「ケープタウン」を観た。 | そーす太郎の映画感想文

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しれっとネタバレしたりするんで気をつけてください。






ケープタウン
9月18日(木) 10:20~ 新宿バルト9




好き度: ★★★★☆ /5点



ナーメテーター!骨太刑事映画!



「ケープタウン」面白そうだけど…くらいのそれほど高くないテンションでバルト9にて鑑賞。が、これがすごい密度で骨太の刑事サスペンスアクションだったのです!とてもおもしろかったですよ~!

主演はフォレスト・ウィテカーとオーランド・ブルーム、南アフリカの都市ケープタウンが舞台。元ラグビー選手の娘が殺害された事件が発生して、捜査に乗りだしたウィテカーとブルームは、事件の夜、少女が薬物の売人と会っていたことを知る。その薬物は、街で頻発している子ども失踪事件の現場で発見されたものと同じで、その薬物を手がかりに捜査を進めるうち、刑事たちは事件の裏側にひそむ組織的な陰謀の存在にたどり着くが……。てな感じのお話。


このバディがいいんです…!



まずよかったのがフォレスト・ウィテカーとオーランド・ブルームこの主演2人がほんと最高!まじめなウィテカーと粗雑なブルーム。オーランド・ブルームはいつもの王子様演技ではなく、見事な汚れ具合でとってもカッコイイ!女をとっかえひっかえでヤリチンでしかもややアル中気味。しかし、事件の捜査となると一気にカッコよく、少々荒いけどしっかりと仕事をやり遂げる、このアウトロー感がオーランド・ブルームにぴったりでした!もっとこういう役をやってほしいなぁ。あと見た目がすっごいジェームス・フランコに似てましたw


ほんっとカッコイイんです


そしてそのブルームの上司がウィテカーなんですが、このキャラクターの厚みがとても素晴らしかった。ウィテカーは小さいころにチンコを犬にかまれてインポ。しかもそのインポになるまでがすげぇ最悪で、めちゃくちゃ悲しくやりきれない南アフリカの負の歴史を背負って、今刑事をやっているという背負っている業の深さ。そしてその南アフリカの負の歴史と自ら立ち向かうという構図が見事!そして冷静なウィテカーが大事にしていた母を殺されついに堪忍袋の緒を斬るこの瞬間のこのやりきれなさと確かなカッコよさ。映画秘宝で古泉先生が書いてましたが「性器以外の部分が怒りでフル勃起」して敵を追い詰める時のウィテカーの恐ろしくも気高い姿に涙涙ですよ~。


ウィテカー最高です




そしてこの映画の素晴らしいところはアフリカギャングの容赦なさなんですよね。場所はちがいますが、「エンドオブウォッチ」のときの容赦なさに近くて、脅しじゃなくリアルに引き金を引かれる恐怖感がすごくあるんですよね。

あとおもしろかったのはこの映画にでてくるドラッグなんですが、このドラッグの効果が「暴力的になる」というもの。ドラッグキメたら超暴力人間になって周りの人間をやたらめったら殺しまくるというけっこう新鮮なものでした。これを「普段はそんなこじゃないのに!」…と親は思ってる女の子や少年とかにためしにやらせて子供同士で殺しあったりするこの残酷さ…。


容赦なくAK-47を乱射してきます




サスペンスとアクションのバランスもよく、キャラクターもたっていて、そしてバイオレンス描写も倫理的にグラッとくるような容赦なさもあり、かなり高いレベルでまとまったとてもいい映画でした!この手の警察アクションが好きな方はぜひ見てほしい!


おわり



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スタッフ


監督

    ジェローム・サル 

原作

    キャリル・フェリー

脚本

    ジュリアン・ラプノー

    ジェローム・サル

撮影

    ドゥニ・ルーダン

美術

    ロラン・オット

編集

    スタン・コレ

音楽

    アレクサンドル・デプラ


キャスト


    オーランド・ブルーム ブライアン・エプキン

    フォレスト・ウィテカー アリ・ソケーラ

    コンラッド・ケンプ ダン・フレッチャー

    ジョエル・カエンベ ジーナ



作品データ

原題 Zulu

製作年 2013年

製作国 フランス

配給 クロックワークス

上映時間 107分

映倫区分 R15+