「千の丘ラジオ 」の事は前回に書きました。
1994年のルワンダ共和国で起きたクーデター。
当時多数派のフツの政権にも拘らず、少数派のツチ率いる反政府勢力、ルワンダ愛国戦線 (Rwandan Patriotic Front, RPF)との和平を不満に思ったフツ過激派がラジオを利用した計画的なクーデターでした。ラジオ放映の前からインテラハムウェと呼ばれる民間武装集団を育て上げていた。
ラジオに誘導されながら都市部はインテラハムウェが暴れだし、農村部ではラジオを聴いた青年たちが自衛をしながらツチの人々を殺し始めたと言うわけです。
結果的にはルワンダ愛国戦線が都市部にまで攻め入って沈静化。国の軍部は見てみぬ振りで、頼みの国連とアメリカはと言えばソマリア派兵の失敗とルワンダに資源的利権が無かったせいか形だけの少数派兵しかしなかった。
何かギブ アンド テイクがないとこんなものなのだろうか。結果的に3ヶ月で80万人もの人が命を落としたという残念な事件でした。
政情が不安定になると、人間の心は歪むのでしょうか。
これは、遠いアフリカの話と思うかもしれませんが人事ではありません。
1927年、約80年前の事。日本は大恐慌になっていた。当時の大蔵大臣だった高橋是清は片面しか印刷しない紙幣を大量に作って国民を安心させた。しかし、その多くは軍事費に充てられてしまった。それでも市中に金が流通してインフレになってきた。高橋はここで軍事費を大幅にカットしようとしたら、暗殺されてしまった。
有名な2.26事件です。
その後は軍国主義化して第二次世界大戦の首謀者になった日本。
日本もほんの80年前はルワンダや今のコンゴ民主共和国と何ほどの差があっただろうか。
ルワンダの惨殺事件は映画にもなっています。
「ホテル・ルワンダ」(他に「ルワンダの涙」もある)
ホテル・ミル・コリンの副支配人だったポール・ルセサバギナの実話が基になっています。
ポール・ルセサバギナは町中の異常な殺戮の中で、このホテルミルコリンに約1200人のフツ穏健派とツチの人々を匿い、命を救った。
身の危険もあったのだろう、その後ベルギーに亡命して運送会社を営んでいるそうです。
この映画にはジャン・レノをはじめ「ビッグウエンズデー 」のニック・ノルティーも出演しています。
映画では残虐なシーンには気を使っていますが、物語の中で問題の「千の丘ラジオ」が所々で放送されています。
あとは映画を観て下さい。
これでルワンダのお話は終わりです。実は私はルワンダのことではなくて隣の国コンゴ民主共和国の事を書きたかったのですが、重要な事件なので二回に渡って書きました。お話は後日に続きます。
最後に、このときの指名手配画像です。つまりフツ過激派の惨殺首謀者。
見ても解らないですね。(汗)