友よ、さらばと言おう
8月8日(金) 15:15~ 新宿武蔵野館
想像をはるかに超えて素晴らしかった!!
「友よ、さらばと言おう」、いわゆるフランスノワールで、信頼する柳下毅一郎さんや高橋ヨシキさんがほめていたので新宿武蔵野館で観てきましたよ。これが、想像をはるかに超えてすっっばらしかった(´∀`)!! とても良い意味でのサプライズでしたよ。
どういう話か前情報を入れずに行ったのですが、あらすじは、南仏トゥーロン警察に所属する優秀な刑事のシモンとフランク。しかし、シモンは勤務中に人身事故を起こしてしまい、服役して妻とも離婚。その人生は一変する。出所後、警備会社で働いていたシモンは、離れて暮らす息子が殺人事件を目撃してしまい、命を狙われていることを知る。息子を守り抜くため、シモンはかつての良き相棒であったフランクに協力を仰き、2人は強大なマフィア組織に立ち向かうことになる。てな感じでございます。どうですか、もうおもしろそうじゃないですか!?お話はシンプルですし、尺も90分!テンポはめちゃくちゃいいのでとても見やすいですよ。
闘牛場で息子がギャングの殺人現場をみちゃったことでギャングに追われる羽目に…
そこで息子を救うためにかつてのバディを再結成!
とにかく何がいいって、アクションなんですよ!スピード感と重量が良いのに加えて、空間の使い方がめちゃくちゃうまい!!
1つ目の見せ場であるところの、追ってきたギャングから逃げる息子、そしてそれを追いかける父という見せ場ほんとすばらしかった。スピード感ももちろん、画面の緊張感の作り方がすごくうまかったです。ギャングから逃げる息子の視点と、息子を追うギャングを追う父の視点という2つの視点の織り交ぜ方がとてもよかったのですな、「お父さん、そっちそっち!ちがうちがうそっちじゃない!」とみてるこっちはハラハラですよ。
息子の足がとても速い!
2つ目のアクションの見せ場は夜のクラブ。ここも素晴らしい!このクラブはバディアクションをしっかり見せてくれていました。上の場面もそうだし、このクラブ、そしてラストの電車もそうなんですが、アクションの見せ場がその場面だけに終わらずとても流動的に場面が流れて行って、ひとつのシークエンスにいろんな要素が詰め込まれてるし、なによりアクション中に話がとまっていないんですよね~。
このクラブシーンもクラブから脱出からのそのまま物置みたいなところに流れ込み、追ってきたギャングを確実に仕留めていくという流れもしっかりしてるし、やはりここも空間の使い方が素晴らしい、いろいろな障害物を使いながらいろいろな見せ場が用意されていてさすがです!
影の使い方がポイント
3つ目、最後の見せ場は電車内のアクション。ここで電車に乗って逃げようという考えに至るまでのロジックは正直無理矢理な気がしましたが、とにかく電車内のアクションは素晴らしかった。とにかく見せ場方がうまいんですよね。座席と座席の微妙な隙間から、ドーンとか、息子と母親でギャングひとりをぶっ殺すところとかもアガりました。そこでの武器、消火器とノートパソコンというのも最高w
電車内とその外でバラバラだったバディが合流するまでの見せ場も見せ方がすごくうまい!カーアクションもしっかり入れてくるあたりもさすがだし、2場面を交差させながらもスピード感がぜんぜん落ちない。
電車に合流するまでも素晴らしい!
最後も最高、銃の弾丸がなくなって素手で勝負!そして向かいから来た電車にひかれるというまさに最高のラストですな。あとかたもなくなってましたー。。
そしてやっぱラストシーンですよね。そもそもこのバディが解体された原因の飲酒運転。実はシモンは運転しておらず、フランクが起こした事故で、その事故を助手席に乗って寝ていたシモンのせいにしてシモンは警察を辞めるはめになったという過去があきらかに。このシモンへの協力はフランクの罪滅ぼしでもあったんだということがわかります。なんたる…。ストレートなバディものではなく、ちょっとひとひねりあるバディものになっていてものすごく新鮮でした。まさかそんな過去がー。
まぁでも突っ込みどころはすげぇあるんですよね。なによりギャングたち、顔見られたから息子を殺しに行ってたのに、後半はもはや顔をかくす様子もなかったり、あとやっぱバディ2人の判断がどうしても疑問なところもあったり、、でも大好きな映画ってその辺気にならないよね?(こじつけw)
とにかく、アクションほんと素晴らしいので観てほしいです。スピード感、テンポも素晴らしい。そしてなにより90分!僕はこの映画、バディものアクションとしてけっこう理想的な映画でしたよ!東京では新宿武蔵野館の単館ですが、観ずに終わるのはもったいない映画だと思いますので、お暇な人はぜひぜひ~!!
おわり
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スタッフ
監督
フレッド・カバイエ
製作
シリル・コルボー=ジュスタン
ジャン=バティスト・デュポン
シドニー・デュマ
製作総指揮
ダビ・ジョルダーノ
脚本
フレッド・カバイエ
ギョーム・ルマン
撮影
ダニー・エルセン
美術
フィリップ・シフル
衣装
マリ=ロール・ラッソン
編集
ベンジャマン・ワイル
音楽
クリフ・マルティネス
キャスト
バンサン・ランドン シモン
ジル・ルルーシュ フランク
ナディーン・ラバキー アリス
ジル・コーエン
マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーブ
ベリボール・トピッチ
作品データ
原題 Mea culpa
製作年 2014年
製作国 フランス
配給 ブロードメディア・スタジオ
上映時間 90分
映倫区分 PG12