(別リンク:公式サイト)
おもしろい映画でした。
この映画は現実としては考えにくいです。
組長の遺言で、保育園を継ぐとなった時点で、内輪もめ必死だし、保育園を継いでも、
「保育師雇っとけやぁー」
で終わる話だが、ここは映画だからと割り切って楽しみます。
舞台は新宿歌舞伎町。
子供の教育上は良くない映画なのかもしれません。
しかし、無許可になっても、歌舞伎町で働く人にとっては、大切な保育園になってきた。
歌舞伎町という所の現実はこの映画の比ではないけれども、歌舞伎町らしさは出ています。
恐らく日本で氷の様に死んだ目をしている人が一番多い所でしょう。
歌舞伎町という所は、人を信じず、騙し騙されお金を稼ぐというよりもぎ取る連中が働く世界という印象。
今は、石原知事による、歌舞伎町の一斉掃除のおかげで殺風景な歌舞伎町になっていますが、そのうちまた少しづつ色を変えて、元の歌舞伎町らしい世界にもどってゆくのでしょう。
しかし、そんな中で子供がもつ無邪気な目が、コントラストになっていて面白い。
これはあくまで、映画だから。
いつも感じることですが、色んな事情で働く親がいます。
親がどんな事情であっても子供は平等に生まれてきます。
この映画では、子供を預けてくる親はみんな子供を愛しているのがわかる。
それがわかるからこの映画をみることができます。
主人公の工藤は次期組長として噂が高かったが亡き先代の遺言で、歌舞伎町にある先代が密かにやっていた「ひよこ園」を継ぐことになった。
「なんでヤクザが・」と馬鹿馬鹿しくなる工藤だが、歌舞伎町で働く人の子供は普通の保育園にはなかなか入れてもらえないと聞き、保育園を続けることになった。
そこからいろんな物語が始まります。
保育園の資格も剥奪されて、「ひよこ組」と改名した。
そこで繰り広げられる物語。
保育園の罪の無い世界と歌舞伎町とやくざといういわば両極端の描写があります。
主人公は小沢仁志さん
自ら監督も手がけて多くの映画を作っています。
組長の未亡人役の余貴美子さん
この人は台湾人の母と日本人の父のハーフ。
50歳を過ぎているのに綺麗な人ですね。
やくざ役の永澤 俊矢さん。
デザイナー三宅一生さんの専属モデルをやっている人ですが、やくざの中堅幹部の役柄が嵌っていた。
ジャージを着た子分と永澤さんの雰囲気は、まさにそのもの。
いちゃもんの付け方から、雰囲気まで本物そっくりなところがあって、見ていて怒りがこみ上げてくるほど。(^^)
私も自分のそこそこの人生の中で、こういった人に絡まれて切り抜けてきた経験もあって思わず思い出しました。
シリーズはまだ続くでしょう。
ミナミの帝王の保育園版といった感じがしました。
小沢仁志
伊佐山ひろ子
永澤俊矢
渋川清彦
あじゃ
川岡大次郎
川口真五
趙和
伊藤高
諏訪太朗
加藤トモヒロ
笹野高史(特別出演)
製作:永森裕二/前田茂司
プロデューサー:向井達矢
脚本:イケタニマサオ
音楽:朝枝 有
撮影:金子正人
編集:坂東直哉
録音:長島慎介
照明:宮尾康史
美術:松塚隆史
整音:小峰信雄
効果:中村佳央
記録:安川知里
助監督:大石誠
制作担当:善田真也
キャスティング:伊東雅子
AP:飯塚達介
制作:楽映舎
企画:walau
製作:AMGエンタテインメント株式会社/楽映舎
監督:権野元