映画『ヒトラー ~最期の12日間~』 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画『ヒトラー ~最期の12日間~』

原題:Der Untergang
1945年5月7日、第3帝国は終焉を迎える。ドイツ・ナチス総統ヒトラーが4月20日に地下要塞に籠もり自殺するまでの最後の12日間の悲劇の物語・・
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この映画、歴史家ヨアヒム・フェストの「ダウンフォール」と、ヒトラーの秘書トラウドゥル・ユンゲの回想録「最期の時間まで」に基づいて製作されたという・・ソビエト軍が目前に迫る中、地下に籠もり最後のあがきを試みるも力尽きてピストル自殺、死体は焼却させた・・歴史的事実は周知だが、この物語は、取り巻く人々も含めて極限に至る人間の心理と行動が描かれている。アドルフ・ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)が背中を丸めてうつむき加減で部屋から部屋へと行き来するのがとても寂しそうで気になった。一番可哀そうなのはゲッベルス宣伝大臣の子供たちだ、はしゃぎまわってうるさい子供達なのだが、いよいよのとき睡眠薬を飲まされて眠ったところでゲッベルス婦人の手により一人ずつ毒のカプセルを口に入れられ顎を押してカプセルを割る・・何の罪もないあどけなく幼い子供たちなのに・・それでも睡眠薬を湿気対策の薬と言われても長女は分かっていたのだろう、拒むが無理やり飲まされるなんて惨い・・親達はユダヤ人の大虐殺に戦争犯罪でナチス崩壊と共に滅びるのは当然のことなのだろうが・・それにしても、ヒトラーとエヴァ・ブラウン(ユリアーネ・ケーラー)の死後、離反せず残った取り巻きの人々が次々と自殺していく様は凄まじい。ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ラーラ)は無事脱出出来てよかった・・とはいえ存命だった本人が言っているように虐殺の事実を知ってからは彼女もまた罪の意識を抱えた生涯だった・・。(11/19wowow)  ヒトラー ~最期の12日間~