映画にもなった「ブラッドダイヤモンド」で有名なシエラレオネの反政府勢力「革命統一戦線」を隣国であるリベリアから扇動したなど11の罪状で国際法廷での裁判となっていたリベリアのテーラー元大統領の判決が5月30日に下されました。
求刑は禁固80年に対して判決は禁固50年。
血のダイヤモンドを受け取り、武器を供給して反政府勢力を扇動して殺人・強姦・子供の徴兵そして惨い事に片腕・両腕の切断など無茶苦茶をやっていた張本人と言うわけです。
隣国なら止めるべき立場の大統領というポストにいながらダイヤのためだけに人権無視の無茶苦茶、そしてシエラレオネを世界第二の難民国にしてしまった。
当然の判決でしょう。
この人はすでに64歳。禁固が80年から50年になったって同じ気はしますが。
しかし被告は否認。上告して高等裁判所で再審になりそうです。
-----2012.4.28追記-------
4月26日のことですがシエラレオネの紛争で、「血のダイヤモンド」を受け取る代償に武器を支援してゲリラを扇動していた隣の国リベリアのテーラー元大統領の有罪が確定しました。場所はオランダ・ハーグのシエラレオネ国際戦犯法廷で量刑は5月30日に言い渡されることになっています。
5万人もの人を殺し、子供を無理やり連れ去って軍事というよりテロ教育をさせ、下記に書いていますが片腕をどんどん切断していった残虐極まるゲリラを実質動かしていた張本人ですが、直接の証拠が無くて本人は不服で控訴する構えを見せています。
これって、罪の意識が全くない、私は関係ないって感じで、最近日本にもありましたね、練炭殺人ってやつ。
証言には下記にも書いていますがナオミ・キャンベルさんもブラッドダイヤモンドを受け取ったと供述されています。
量刑がどれほどか5月30日まで待ってみましょう。
-----2012.2.13追記-------
シエラレオネの本当の名前はRepublic of Sierra Leone(リパブリック・オブ・シエラ・リオン)。
通称シエラ・リオン
日本ではローマ字のような読み方をするのでシエラレオネですね。
リオンはライオン「ライオンの丘」というような意味らしいです。
10年前まであった惨い紛争は今では無くなったと言われていますが、日本とは国交がなく、互いに大使館もおいていないので、情報が入ってきません。
GDP(国内総生産)を見ても日本は5兆8554億ドルに対してたったの19億ドル。しかも紛争終結直後の2002年は28億ドルあったわけですから今の方が経済が厳しい。
2010年から自国内での自力選挙に当選したアーネスト・コロマ大統領が就任して、ダイヤモンドの採掘と研磨工場を作って行こうとしているそうです。今頃研磨工場?と思いそうな感じですが、それだけ一つの事を作り上げるのが大変なのでしょうね。
-----2010.8.6追記--------
【実際は原石で取引されたのか・・・ブラッドダイアモンド(血のダイアモンド)】
読売オンラインよりコピー(リンク先が消えてゆくのでコピーしました)
ナオミ・キャンベル証言、血のダイヤ?受け取る
2010年8月6日(金)01:49
【ブリュッセル=尾関航也】英国人ファッションモデルのナオミ・キャンベルさん(40)が5日、オランダ・ハーグのシエラレオネ特別法廷に戦争犯罪の証人として出廷し、シエラレオネ内戦(1991~2002年)中の97年、正体不明の男たちからダイヤモンド原石の贈り物を受け取ったと証言した。
検察側は、ダイヤを贈ったのは同法廷で戦争犯罪に問われているチャールズ・テーラー元リベリア大統領だと主張している。元大統領は、隣国シエラレオネの反政府勢力に武器を供与し、見返りにダイヤなど鉱物資源を獲得していたとされる。
キャンベルさんの証言によると、97年9月、南アフリカで開かれた夕食会でテーラー元大統領と同席した後、夜半に宿舎を訪ねてきた2人の男から「贈り物」として小さな袋を手渡された。中にはダイヤ原石とみられる小粒の「汚い石ころ」が2~3個入っており、翌朝、旧知の慈善団体役員に袋ごと寄付したとしている。(別の新聞ではマンデラ元大統領に渡したとも)
アフリカではダイヤ産地の支配権を巡る争いが多発し、紛争地産の原石は「血のダイヤ」と呼ばれて取引が禁止されている。
キャンベルさんは同法廷から強制的に召喚されるまで証言を拒んできた。この日も、「家族が危険にさらされるかもしれない」と不安を訴えた。
やはりブラッドダイアモンドは公然と存在した。
取引は原石で行われていたのですね。
その一部をナオミ・キャンベルさんは受け取るところだったのでしょうか。
血のダイヤモンド、紛争ダイヤモンド、ブラッドダイヤモンド・・・・
一国の大統領レベルまでなかば堂々と?持ち歩いて使っていた様子が判る記事でした。
--------以下は 2008/02/05 の記事です--------
ダイヤを持っていますか?
