「イノキ・ボンバイエ」とコンゴ「キンシャサの奇跡」 |         きんぱこ(^^)v  

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  きんぱこ教室、事件簿、小説、評論そして備忘録
      砂坂を這う蟻  たそがれきんのすけ

-------------20160612----------------
【アリ逝く】
2016年6月3日
モハメド・アリが他界しました。
沢山の勇気をありがとうございます。
ご冥福をお祈りします。
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【「イノキ・ボンバイエ」と「キンシャサの奇跡」】


 一見タイトルとは関係のなさそうな話から。
 キンシャサノキセキという馬がJRAで走っていました。短距離の大きなレースに参加する馬で有名な馬でしたね。
 この馬名の由来はご存知でしょうか。
 キンシャサと言えばアフリカのコンゴ(以前はザイールという国名でした)で行われた有名な試合がありました。
 そうです。モハメッド・アリとジョージ・フォアマンの歴史的試合です。1974年の話なので丁度40年も前の話ですね。すごい試合でした。
 この試合でモハメッド・アリが下馬評を覆して勝利したことはご存知ではないかと思います。
 そしてこの試合の事は「キンシャサの奇跡」と呼ばれています。


$砂坂を這う蟻-こコンゴ民主共和国

 キンシャサはコンゴ民主共和国の首都の名前です。
 この国も鉱物資源が豊富な熱帯雨林の国です。「ブラッドダイアモンド」のシエラレオネより南東のアフリカ中部にあり、ダイアモンドやその他豊富な資源の利権が絡んで紛争が絶えないそうです。
 2003年に発生したエボラ出血熱はこの国が発祥です。また広島に落とされた原爆のウランはここで採掘されたものだそうです。
 この国は現在でも政府が東部を掌握出来ては居らず、東部では男尊女卑が激しく、暴力やレイプが世界で尤も多い地域だと言われています。その東部ゴマ市には国連軍800人が派遣されていますが、国連軍を上手く避けるように紛争が続きます。アフリカではフツ族とツチ族が大半を占めており、一見民族紛争のようにも思いますが違います。民衆は両部族の混血が進み、現在では身体的特徴も区別がつかないそうです。しかし紛争が始まると家族は父親に属する部族にされてしまい、親戚同士で殺し合されてしまう様です。
 紛争の原因は経済で、ダイアモンドなどもそうですが現在はタンタルと言われるコンデンサーの役割をする希少金属の利権が紛争の原因になっているそうです。これは私達が使っている携帯電話やパソコンに使われています。つまり紛争の要因は先進国のハイテク機器ということになるわけです。この利権を取った現地人は年間20億という収入を得ている反面、東部地域の町には、酷いところで住民の女性の70%がレイプに会い、政府がレイプ犯を捕まえようとしない(国軍は給料が貰えていないから真面目に働かない)。数百人の国連軍が辛うじて治安低下を最低の所で維持していたが、国軍からも独立する部隊もあり、混沌とした状況が続いた。ようやく 2013年2月24日、コンゴ民主共和国を安定化させるための国際連合が後援する協定がエチオピアの首都アディスアベバで調印された。しかし1年経った今その後の情勢についての情報がない。

 この国が1971から1997までザイール共和国と呼ばれていた頃に、首都キンシャサでアリとフォアマンとの対決が行われました。

 1974年10月30日の試合当日。観客は叫びました「アリ! ボマ イェ!」(アリ! あいつを殺せ!)
 この言葉が後に「アリ、ボンバイエ」となり、アリと猪木の異種格闘技戦の後から「イノキ!ボンバイエ」と呼ばれるようになりました。
 ボンバイエは、日本では「猪木、あいつをやっつけろ」程度の意味なのでしょうが本当は「殺してしまえ!」という恐ろしい言葉なのでしょうね。しかしアリは当時32歳で全盛期は過ぎていました。
 ジョージ・フォアマンといえば、相手がグローブで構えていようがいまいが物凄いパンチを繰り出して相手を粉砕するハードパンチャーの世界チャンピオンでした。日本でも有名ででしたし私も良く覚えています。
 余談ですが、フォアマンはアリに負けた後、宣教師さんになってボクシングを再開して、なんと45歳で世界チャンピオンに返り咲きました。フォアマンは子供の更正施設建設の為に戦い続けて48歳で引退しました。
 アリは勿論引退して、その後のヒーロー、マイク・タイソンの時代が終わった後の事です。
 試合の話に戻します。フォアマンに対してモハメド・アリは「蝶の様に舞い、蜂の様に刺す」戦法に加えて打たせるボクシングで対抗します。
 試合はスタミナを消耗して、ロープ際で一瞬よろめいたフォアマンを見逃さずに攻撃したアリがKO勝ちを収めます。アリはその後アントニオ猪木と戦って受けた足のキック跡が血栓症を起こして治療を受け続けている内にパーキンソン病にかかり病と闘いながら生きています。

 



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