一般質問―医療体制の強化、ラグビーW杯の誘致 | 田辺かずきのブログ

一般質問―医療体制の強化、ラグビーW杯の誘致

福岡県議会6月定例会は16日、本会議・一般質問がスタート。


私は同日午後、連続13回目となる知事への一般質問に臨みました。質問に当たっては、これまで同様、対話集会などを通じて地元・古賀市をはじめ県民の皆さんからいただいた「声」を生かし、提案することを意識しました。


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今回は、特に国立病院機構・福岡東医療センター(古賀市)が感染症指定医療機関や救命救急センターに新たに指定される見通しであることを踏まえ、質問しました。


<要旨>

一、医療体制の強化

1、在宅ホスピスの推進

2、感染症指定医療機関の指定

3、救急医療体制の整備

一、ラグビーワールドカップの試合会場誘致について


知事は私から提起した課題について認識を共有し、前向きな取り組みを約束しました。在宅ホスピス(在宅緩和ケア)体制の構築のため、市町村が医師や訪問看護師らを支えるボランティアを育成する際、県として支援する意向を表明。さらに、福岡東医療センターの指定を経ても、なお県内で感染症病床が不足している状態にあるとの私の指摘に対し、「感染症指定医療機関の指定を早急に進める」と決意を述べました。


また、2019年に日本で開催されるラグビーW杯の試合会場誘致について、「強豪チーム同士の試合など特に注目の集まる試合の誘致」を実現するために積極的に取り組む姿勢を示しました。


以下、概要をテーマごとにまとめます。また、質問と答弁の全文を聞き起こしているので、こちらもご参照ください。


<記録文書>
※以下の文書を①→②の順に読むと時系列になります。
①田辺の質問全文(PDFへリンク
②知事の答弁、田辺の要望の全文(PDFへリンク


   ◇


<医療体制について>


1、在宅ホスピスの推進


ホスピスとは、治癒を目的としなくなったがんなどの患者さんに対し、痛みなどの身体の症状をコントロールするだけでなく、患者さんや家族の方々の心のケアも同時に行い、QOL、いわゆる生活の質の向上を最優先に考えるケア。住み慣れた家で最期まで暮らしていくことは多くの人の願いであり、ホスピスを在宅で実現していくことは、患者さんにとっても、家族にとっても大きな意義があります。


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今後、高齢化が急速に進む中、在宅で最期を迎えるニーズはさらに高まっていくことが想定され、福岡県もこうした事態に確実に備える体制を構築しておかなければなりません。しかし、2012年の人口動態調査で「在宅死亡率」の現状を見ると、本県は12.5%と全国ワースト2位であり、大変厳しいと言わざるを得ません。なお、1位の鳥取県は26.4%、全国平均は19.2%です。


福岡県は在宅ホスピスの推進のため、在宅医療推進事業の一環として2007年度から「在宅ホスピスボランティア養成講座」に取り組み、一般の方々に在宅ホスピスを理解していただき、医師や訪問看護師などのチームの一員としてボランティアで患者や家族に寄り添うことができるよう、地域における人材の育成を図ってきました。


知事は答弁で「患者さんとご家族にとってボランティアによる支えは心強くありがたいもの」と取り組みの意義に触れ、約100名がボランティアとして活動している実態を説明。そのうえで、「患者や家族、医療機関の中には、ボランティアの存在が必ずしも認識されておらず、十分に活用されていない実態がある。ボランティアの存在や活動内容などについて周知を図る」との考えを表明しました。


また、私から市町村が地元の医療機関などと連携しながら在宅ホスピスボランティアの育成を推進できるよう、県として後押ししていく必要性を指摘。知事は「地域包括ケアシステムを構築するうえで、市町村の役割が大きくなっていく。県としては、市町村がボランティアの育成に取り組む際には、県が培ってきたノウハウを活かし、支援したい」と述べました。


2、感染症指定医療機関の指定


感染症指定医療機関は、新型インフルエンザなどの重大な感染症の発生に備え、感染症の医療経験のある医師が勤務し、感染防止のための専用施設、設備を整えています。医療機関の開設者の同意を得て、知事が指定するものです。


