インターステラー
11月23日(日) 24:00~ TOHOシネマズ六本木
12月01日(月) 20:05~ TOHOシネマズ六本木
好き度: ★★★★☆ 4/5点
ノーラン「愛だよ愛!」
クリストファー・ノーラン最新作、「インターステラー」観てきましたよ。なんだかんだで2回観ちゃいましたね~。僕はとても楽しみましたよ(・∀・)!!
この映画、全体的に「2001年宇宙の旅」+「コンタクト」っていう感じ。ビジュアルだけではなくお話自体も「2001年」の影響はすごく感じましたよ~。
主演は今、ノリにノッテル、マコノヒーでございます。
この映画のおもしろかったところをまず。「彼ら」という存在が主人公たちを導き、人間を次の段階に進化させる手助けをするのですが、これはすごく「2001年宇宙の旅」的だと思います。「2001年」では画面には出てきませんが、異星人が人間を次の段階へ進化させます(異星人のビジュアルをギリギリまでキューブリックは模索してたとのことですし) が、このインターステラーは違います。何かわからない人間をワームホールの先まで導いた「彼ら」というのは、人間の進化系だということになっています。今いる3次元から進化し、4次元を超え、5次元的存在になった「彼ら」は人間が進化した姿ということになっていました。人間は宇宙をめざし、上を向き、進化を続ければ、時空をも超えた5次元的存在になれるのであるという、すごい結論に至るんですよね。
また「2001年宇宙の旅」では人間が次の段階に進化するための通過儀礼的な意味で、コンピューターのハルとの戦いが描かれますが、インターステラーではとてもわかりやすくそのパートがまさに人間との戦いその名も『Mann』博士。通過儀礼もまた「人間」になっています。人間が、人間を乗り越え、人間を進化させる。ここまで、文字通り『人間的SF』があったかなぁというくらいです。
宇宙を舞台にしていますが、人間以外の存在はまったく出てこないですよね。人間は進化を続ければ神にも等しい、超越的存在に進化できるのでは、しかも「愛」によって、という、人間という存在そして人間の進化・向上心そして愛をめちゃくちゃ信じてる映画ですよね(愛との結び付けはだいぶ力技ではあるとは思いますが…)。。 ノーランらしいような、らしくないような、、とにかくノーラン映画でここまでストレートで、メッセージがしっかりはっきりしてる映画は今までノーラン映画では僕はなかったので、ノーラン映画の中では一番観易かったし、好きです。まぁでもこのメッセージって希望ともとれるけど、ノーランのおごりともとれるんですよね…この辺で賛否が分かれてるのかなぁ。たしかに、ドメスティックといえばドメスティックですな。
砂だらけの地球からスタート
はじまってすぐ、あっ宇宙戦艦ヤマトっぽいなぁと思いながら見てました。なんらかの理由で砂まみれの地球で、飢餓も目の前という状況。新たな地を探し、宇宙に飛ぶという。映画秘宝のインタビューを読むと、ノーランは宇宙戦艦ヤマトは観たことがないとのことでした。(映画秘宝の町山さんによるノーランインタビューはすげぇおもしろいので必読!)
ちなみに最後の読者コーナーにそーす太郎採用されてます。探してね!
