・良いところ
ルートの詳細を見ると高度の推移グラフが出るから、どれくらいアップダウンのある道か予測ができるのは便利。それだけじゃなく、現在地の周辺の駐輪場や自転車屋さんなどを検索できる機能も便利。
・いまいちなところ
アプリ内に周辺のカフェやコンビニを探索できる機能があるのに、ナビ中はこの機能が使えないところがいまいち。一旦ナビを終了すればアプリ内で確認できるとはいえ、ちょっと面倒くさい。
1-3. MapFan - 渋滞情報/オービス/オフライン対応カーナビ
(1) 一言まとめ
オプションプランでは完全なオフラインでのナビに対応してる。外出先でのデータ通信を抑えられるから電池の消費量も少なくなるはず。
自転車専用モードがないのは残念やけど、無料のままでも十分使えるところはGoogle Mapと同様。ただ、現状はアプリの起動が遅かったり、動作がいまいち安定しなかったりでアプリの評価が良くない。
(2) 提示されるルートについて
(3) 音声案内について
徒歩・自転車兼用モードでは音声案内をしてくれないのは残念。車モードでの音声案内はなかなか使いやすそう。特に、ルートから外れれば割とすぐに「ルートから外れました」とアナウンスしてくれるし、リルートがかなり速くてなかなか頼もしい。
1-4. Maps & Navigation — OsmAnd
上のリンクは無料版のもの。無料版とはいえ、オフライン地図のダウンロード、オフライン状態でのナビが可能。無料版の制限は地図のダウンロードに制限があること。
(提示されるルートについて)
自転車用ルート探索機能があるとはいえ、自転車モードでは裏道をジグザグに進むルートを提案されるからいまいち使いにくい。けど、サイクリングロードを認識しているみたいで、程よく取り入れたルートを提示してくれる点ではなかなか参考になる。
目的地まで数10km離れてると、車ルートの提示は全然できないことがある。
2. スマホでナビアプリを使う場合のデメリット
スマホでナビ機能を使うとバッテリー消費が早い。
提示されるルートが自転車に向いていない場合がある。
音声指示が聞こえにくい場合がある。
ちなみに、自転車のサイコンで有名なGARMINの製品を例に挙げると、自転車ナビ機能を使うには最低でも5万円ほど必要。(下位グレードから順にEdge 25J / 520J / 820J / 1000Jとあるうち、上位2つのみナビ機能がある)
値段がかかる割に、ナビ機能についてはそこまで評価が高くなさそう。地図はやっぱりGoogle Mapの方が見やすかったり、表示されるルートもいまいち自転車で走りにくい道やったり。
これに対し、スマホのナビアプリを使うための値段は安いものなら無料、高くても月額400円。つまり、高いものでも10年程使い続けてやっとGARMINに追いつく値段。(もちろんGARMIN製品はナビ機能以外にもたくさん価値のある機能があるけど。)
そう考えると、ナビ機能を目的に高価なサイコンを買うよりはスマホを使う方がいいはず。