「るろうに剣心 伝説の最期編」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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るろうに剣心 伝説の最期編
9月14日(日) 24:40~ TOHOシネマズ六本木




好き度: ★★☆☆☆ /5点



十本刀とはなんだったのか



「るろうに剣心 京都大火編」の続編、「るろうに剣心 伝説の最期編」観てきましたよ~。京都大火編の感想はこんなかんじ。アクションがとにかくすごかったし楽しくて、その他の演出や設定に言いたいことはあるけど全体的には楽しんだぞ~という感じだったのが京都大火編。さて、伝説の最期編はどうだったか…正直僕はとても残念な映画でした!



ある意味、2作目のアドバンテージってあるじゃないですか。スターウォーズ 帝国の逆襲とかロードオブザリング 二つの塔とか、これからどうなるんだろう。これからどんな世界がひろがるんだろうというワクワク感。ある意味、京都大火編は幸福だったのかも…。そんなわけで、伝説の最期編ですが、そのワクワク感がシュンッっとしぼんでいった感がありました。

でもやっぱりアクションは素晴らしい!素晴らしいんだけど、脚本がほんとに酷く感じて、素晴らしいアクションのノイズになっちゃうんですよね。今回はちょっと粗が多すぎるように感じました。僕がちょっとう~んと思ったところをちょいとあげていきます。


① 「十本刀」とはなんだったのか…

 正直これが一番残念でした。「十本刀を招集しろ!」と京都大火編でとっても楽しみだった要素。どんな個性的な敵が出てくるんだろう!死亡遊戯てきな感じのを想定していただけに、あまりのスケールの小ささにちょっと拍子抜けしました。てか10人いないじゃんっていう…。


② やっぱり説明セリフ多すぎ

 今までも散々言ってきた多すぎる説明セリフですが、今作は特に多くて、しかもほとんどわかってるよそれは!っていうことをダラダラとセリフで言うのですげぇキツイ。もう3作目ですよ?誰が何を考えていてなにをしようとしているかなんて観客はみんなとっくにわかってることなんですよね~。あと半分くらいセリフを省いてもいいんじゃないでしょうか…


③ やっぱり伊勢谷君いらないよね?

 これは京都大火編のほうの感想にも書いたんですが、やっぱり今作でも伊勢谷君のキャラクター、いらなくない?この人のエピソード丸々カットしても何一つ差支えないし、むしろ伊勢谷君のキャラクターがいることによるノイズの方が強いんですよね。あのラストシーンでの参加はさすがに乱暴でしょう。僕は原作を読んでいないのでわかりませんが、必要性のあるキャラクターにはまったく見えなかったですな。あと翁のくだりもひどいですよ。あの翁の死もストーリー的に何にも機能していないんですよね。


う~ん、やっぱりいらないと思うんだこのキャラ。



④ 困った女、武井咲a.k.a.薫

 これも京都大火編の感想でも書いたんですが、この武井咲のキャラクターがほんとに酷い。京都大火編では「人を斬ってはダメ!」とか言ってたのに、ノコノコと戦場に赴いて「私も戦う」なんで言ったかと思うと案の定、連れ去られて海に落とされ、あんな事態に…。そして本作の薫は、それを学んだのかまったく何もしません。ほんとに1㎜もなにもしないんですよwこの作品における薫の必要性はゼロだと断言できるレベルでなにもしないんですよね。それでいて最後の最後で剣心と薫のロマンスをつけられても、あまりにもとってつけたものにしか見えないんですよね。この作品でトップレベルの人物描写の薄いキャラクターはこの薫だったように思います。


ほんとに一番むちゃくちゃだと思う、薫。




⑤ その他もろもろ
 
・TOKKUNで奥義を習得するに至るロジックが正直納得いかない。そして、奥義をいつの間に修得したのか、その瞬間を見たかったかも。「あっ!いけた!」みたいな。まさかこの作品を引き合いに出すとは思いませんでしたがシャマランの「アフターアース」のジェイデンVSモンスターの「いけたっ!」っていうあの瞬間的なやつ。

・明治政府の件。ダークで皮肉なラストは好みだけど、大砲あんな威力あるのかよ!なら、はじめから撃っとけよ!とか。その他もろもろ行動のハチャメチャさは笑っちゃった。でも、どこまでが計算なのかはわからない皮肉のバランスなんですよね。最後の敬礼とか、あの皮肉は計算なのかなどうなのか気になるところですね。

・土屋太鳳ちゃんのアクションは今回も見たかったですね~。個人的に大好きなバランスのアクション・体術だったので、これに懲りず土屋さんにはアクションをやってほしい!…けど次朝ドラのヒロインに決まっちゃったんだよなぁ~。


あとやっぱ福山さんパート、正直退屈だったんですよね…




アクションはとにかくすごい、すごいんだけど、正直すべて京都大火編で観たものから、「お!これは新しい!」というアクションがそんなになかったというのもちょっとあったり…。作品のバランス、語りのテンポなど、いろいろ文句があった京都大火編でしたが、それでも京都大火編のほうが僕はより新鮮だったし、魅力的な作品でした。それだけに本作は残念だった感。

でも、このバジェット、大手のプロダクション手動の娯楽映画で、これだけアクションというものを突き詰めて作ってくれたというのはとてもうれしいし、やっぱ谷垣さんすごいっすよほんと。問題は、大友監督なんですよねやっぱり。


おわり


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スタッフ


監督

    大友啓史 

原作

    和月伸宏

脚本

    藤井清美

    大友啓史

製作総指揮

    ウィリアム・アイアトン

製作

    久松猛朗

    畠中達郎

    茨木政彦

    高橋誠

    宮本直人

エグゼクティブプロデューサー

    小岩井宏悦

プロデューサー

    福島聡司

撮影

    石坂拓郎

照明

    平野勝利

美術

    橋本創

装飾

    渡辺大智

録音

    益子宏明

    蓮田智一

編集

    今井剛

音楽

    佐藤直紀

主題歌

    ONE OK ROCK

アクション監督

    谷垣健治

スタントコーディネーター

    大内貴仁

衣装

    澤田石和寛

キャラクターデザイン

    澤田石和寛

ヘアー&メイクアップデザイン

    ShinYa

VFXスーパーバイザー

    小坂一順

スーパーバイジングサウンドエディター

    勝俣まさとし

スクリプター

    河島順子

スケジュール

    猪腰弘之

助監督

    田中諭

ラインプロデューサー

    宿崎恵造

製作担当

    馬場三輝


キャスト


    佐藤健 緋村剣心

    武井咲 神谷薫

    青木崇高 相楽左之助

    蒼井優 高荷恵

    大八木凱斗 明神弥彦

    福山雅治 比古清十郎

    江口洋介 斎藤一

    伊勢谷友介 四乃森蒼紫

    土屋太鳳 巻町操

    田中泯 柏崎念至(翁)

    宮沢和史 大久保利通

    小澤征悦 伊藤博文

    藤原竜也 志々雄真実

    神木隆之介 瀬田宗次郎

    滝藤賢一 佐渡島方治

    三浦涼介 沢下条張

    丸山智己 悠久山安慈

    高橋メアリージュン 駒形由美

    村田充 魚沼宇水

    屋敷紘子 本条鎌足

    原勇弥 刈羽蝙也

    山田崇夫 夷腕坊

    島津健太郎 才槌

    山口航太 不二


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作品データ

製作年 2014年

製作国 日本

配給 ワーナー・ブラザース映画

上映時間 135分