呪いの研究 中村雅彦
第3章 シャーマンの危機
霊性とは何か
前章で述べたように、霊媒体質と呼ばれる人々の場合、幼い頃から他人には見えたり聞こえたりしないものが知覚できる。それが自分にしかわからないものであることを知ったとき、彼らはこれをなるべく他人に公言しないように努める。
また、そういう子どもを育てている親などがこのような意識変容プロセスに無理解であるとき、体面を気にして、「普通の子ども」として育てようと試みるあまり、子どもの言動を封殺し、厳しく叱ったり、体罰を加えて抑圧しようとすることもある。
しかし、このような養育態度は子どもの霊性を含む全体的な心の成長を歪めてしまう。一時的に「普通人」に仕立てあげることはできても、時期がくると封印されていた霊性が怒涛のごとく吹き出してきて、かえって危機を深刻化させる可能性もある。
映画「シックス・センス」に登場した主人公の男の子は、霊媒体質ということで教師や同級生から攻撃され、「化け物」扱いされる憂き目を見た。われわれは得体の知れない特徴を持っている人間を見ると、本能的にその異質性に対し恐怖反応を示し、排斥しにかかる。これは「普通人」が持っている霊的なものに対する抵抗である。自分にない(と信じている)ものをほかの人が持っていることを、認めたくないわけだ。
しかし私は、意識本来の性質が発揮されていない「普通人」の方が霊性の面では不自然な状態である、という認識が必要なのだと思う。もっとも、後述するように、霊性の急激な発現は、一般人には持ちこたえることの困難な出来事の連続になる。
では、霊性(spirituality)とはいったい何であろうか。私は、意識の拡張に伴う、人間の非日常的な感覚や意識の現われ、つまり霊的、超常的、超個的、神秘的な体験全般を霊性と考えている。これらはいずれも、個人のレベルを超えた意識領域が自覚されるようになることを意味している。ただし、霊性に目覚めることは本人にとって建設的な成長をもたらすこともあれば、逆に破壊的、自滅的な結果をもたらすこともある。
中略・・
霊性の発現と霊的危機
これまで述べてきたように、トランスパーソナル心理学では、いわゆる超常体験や神秘体験、宗教的体験などの非日常的な意識体験が研究の対象になっている。
これらは霊性発現 (spiritual emergence)の指標として了解されることになる。
霊性発現とは、心身の健康が増進されて、他者、自然、そして宇宙(cosmos)とのより深い一体感が感じられるようになり、自分の意識が変容していくプロセスである。
一般に、霊性発現があまりにも頻繁かつ急激、劇的に起こると、日常生活が困難になり、意識の変容プロセスそのものが霊的危機(spiritual emergence,SE)となる。
霊的危機はいわば急性の霊性発現なのである・・
中略・・
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■■「シックス・センス」 夢の中の凍る息 第6の感覚の入り口なんだょ
戸惑う大人たちの無理解に、少年は怯えながら学んだ霊の世界。
「シックス・センス」予告編
http://youtu.be/b5s0g9zx21A
『シックス・センス』(The Sixth Sense)は、1999年のアメリカのホラー映画
死者が見える少年と彼をサポートする児童心理学者が体験する「未知の世界」と、二人の交流、そして少年が自分の持っている第六感とどう向き合って生きていくのかを描く。
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>霊性に目覚めることは本人にとって建設的な成長をもたらすこともあれば、逆に破壊的、自滅的な結果をもたらすこともある。
・・幼い頃の霊的な体験者は、不思議とは思わない。
自然の儘に起きているものと。
だが少年期になると、大人たちには見えない存在を、自分だけが視ていることに気付く。
何故自分だけ・・
大人たちの怪訝そうな戸惑いを何度か感じると、沈黙するようになる。
鋭敏な感覚(高度な感覚処理感受性 Highly sensitive person, HSP))が察知したのでしょうか。
一つづつ、ゆっくりと傷つきながら学ぶ取ると、「意味ある偶然」が解決させると気付くようになります。
唯々恐れたり、安易に宗教者を頼ると破滅の道になる危険性がある。
頼った他者のエゴで、シャーマン体質の子供は、業病霊が依り憑く(よりつく)生身の形代(かたしろ)にされる危険性です。
一見解決したと思っても、倍になって新しい困難なイベントに遭遇する。
自力(内なる神々)を尽くすべき容赦のないイベントが続く。
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依り代になる霊媒(童子)を見出すのは、時代とともに困難になりました。
まして不思議な能力を生まれながら現わす童子は稀なのでしょう。
修法師が執着したのも、今なら分かります。
大病に罹って苦しむ我娘を助けたいと願った修法師・・・
依り代になる型紙に「業病霊」を憑依させ川に流しますのが普通。
しかしながら、効果が薄いと実感しているで迷いがあったのでしょう。
童子に憑けたのです。
この誘惑に駆られる者は少なからず居るので゛しょう。
霊媒(童子)は成人するまでに死んでしまう。
例外はないようです。
神おろしの招魂儀式を行った修法師は、何に驚いたか逃げ出した。
「転生霊童」は護られました。
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その2へ続く