結婚された女性や小金を持っている女性なら持っているでしょう。
そのダイヤの輝きは、ひょっとすると、沢山のアフリカ難民の叫びなのかもしれません。
アフリカのシエラレオネ。
ダイヤの採掘権を巡って、内紛が起きて沢山の人間が死んでゆき、アフリカ第二の大量難民が出た国。
アフリカのギニアとリベリアの間にあります。
イギリスの植民地で、それ以前に奴隷だった黒人の移住地。
私が生まれた頃の1961年に独立したのですが、ずっと内紛が続き世界で最も平均寿命の短い国だそうです。
男性は33歳、女性は36歳。
インドより遼に厳しい。
この映画の頃は、5歳未満の死亡率が33%だから子供の3人に一人が亡くなっていました。
内紛の根源は、ダイヤモンド。
リビアで軍事訓練を受けたサンコーという男が反政府統一革命戦線(RUF)を作って、隣のリベリア愛国戦線(NPFL)の指導者チャールズ・テーラーと組んで反政府活動を始めます。
政府も何度もクーデターが起こり、政情が安定しなかった。
この背景に、シエラレオネで取れるダイヤモンドが絡んでいる。
ダイヤモンドは正規ルートで輸出されるより密輸される方が多い。
ダイヤモンドを密輸して、その対価で軍事物資を手に入れるわけです。
ロシアがソ連だったころ、東西冷戦といわれてました。
反政府組織はテーラー経由で東から武器を調達していたのです。
しかし、冷戦が終わって東も西もなくなって、資金と武器調達の相手がいなくなった。
そして、ダイヤを密輸して、武器商人から武器を仕入れるようになりました。これにもテーラーが関わります。
密輸で輸出されたダイヤモンドは
「紛争ダイヤモンド(コンフリクトダイヤモンド)」
とよばれているそうです。
血のダイヤモンド(Blood Diamond)、汚れたダイヤモンド(Dirty diamond)、戦争ダイヤモンド(War diamond)とも言われます。
この映画で、少年兵も出てきます。
映画では反政府組織だけ少年兵を養成しているように見えますが、実際は政府までもが養成していました。
現地の農民から働ける者はダイヤの採取をさせて、子供は銃の撃ち方や殺し方を学ばせます。
役に立たない人間は撃ち殺すか、片腕を切り落とす。
このあたりは映画を見てください。
もちろん映画はデカプリオ主演でもあり柔らかい表現をしていますが、実際はもっとひどいはずです。
それを想像するだけで、さすがの図太い私でも現地に行けたとしても足がすくんで動けないだろうなと想像します。
なにが一番怖いかって、強面の人に凄まれてもどうってことは無いですが無差別、無法の状態が一番怖いです。
現地語が話せても言葉は相手に伝わらないんだから、足がすくむか逃げるしかないですね。
映画の背景は1999年ですが、その後サンコーが市民の手で拘束されて、イギリス軍が介入して、テーラー(リベリアの大統領にもなった、内紛の根源か?)も捕まって国連で拘束された。
シエラレオネの市民が欲しいのは、平和と家族の安らぎ。
今は、武装解除され平和に向かって、市民は本当のダイヤモンドを得ようとしている。
紛争フリーダイヤモンド(コンフリクトフリーダイヤモンド)というのは、原石からダイヤモンドを輸入するまでの流通経路が全てわかるようになっているダイヤです。
原石は不正に開封されない容器に密封されて、キンバリー・プロセス証明書が付く。
キンバリー・プロセス証明書は輸出入の際に添付される証明書で、一般の人は解らないが宝石商はコピーをもっているのかもしれません。
このあたりの知識はダイアモンドを持っている女性のほうが詳しいかな・・・。
映画は1999年のシエラレオネの実情と国民の悲鳴を描写している。
しかし、現実はこんなものではなかったろう。
2007年8月に、国連とPKO撤退後初の選挙があり、平和に実施されました。
やっとジャイモン・フンスー扮するソロモンや国民の夢が実現しようとしています。
言い忘れたことがあります。
じゃぁ、ダイヤを持つのは悪いことか?
いや。
紛争フリーダイヤモンドで輸入されたダイヤはその国と国民を助けている。
紛争ダイヤモンドで輸入されたダイヤにこそ、その国の人の血と汚れが染み付いている。
人間って何処に生まれてくるかわかりませんよね。
日本で生まれたというだけでも、ものすごく幸運なことなんだと思います。
記者として映画に登場するのは、ジェニファーコネリー。
ポスト、ブルックシールズといわれた人。
この人はショーンコネリーとは血縁でもなく一切関係ありません。
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レオナルド・ディカプリオ:ダニー・アーチャー
ジャイモン・フンスー:ソロモン・バンディー
ジェニファー・コネリー:マディー・ボウエン
アーノルド・ヴォスルー:コッツィー大佐
マイケル・シーン:シモンズ
監督 エドワード・ズウィック
製作総指揮 レン・アマト
製作 グラハム・キング 他
脚本 チャールズ・リーヴィット
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
撮影 エドゥアルド・セラ
編集 スティーヴン・ローゼンブラム
配給 ワーナー
2007年4月
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