【映画】「アメリカン・スナイパー」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。

 

 

 

 

 

 


アメリカン・スナイパー
鑑賞日: 2015年2月21日(土)
映画館: TOHOシネマズ六本木

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 



原題: American Sniper
製作年/国: 2014年/アメリカ
上映時間: 132分
監督: クリント・イーストウッド
脚本: ジェイソン・ホール
撮影: トム・スターン
出演: ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、ケビン・ラーチ、コリー・ハードリクト、ナビド・ネガーバン、キーア・オドネル
あらすじ: ブラットリー・クーパーが戦争でどんどんおかしくなっていきます。

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好き度: ★★★★★ 5.0/5.0点



運命につかまったカウボーイ



イーストウッド新作、アカデミー賞にも絡んでるということと、なによりアメリカですごい賛否両論とのことでノリノリで初日の1回目に観てきました。とにかくはらわたにズシンときまして、僕はイーストウッド作品のなかでもトップレベルで好きな映画になりました


主演はブラッドリー・クーパー

 

 

 

 



ほんと気が早いですが、今年ベスト級の映画がやっと出てきたな…というか、ずっとこの映画について考え続けてしまう、まぁ、ものすごい映画でした。アメリカでは戦争賛美の映画か、反戦映画か、で賛否両論らしいけどその意味がほんとによくわかりましたよ。たしかに戦争賛美にも見える。けど、そう見えることこそが皮肉であるという、とても巧みなバランスの映画だと思いました。

あんなにもシンプルで、でも威圧的なエンドロール数分間でわかるはずだし、なにより「許されざる者」「父親たちの星条旗」そして「グラントリノ」の流れでこの映画を観ると、イーストウッドの言いたいことは明らかだろうと思うんですよね。


奥さん、きれいだった~

 

 

 

 



おもしろかったのは重要なのはクリス・カイルはシールズに入る前はカウボーイだったということ、そしてそれをイーストウッドが監督したということだと思いました。現代のカウボーイ、その男がどうなっていくのか、とてもメタな見方だけどやっぱりイーストウッドにしか撮れない唯一無二の戦争映画になっているところがおもしろかったです。


まだまだ元気なイーストウッドとブラッドリー・クーパー

 



PTSDによってどんどんクリスが壊れていく様子はものすごく怖かったし、それを支えているのは戦場の描写がしっかりしているからこそ、とても説得力が出ているのだと思います。ちゃんと子供に弾着する様子を映してるのは偉いと思います。

あと、何よりこの映画が偉いのは、戦争活劇としてとてもおもしろいってことなんですよね。言いたいメッセージ性とエンターテインメントとのバランスがとてもいいバランスだと思いました。戦争シーンの音楽とかが、すごいノリノリだったり、敵キャラクターにもちゃんとスポットを当ててたり、ミリタリー萌えもちゃんとできるし、戦争活劇としてのケレンがしっかりある、このあたりのバランス感覚は「映画」として偉いと思いました。さすがイーストウッドですよね。


敵スナイパー!こいつもすごかった!

 



イーストウッドはクリスの最後の死について、「運命に捕まったんだ」と言ってます。個人的に、クリスが死ぬ直前、ジョークとはいえ奥さんに銃口を向けるというシーンにギョッとしたし、とても緊張感のあるシーンですごい印象に残ってるんですよね。とても暖かいシーンだけど同時にものすごく怖いシーンでもありますよね…。最愛のひとに冗談とはいえ、銃口を向ける、銃を扱う上で絶対にしちゃいけないことを冗談半分とはいえすっとやっちゃうクリスの、心の根底で何か重要なピースが抜け落ちてる感がとても感じ取れたし、最後のクリスの死に納得するとするなら、このシーンだと僕は思いました。しかもその時、クリスは明らかにカウボーイの格好をしてるんですよね。これは映画の中で何人も人を殺してきたイーストウッド自身の話でもあるのかなぁと思ったりした、そんなアメリカンスナイパーでした。

 

 

 




映画館のコンセッションでホットコーヒーを買ったんだけど、ひと口も手を付けなかったというか、手を付けられなかった、そんな余裕なかったくらい、一瞬も目が離せない2時間というか…ここまで最初から最後までただならぬ緊張感で突き進んだ映画はここ数年でもトップレベルのものでした。イーストウッドってやっぱすげぇな~と、再確認というか…すげぇ映画でした!!



おわり







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