2009年に起こった島根県女子大生殺害遺棄事件。
いまだに犯人は捕まらないわけですが、3年経って再犯が起きないということは犯人が愉快犯ではないということが言えるのかもしれません。
しかし犯人は海外に逃げている場合や死んだ場合を除いて日本のどこか、おそらくはまだ中国地方あたりに住んでいるでしょうから、安心は出来ないです。
昨年は松江の柏木さんが失踪して行方がわからなくなり、先月から境港近辺や安来の内海で女性の遺体が見つかっています。女性の遺体はまだ鑑識の結果が出ていないのか、その後の情報はわかりません。
ほかにもこの辺りはこんなことはありました。
2011年2月27( 島根県女子大生殺害遺棄事件から1年半後)に、遺棄された臥龍山の近くで起こった出来事です。50過ぎの男が昼間堂々と、広島市安佐北区安佐町の路上で帰宅途中の中学二年の女子生徒に対してモデルガンで「殺すぞ、(車に)乗れ」と脅して誘拐しようとしました。
たまたま現場を見た車庫入れ途中の夫婦が再び車を出して逃走を始めた犯人を追いかけて捕まったためにこの事件が発覚。
犯人は安芸太田町にある小学校の教頭先生でした。
小学校は臥龍山の近くで、教頭の住居は犯行現場の少し南。
意外と犯行現場には近い所に住んでいたわけです。
やはり土地勘があって居住地より少し離れたところというのがよくあるパターンになるのかもしれませんね。
島根県女子大生殺害遺棄事件があった後なのにこんな事件が平気で起こってしまう。
ちなみにこの教頭は、小学校を懲戒解雇になりましたが、被害者が起訴を取り下げたので起訴猶予ということになっています。
捕まった時は「たのむから見逃してくれ」と懇願されたとか。
さらに昨年2012年の11月7日に、浜田市でこんな事件もありました。
島根県女子大生殺害遺棄事件の被害者である平岡さんが通っていた県立島根大のすぐ東側に運転免許試験場があります。
その試験場近くである浜田市竹迫町の駐車場で白い小さな車が止まり、歩いていた女子高生を無理やり車に乗せて西の山手(県立島根大の方向)に車を動かしました。五分ほど車に乗って三階町(みはしちょう)というところにある駐車場に止まった隙に、女子高生は車から脱出に成功。しかし車はそのまま逃走してしまいました。
運転手は茶髪まじりの20~30歳程度の男との事。
島根県女子大生殺害遺棄事件から丁度3年が経って、事件の関係場所のど真ん中で起きた誘拐未遂事件。(ただ女性をひっかけようとしただけかもしれません)
地方ではよく見かける光景でしょうか、いや、普通は複数の男性が夕方以降に駅前などで誰かをひっかけようとすることはあるでしょう。
これは昼間の13時過ぎに起こった。しかも平日の水曜日なのです。
普通は働いているでしょう、しかし不動産やマーケットなど水曜日が休みの会社もあります。または男が失業者であるのかもしれません。
それにしてもこの男、一体どういう神経で大事件の懐の中で堂々とこんなことをやったのか。
ほかにも12月8日14時頃には浜田市熱田町のバス停で、下校途中の女子学生に「なにしとるん、どこ行くの」と声をかけた短髪茶髪の20代男性がいましたが車は黒で同一犯ではなさそうです。
女性に声をかけると言うこと自体はよくあることで珍しいとはいえません。
しかし、そのなかに強引な人間がいることは確かだし、まさにそいいう連中が怖いと言うことになるでしょうか。
女性を車に乗せるという部分が犯罪を犯そうとする人間にしてみれば一番大変な部分になるのでしょう。
言葉巧みに誘ったり脅したり、しかしそれでも一部の女性は車に乗ってしまう。
いくら脅されても車には絶対に乗らないということは重要だと思います。
2007年に吉田修一さんが書いた「悪人」という小説がありました。
映画化もされて、いわゆる出会い系殺人事件を取り扱ったものです。
出会い系はご存じの通り15年ほど前から、ネットが普及するにつれて増えてきた出会い手段で、それ以前から車で女性をひっかけるというのはオーソドックスな出会い手段でした。
「あんたなんて最低よ、わたしはあんたに暴行されて犯されましたって言ってやるわ、絶対に訴えてやるから!バカじゃない・・・」
山中で車から放り出された佳乃を助けに来た祐一は佳乃からこんな言葉を浴びせられる。
そして揉めるうちに首を絞めてしまう。
この物語のような殺人事件は多分に過失的な要素が強いわけで、もともと互いの信頼関係が確立できていない状態での男女のもつれということになるかと思います。
この「悪人」という物語自体は「本当の悪人とは誰なのか」という部分を物語にしているみたいですが、そういう意味では先日死刑となった金川真大やネット殺人の神田司死刑囚に対しては同じような問いかけが出来るような気がしていますが、島根県女子大生遺棄殺人の犯人に対してはそんなことを意識出来ないほどの、無条件で許せないほどの強い怒りのようなものがあります。
この小説(映画)と比較をしてみて、はたして島根県女子大生殺害遺棄事件や上のような未遂事件は、かなり犯罪要素が違うでしょうか。
平岡さんもかなり争った痕が見受けられます。
無理やり車に連れ込まれたのかもしれません。犯人が二人ならともかく一人なら逃げることもできるでしょう。だから気絶させるような行為があったのではないでしょうか。
この映画の場合は、圭吾というボンボン学生が好きでもないが好意を持たれている佳乃を夜中に車に乗せてドライブをしたが福岡県の三瀬峠の山中で鬱陶しくなり、佳乃を社外に蹴り出して去ってしまう。出会い系で再び会おうとしていた祐一は圭吾の車を追いかけて事件となる。佳乃の遺体を現場で遺棄してしまうがたまたま犯人をすり替えられる要素がありました。
もし、そんな要素が無ければどうしていたでしょうか。
ひょっとすると、自分の車に積んで自宅やどこか人影のない所で遺体を解体して遺棄するということをやったかもしれません。
ここから先はその人間が持つ本性や性格によって変わってくるでしょう。
香川県のマネキン殺人事件では、夜中に雨に濡れて立っていた女子高生を車に乗せて乱暴したあげくに山中に遺棄した事件。
江東区女性殺人事件 は車ではないがマンションの隣近所に住む女性を自分の部屋に連れ込んで乱暴して殺害。遺体は部屋の中で一週間かけて解体した事件です。
そんななかでも島根県女子大生殺害遺棄事件の犯人は素朴粗暴な傾向が強いと思っているのは私だけでしょうか。
香川県のマネキン殺人事件 と同一犯である可能性は捨てきれません。
県立島根大の近くでの誘拐未遂犯も同一犯である可能性は捨てきれません。
ともあれ、再犯にはくれぐれも注意して欲しいものです。