国が示した感染症病床の配置基準に基づき、福岡県では第1種感染症を県全体で2床、第2種感染症を県内4ブロックの合計で64床、整備することを定めています。しかし本県では2009年、福岡市立こども病院・感染症センターに配置されていた第1種の全2床と、第2種のうち福岡ブロック分の全22床に関して病床の辞退が届け出られたため、これらを代わりに担う病院を確保する必要性が生じていました。


このうち、古賀市の国立病院機構・福岡東医療センターが第12床と第210床と多くの病床を引き受けるための施設整備を進め、71日までに指定される見通しとなるなど前進は見られます。しかし、いまだに6床については代わりに担う病院の指定が行われていません。また、筑後地域でも10床不足している状態が続いています。


私は、まず感染症指定医療機関の重要性とまん延防止にかかわる安全性についての認識を質し、知事は「感染症法に基づき、感染症患者の入院経路の確保とともに、入院治療をしている病室の空気が室外に漏れない構造など、外来者や他の入院患者、医療従事者への感染防止に万全が期され、安全性が担保されている」と説明しました。


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また、私から「代替病院が指定されなかったり、病床数が不足したりと、県民の命にかかわる医療体制が不安定な状態にあるため、感染症指定医療機関の指定を早急に進め、県内で必要とされる病床数を確実に満たす必要がある」と提起。知事は「指定を早急に進めてまいる」と述べ、決意を示しました。


3、救急医療体制の整備


救急医療の提供体制は、患者の症状の重さなどによって初期救急、第二次救急、第三次救急の三段階に区分されます。このうち複数の診療領域にわたる重篤な救急患者を担う三次救急について、本県は県内8カ所の病院を救命救急センターに指定しています。


これまで北九州市と福岡市の中間エリアについては救命救急センターがなく、整備が大きな課題でしたが、保健医療計画に基づき、このエリアに位置する福岡東医療センターが近く、救命救急センターに指定される運びとなっており、本県の救急医療提供体制が強化されることになります。


そこで、私から提起。県は2013年から5カ年の保健医療計画の中で、概ね人口50万人当たり1カ所を目安に、現在8カ所の救命救急センターを10カ所程度に増やしていく方針を示していますが、福岡東医療センターが指定される現状や将来人口の推計なども踏まえ、今後、どのように整備を進めていく方針なのか、質しました。知事は「現時点で、本県の救急医療体制は確保されている。今後、人口の増減、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療機関などの状況を見ながら、救命救急センターの整備を行っていく」との考えを示しました。


<ラグビーワールドカップの試合会場誘致について>


2019年のラグビーワールドカップ第9回大会は日本で開催されます。


福岡県は全国的に見てもラグビーが盛んであり、試合会場やキャンプ地を誘致したいところです。とりわけ、試合会場は20153月に決定される予定です。


こうした中、日本ラグビーに多くの功績を残してきた県立福岡高校ラグビー部の創部90周年記念祝賀会4月に開催されました。旧制中学時代の1924年に創部し、九州最古の歴史を誇ります。知事は祝賀会で「ラグビーワールドカップが日本で開催される。世界最高水準のトップアスリートを、どうしても間近で見たい。関係市町村と一緒になって試合会場、キャンプ地をぜひとも福岡県に持ってくるため、しっかり頑張っていきたい」と述べ、これまで以上に思いを込めながら誘致に向けた強い意欲を示していました。


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これを受けて、私から試合会場の誘致を実現するための課題を提起。試合会場は国内外からの多くの観客を収容する能力も問われます。県内では、福岡市のレベルファイブスタジアムや博多の森陸上競技場、北九州市で建設が予定される新球技場が候補に挙がっていますが、日本代表や強豪国同士の対戦といった特に注目の集まる試合を実施するには、観客収容能力を確保する必要があります。


知事は答弁で、「会場の選定では、観客収容能力の目安のほか、グラウンドの状態や付帯設備、交通インフラなどの開催都市としての基盤的能力や、誘致に向けた県民の機運の高まりも重要な要素である。(福岡県が)国際大会開催の実績や海外とのネットワークを有していることは、日本ラグビー協会や組織員会の高い評価を受けている。県としては、強豪チーム同士の試合など特に注目の集まる試合の誘致が実現するよう、今後も両政令市としっかりとスクラムを組み、本県の優位性や魅力をアピールするなど積極的に取り組んでいく」と答弁、強い意欲を示しました。



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