今年は3~4回採用されてうれしかったですよ~(´∀`)
- 映画秘宝 2015年 01月号 [雑誌]/洋泉社
- ¥1,080
- Amazon.co.jp
娘のマーフィーの部屋に超常現象的なサインがあり(幽霊かも!ガクガク(((n;‘Д‘)))、 んで、それを読み取って、たどり着いたのがNASA。かつての恩師に再開し、宇宙に行く計画あるんやけどやらへん?と提案され、宇宙へ。
「パパ行かないでぇぇぇぇええええ(´;ω;`)」
宇宙に行ってからは、プランAとプランBがあると言われます。「コンタクト」でもプランAとプランBの話が出てきましたな。 プランAは地球の人々を移住させるという方法。これには重力に関する方程式を解く必要があるんですが「まぁ、まだ解けてないけど俺お前らが言ってる間に解いとくわ~」と、じじい。プランBは宇宙船に乗せた大量の受精卵をどっかよその星で人工培養し、コロニーをつくり、人類を存続させるというもの。まぁつまり地球の人間はとりあえず置いといて、宇宙の果てで人間やりなおそうってパターンですな。プランAがダメだった時の苦肉の策なのですが……「ウソで~す!プランA実は実現不可能でしたー!!ブラックホールの奥深くのデータがいるから無理でーす!!じゃ、俺死ぬね~怒れ怒れ怒れ~(バタッ)」っと、じじい。ホラ吹き野郎だったということが判明しちゃうのはもうチョイ後のこと…。
宇宙にいきまして、土星の近くにあるワームホールに入ります。重力異常が起きてて、時空がゆがんでるんだとか。これは「彼ら」がつくりだしたのではということがほのめかされます。このワームホールのデザインがすげぇ良かったですね~。突入シーンはすげぇ興奮しました。劇中で説明されますが、ホールと言いつつも球体というのがすげぇ新鮮でした。というか、初めて見たのですげぇ興奮。科学的に正しいらしいですよ。
ワームホール。かっけえっす
ワームホールを抜けて、まず降り立ったのが重力が地球の30倍という惑星。ブラックホールのすぐ近くにあって、時間の流れが遅く、降り立ってなんやかんやするんですが、ちょっとの作業で23年も月日がたっていました。この星は重力のせいですごい大波が幾度となく発生しており、大変なことになります。1人死ぬし…。ここに降り立ってなければ、いろいろもっとうまくいってたのに…。
ワームホールの先は、地球からのメッセージは受け取れますが、なぜかこちら側から地球へメッセージは送れないんですよね。なぜ!ここの説明は特になかったですね。
あと、地球からは三段ロケットで古典的な打ち上げで宇宙に飛び立ったのに、この辺から超高性能なスターウォーズに出てきそうな宇宙船でひょいひょい飛び立ちます(地球の30倍の重力にも関わらず…)。てか、この映画全体的に、科学レベルのリアリティラインはすっげぇバラバラなんですよね。まぁでも三段ロケットで飛び立ちたい!そういうシーンが観たい!っていうノーランのロマンなのかなぁと思ったり。でもこんな宇宙船をつくれる科学技術があるなら…と、どうしても宇宙と地球での科学技術のギャップが気になってならないですよね…。
ひとつめの惑星、高波が超でかくて笑いましたw
次に向かったのが、マン博士の星。このマン博士がまさかのマッド・デイモンでした。劇場ではひそひそ声で「マット・デイモンだ」「マット・デイモンじゃね?」と聴こえてきました。僕もマット・デイモンが出るという情報はまったくもって入ってなかったので、すっげぇビックリしました。しかもこのマン博士がクズっぷりをいかんなく発揮!マコノヒーたちをだまして、宇宙船を強奪。母船までも奪って地球に帰ろうとしますが、ドッキング不完全のため吹っ飛び、母船の一部を破壊するというほんといらないことしかしないマン博士でした。
雲も凍ってるとのことです
マン博士パートあたりから地球にいる娘のマーフィーのシーンといったりきたりします。マーフィーは大きくなって、ジェシカ・チャスティンになりました。幼少期マーフィーとけっこう似てましたね。
相変わらず綺麗でした。。
もうプランAは実現不可能ということで、アン・ハサウェイは元カレの惑星へ向かいましたね。マコノヒーとTARSはブラックホールの中へ。この辺の正直度数の話の回収っぷりとか粋でしたね~。
そしてマコノヒーはブラックホールの中に入ったわけですが、行きついた先は5次元空間でした。「彼ら」が作り出したもので、そこはマーフィーの本棚の裏側が時間ごとにバーッと並んでましたね。「彼ら」は5次元空間なので、4次元目の「時間」は自由に行き来できます(3次元の僕らが2次元の絵を描くのと同じ感じだとおもう)。 時間ごとにいくつも本棚が並んでいるあのビジュアルは、5次元にいる「彼ら」が、4次元空間を3次元的に表したものだと思われます。
そこからマコノヒーは娘にサインを送ります。マーフィーの部屋にいる幽霊は5次元空間にいるマコノヒーだったんですね。マコノヒーは本棚の裏から、ブラックホールの中のデータを娘に渡した腕時計にモールス信号として送り、不可能とされていたプランAの方程式をマーフィーが完成させます\(^o^)/ユリーカ!!!!
