庭の掃除でもしようかと思っていたけど
あいにくの雨。
というわけで、マンガでも読もう。
- かぶき伊左(1) [ 紗久楽さわ ]
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作者の紗久楽さわさんのブログ
『かぶく者。』を読み返した後だったので、
フィクション要素が強いのかな?
と思っていたのですが。
江戸の猿若町、主な登場人物は、
最初のページの見開きに
市村伊左衛門(屋号:立花屋) - 澤村矢之助(屋号:紀ノ国屋)
- 河竹彦蔵(狂言作家)
河原崎権四郎(屋号:河崎屋)
菓子屋の榎(えのき)
?(謎の男性、でも女性のようにも見える人物)
とのこと。
時代は、八代目の市川團十郎さんのあと、
團十郎の名跡を継ぐものが途絶えたころ。
主人公、伊左衛門のために彦蔵が書いた芝居で、
さっきまで女だったお嬢さんが、
「もう化けちゃあいられねぇ。
俺ぁしっぽを出しちまうぜぇ。」
あれ?
『白波五人男』
さっきの、ちょこっと字を変えてみますね。 - 市村羽左衛門
- 澤村田之助
- 河竹諺蔵
河原崎権十郎
つまりこれは、江戸が終わって明治時代にはいると、 - 市村羽左衛門 →尾上菊五郎(五代目)
- 澤村田之助 →澤村田之助(三代目)
- 河竹諺蔵 →河竹黙阿弥
河原崎権十郎 →市川團十郎(九代目)
という、黄金時代のメンバーたちの若い頃の
マンガということなんでしょうね~。
第一巻は、
1,七夕
2,弁天と助六
3,策略
4,長い一夜
の4話。
【以下ネタバレです】
主人公の伊左衛門、とにかくお客さんを驚かせる、
楽しませる,喜ばせる、こっちに興味がいってます。
いずれ團十郎をつぐはずの先輩、河原崎権四郎の芸は
ひじょ~に地味、華がない。
そこでいっちょ「喝」をいれてやるかと悪だくみ。
ひっそり仕入れたあやし~い薬を権四郎にのませ、
ふらふらになったて夜道に出てきたところ、
「うらめしや~、幽霊だ」
と出て行っておどす作戦です。
権四郎が柳の木の下を通りかかると、
八代目團十郎の幽霊が登場します。
ガイコツなのに紫のはちまきをしめてます(もちろん『助六』バージョン)。
「そんな芸の技量がたりなかったら精進しろ。
團十郎の名前をつぐものとして恥ずかしくないのか~」
の声。ガイコツからしたたり落ちる血。
ペロッ。
あ、あれ?甘い。
そう当時は芝居の小道具で血を流すシーンとかでは、
スイカの絞り汁を砂糖でドロドロにしたものを使ってたんですね。
「ふざけんな~。おどかしやがって。出て来い!」
バレちゃいました。
「世の中が團十郎という名前の役者が
世の中にいることを期待しているだけだ。
地味といわれようと俺は俺の信じたとおりの芸の道を貫くぞ。
あてつけがましく、派手な八代目の格好までしやがって!」
「へ?何それ。俺は柳の木の上からガイコツぶらさげてただけだぜ。」
「えっ。っていうことはひょっとして?」
これからどうなるんでしょう。
『かぶく者。』でも生島新五郎の霊と
主人公の新九郎と話してましたしね~。
第二巻は来年二月十五日発売とのこと。
楽しみっす。
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