先週の水曜日は、日本赤十字社埼玉県支部主催の 「奉仕団員対象赤十字防災ボランティアセミナー」 に参加してきました。


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この研修会は、災害時の赤十字救護活動と、災害時の奉仕団員としての奉仕団活動の理解を深めることを目的としたものです。

埼玉県内の各種奉仕団から 50名近くが参加。

赤十字と災害救護、災害時の水と食料、赤十字の防災ボランティア活動、埼玉県支部で保有している救援物資、災害時に我々が支援できること、といった講義や、グループワーク、ハイゼックス(包装食袋での炊き出し)の試食などがありました。

過去に受講した講習([ 災害時高齢者生活支援講習 ]、[ 長男の11歳誕生日(その2)と災害救護セミナー ])と重複する部分もありましたが、今回のセミナーは講義が多く、赤十字や奉仕団の災害救護に対する考え方の知識が深まりました!

日本赤十字社の主な事業としては、国際活動・災害救護活動・医療事業・看護師等の養成・血液事業・救急法等の講習・赤十字ボランティアの育成・青少年赤十字活動の推進・社会福祉事業があり、災害救護活動には防災ボランティアの養成も含まれているのです。



日本赤十字社の事業のひとつである災害救護活動の実地訓練、埼玉県支部災害救護訓練が本日開催され、私も防災ボランティアとして参加してきました。


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この訓練は、災害時の医療救護を主体とした実践的な内容で、災害対応能力の向上を目的としたものです。

埼玉県支部と群馬県支部、県内 3ヶ所の赤十字病院、埼玉県赤十字血液センター、県内 2ヶ所の特別養護老人ホーム、さいたま赤十字看護専門学校、県内の赤十字災害救援奉仕団と安全赤十字奉仕団(私が所属している奉仕団)が参加。

埼玉県南部を震源とした直下型地震が発生、それによる負傷者を救護するといった実活動に即した一連のシナリオで、特に救護班(医師、看護師、事務職員で構成)によるトリアージ(傷病の緊急度や重症度によって傷病者を選別し、処置の優先順位を決定すること)や救命(応急)処置に重点が置かれてました。

さいたま市が災害対策本部(市災対本部)を、埼玉県支部が災害救護実施対策本部(支部災対本部)を設置したところから訓練がスタート。

我々防災ボランティアは支部災対本部からの要請で、現地に日赤現地災対本部と現地赤十字防災ボランティア本部を設置することになりました。


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それと並行して、本部要員等によって医療救護所が設営されました。


エアーテントによる仮設診療所
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国内型緊急対応ユニット(dERU)の自動昇降式多目的コンテナ
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看護専門学校の生徒さん( 33名)が負傷者役で、傷模型・模擬血液・メイク等が施されてます。


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現地赤十字防災ボランティア本部からの指示により、我々は 4人で組になって負傷者を医療救護所に担架搬送します。


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仮設診療所の前で救護班が負傷者のトリアージを実施し、トリアージタッグという認識票を負傷者の右手首に巻きつけます。


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トリアージタッグの識別色は赤(重症群)黄(中等症群)緑(軽症群)黒(死亡群)の 4つに分かれており、それぞれの色に応じた場所に我々が担架搬送します。
(赤は重症群を扱う仮設診療所内のベッド、黒は屋外の指定の場所、といったように)

災害時は希少な医療スタッフと医薬品を効率的・効果的に活用するために、トリアージが重要になってくるのです。

仮設診療所内では救護班による救命(応急)処置や、重傷者の後方搬送順位のためのトリアージが行われます。


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緑の軽症群の負傷者に対しては、救護班の指示のもと、必要に応じて我々が三角巾等を用いた応急手当(救護活動の補助)を行います。


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これらの医療救護訓練、後方搬送訓練、担架搬送訓練、応急手当訓練を前・後半で 2回実施し、この訓練だけで 2時間を要しました。

救護班のトリアージがあまり時間がかかる場合は担架搬送の我々がプレッシャーをかけたり、半狂乱になった負傷者が仮設診療所内に勝手に立ち入ったり、と災害対応能力向上のためのいろいろな仕掛けもありました。

訓練後、一緒に担架搬送した奉仕団員のひとりが 「トリアージで黒になった人(訓練用マネキン)を搬送するとき、すごく重く感じた・・・」 と言ってました。

「本番だったらもっと重く感じるんだろうね・・・」 とポツリ。

8時30分から16時まで、ほぼ 1日を使った訓練でした。