「震災」と「希望」 | 書法家 武田双鳳の「そうほう録」

書法家 武田双鳳の「そうほう録」

「書で人生を豊かにする」をテーマに、日々のオモシロさを探求する書法家・武田双鳳の日記

おはようございます。大津堅田で法律と書道の私塾を開いています。


7月、書道教室では全国規模の作品展にチャレンジします。その課題の一つが『希望』です。


もちろん、字の「カタチ」に気を配ることも大切ですが、それだけでは足りないように思います。法律と同様、選んだ「コトバ」をどのように解釈するのか、も大切な気がしています。

何度も書きながらその意味を咀嚼し、思いを熟成し、表現していく……そんな過程で生まれる作品こそが“大人の芸術”というに相応しいと思います。


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法律の世界で「形式論(法解釈)と実質論(価値判断)は車の両輪」と言われます。
個人的には、これを書の世界にも当てはめて考えています(形式論=字型、理屈と
実質論=おもい、感性)。


だから、「希望」の書き方を稽古するだけでなく、「希望」に関する本を買ったり、それを語り合うようにして、「希望」の意義ついての何らかのヒントを探すようにしています。


あるとき、フリーライターの赤木智弘さんが「震災は変革の種なのか」という記事の中で、ヒントになりそうなことを見つけました(4月28日(木)の朝日新聞の夕刊)。



「戦争や災害と言った他人の不幸に希望を結びつけないで欲しい……。不幸の先にしか希望を感じられない社会では、私たちは他人の不幸を望むしかない。……多くの人が震災に希望を求め、変革の種とすることに躊躇していないという現実に、強い不安を覚えるのである。」


これを読んで、ハッとさせられました。
「震災」と「希望」を無意識に結びつけた自分に気付いたからです。


「不幸」でつくった「希望」は虚偽なのかもしれないのに。「震災」で「希望」をつくることが「戦争」を招くことになるかもしれないのに。



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