ウォルト・ディズニーの約束
3月31日(月) 16:00~ TOHOシネマズシャンテ
好き度: ★★★★☆ 4/5点
メリーポピンズの見方が確実に変わる
特にメリーポピンズに思い入れがあるわけではないんですが、なんとなくシャンテへ。観てきましたが、これがとてもおもしろかったですよ~。メリーポピンズの製作秘話なのですが、メリーポピンズの原作の著者であるパメラさんはディズニーに20年間も映画化を交渉されながらずーっと権利を売らなかったのです。それはなぜなのか。パメラにとってメリーポピンズとはなんなのか。というのが本作で、観たあとは「メリーポピンズ」の見方がすごく変わりました~。
エマ・トンプソンの嫌なおばさん演技はとっても最高でした~。とにかく映画化に向けての企画会議で文句を言いまくる!「ミュージカルは論外!」「アニメーションなんて論外!」「この俳優も論外!」などなど。言いがかりに見えるようなこともあったりしてほんと嫌なババアだし、実際嫌なババアだったらしいですし(笑)ついには脚本を窓からぶん投げたりと、もう扱いづらさビンビンのおばちゃんなのです。そんな強者おばちゃんの機嫌をとりつつ、しっかりとしたディズニーエンターテインメントにとして映画化しなければならないウォルト・ディズニーとの駆け引きもとってもおもしろかったです。ディズニーランドに招待する場面なんかとってもよかったなぁ~。このウォルト・ディズニーのもつ人を喜ばせることしか考えてない人柄というかサービス精神というか、今でも受け継がれてるディズニーの魂みたいなものを感じましたね~
じゃぁなぜそんなにメリーポピンズに強い思い入れがあって、20年間も権利を守り続けたのか、それはパメラさんの幼少期にさかのぼります。この幼少期パートと現在の映画製作パートが行ったり来たりするという構造。メリーポピンズに出てくる父親のバンクスさんのモデルは自分の父親だったというのがわかってきます。
パメラはとっても父親が好きで、父親も可愛がっていましたが、父親の仕事である銀行がうまくいかなくなり仕事をクビになり、アル中になり、ついには病気を患い死んでしまっていました。ちなみにその時に看病や家事の手伝いに来ていた叔母さんがポピンズのモデルでした。
その父親がモデルであるバンクスさんを映画の中で、せめてフィクションで救おうというのが映画メリーポピンズのラストに通じていきます。この事実を知るととってもメリーポピンズが奥深い映画に見えてきて、最後の「凧をあげよう」のミュージカルなんか今まで以上に感動的で、すごいカタルシスを感じました!
だから、原題は「Saving Mr.Banks」なのです。原題の「ウォルト・ディズニーの約束」は的外れな邦題だと思います。が、まぁキャッチーだししょうがないのかなぁ…
あと、とってももうひとつよかったのがみんな大好きポール・ジアマッティ。パメラとジアマッティのやりとり、嫌なおばちゃんパメラがちょっとずつ心を開いていくのがとってもほっこりしまして、庭で座り込んで遊ぶとことかすげぇよかったなぁ。
とっても、うまくまとまって良い映画だったし、名曲「POP LIFE」の宇多丸さんのヴァースを引用するなら「こちらから見りゃサイテーな人 だがあんなんでも誰かの大切な人」映画としてもとっても良い映画でした。
とにかく、メリーポピンズのみかたが変わりましたよ~。メリーポピンズありきのギャグとかもあるのでメリーポピンズは見てからいったほうがいいと思います!良い映画でした!
おわり
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スタッフ
監督
ジョン・リー・ハンコック
製作
アリソン・オーウェン
イアン・コーリー
フィリップ・ステュアー
製作総指揮
ポール・トライビッツ
クリスティーン・ランガン
アンドリュー・メイソン
脚本
ケリー・マーセル
スー・スミス
撮影
ジョン・シュワルツマン
美術
マイケル・コレンブリス
衣装
ダニエル・オーランディ
編集
マーク・リボルシー
音楽
トーマス・ニューマン
音楽監修
マット・サリバン
キャスト
トム・ハンクス ウォルト・ディズニー
エマ・トンプソン P・L・トラバース
ポール・ジアマッティ ラルフ
ジェイソン・シュワルツマン リチャード・シャーマン
ブラッドリー・ウィットフォード ドン・ダグラディ
ルース・ウィルソン マーガレット・ゴフ
B・J・ノバク ロバート・シャーマン
レイチェル・グリフィス エリーおばさん
キャシー・ベイカー トミー
メラニー・パクソン ドリー
アニー・ローズ・バックリー ギンティ
コリン・ファレル トラバース・ゴフ
作品データ
原題 Saving Mr. Banks
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 ディズニー