というか、なんであの本棚の裏にしかつながってないんですかね~。「彼ら」、5次元になって超越的な存在になってるわけだけど、しょせん本棚の裏側で本を落とさせるくらいしかできないのか…もっと手っ取り早くマーフィーに知らせる方法はなかったのかしら…と、思ったり。
方程式が完成すると、5次元空間が閉じていき、宇宙にぷかんと放り出されたマコノヒー。そこに宇宙船がどこからともなくやってきて、気づいたらベッドの上。そこは土星の近くに作られたスペースコロニーでした。マーフィーが完成させた方程式からここまできたのでした。そしてマーフィーと再会。マーフィーはすっげぇおばあちゃんになってて死が近い状況でした。再開した後、「親が子供をみとるなんてダメよ」「あなたはアメリアのもとに向かうのよ」といい、マコノヒーはひとり、アン・ハサウェイのいる星に向かいます。アン・ハサウェイは元彼の惑星でコロニーを作っている様子でしたね。プランAもBもどちらも成功したという結末になりました。
それはそうと、宇宙に放り出されたマコノヒーはどうやって発見されたんでしょうかね。どうやって見つけることができたんだろうか…。なんか電波でも出てたのかしら…。
アン・ハサウェイも、もちろんキレイでしたよ
老マーフィーの語りによると、アン・ハサウェイがいることも、その星が地球の代わりになることもマーフィーは知っていました。ここはちょっと疑問というか、知ってるなら行けよって思うんですがw「アン・ハサウェイはさみしくひとりで待ってるわ」とか、お前知ってるならだれかアンハサウェイのもとに向かわせろよ、放置してんじゃねえよ。とか思ったり。
あと、僕が一番不憫に思ったのはマーフィーの兄、長男。あまりに救いがないというか、最後に放り投げられた感じがして残念でした。ちょっとおかしくはなってたけど、あいつもあいつなりに畑をちゃんと守るっていう父との約束を必死に守ってきたのに…。なんか救いがほしかったなぁ。僕はマーフィーがとても好きだが、火をつけるなんてひどいよなぁ~。畑を燃やすことは父親にも失礼だろ、とか思ったりしちゃったり。なんか兄の設定がいろいろ雑だしノイズだし、こんなことなら子供はマーフィー1人にしたほうがまだよかった気がします。みんな長男を忘れないであげて!
というわけで、インターステラー、3時間弱でまじかよ~とか思ってましたが、僕は一瞬もだるくなく2回も見れちゃいましたね。これおかしくね?ってところも含めて楽しめました。あんまりかまえ過ぎずふつうにさらっと観に行きましょう、これふつうにジャンル映画だし、というかふつうにサンプリング・ボンクラSFですよ!僕はとても楽しかったです~(´∀`)
おわり
にほんブログ村
------------------------------------------
スタッフ
監督
クリストファー・ノーラン
製作
エマ・トーマス
クリストファー・ノーラン
リンダ・オブスト
製作総指揮
ジョーダン・ゴールドバーグ
ジェイク・マイヤーズ
キップ・ソーン
トーマス・タル
脚本
ジョナサン・ノーラン
クリストファー・ノーラン
撮影
ホイテ・バン・ホイテマ
美術
ネイサン・クロウリー
衣装
メアリー・ゾフレス
編集
リー・スミス
音楽
ハンス・ジマー
視覚効果監修
ポール・フランクリン
キャスト
マシュー・マコノヒー
アン・ハサウェイ
ジェシカ・チャステイン
ビル・アーウィン
エレン・バースティン
マイケル・ケイン
ジョン・リスゴー
マッケンジー・フォイ
ティモシー・シャラメット
ケイシー・アフレック
ウェス・ベントリー
デビッド・ギヤスィ
ジョシュ・スチュワート
トファー・グレイス
ウィリアム・ディベイン
デビッド・オイェロウォ
コレット・ウォルフ
作品データ
原題 Interstellar
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 169分
映倫区分 G