仕事の面白さ彩る
「3つの輪」を広げよ
倉重 英樹(くらしげ・ひでき)氏
[シグマクシス会長兼社長]
1993年にIBMを飛び出して以来、「経営者」を職業
としてきました。
おまえは経営者として何をしてきたかと聞かれれば、
ただ一つ。人によって働くとは何か、働きやすい
環境とは何かを追い求めて来たと思っています。
コンサルティングの世界に入る時、
当時マッキンゼー・アンド・カンパニーにいた
大前研一さんから言われた言葉を覚えて います。
「倉重さん、この業界は年間で4人に1人は辞めて
いきます。異次元であることを念頭に置いておかない
といけないですよ」。
大前さんは日立製作所出身。当時のIBMもメーン
フレームを製造していた会社です。
メーカーで働いていた者からすると、当時のコンサル
ティング会社は組織の体をなしてない。
離職率25%なのに優秀な人たちを集めている。
でも、彼らは優秀だからこそ、より待遇のいい環境が
あるとすぐに辞めてしまう。それなのに会社の業績は
その働く人の能力とモチベーションに大きく依存して
いる。
プライスウォーターハウス、日本テレコムで社長をして
いた時も考えました。
突き詰めていくと、結局、「仕事の面白さ」に鍵がある
のです。面白さは3つの輪に例えることができます。
やるべきこと、やりたいこと、できること。
3つの輪が大きくなり、重なりが増えるほど人は仕事を
面白いと感じる。
その輪が広がる可能性がある場所であり続ければ、
魅力に感じてくれるのです。
「やりたいこと」の輪を大きくするのは自分です。
会社から与えられた「やるべきこと」以外の企画
を提案していけばいい。
その一方で、自分が「できること」の輪を広げていく
には、勉強も経験も必要で、時間がかかります。
そこで、このスピードを上げるのがコラボレーション
です。
雇用形態の多様化で、サラリーマンでありながら、
複数の会社で同時に働くことも珍しくなくなっていく
はず。つまり、組織に所属し続ける理由が希薄に
なっていきます。だからこそお金、待遇だけではなく、
協力し合うという面白さに答えがあるはずです。
ですから今後、会社は社内外の知り合い同士の知恵と
知見の貸し借りができる“知融機関”に変貌していく
のではないかと夢想しています。
65歳でシグマクシスを立ち上げ、創業5年で上場を
果たしました。
(2014.08.11・18 合併号から)
倉重さんの名前を拝見して、昔を思い出しました。
10年以上前に、倉重さんの著作を読んで自分のサイトに
書評を掲載したことがあるからです(2001年5月10日)。
さらに、大前研一さんの話が出てきたことに親しみを
覚えました。
倉重さんは65歳で起業し、5年で上場したことに敬意を
払いたいと思います。
自らリスクを負い、高い志を持ち続けているからです。
書評は下記のものです。
企業大改造への決断 倉重英樹 ダイヤモンド社
SWOT分析
SWOT分析についてご説明します。
これは経営コンサルティング会社が、必ず実施する
分析手法の1つです。
すなわち、
(1)Strengths 強み
(2)Weaknesses 弱み
(3)Opportunities 機会
(4)Threats 脅威
です。
SWOTに基づき、自己分析し、認識することが大切です。
次にご紹介する本は、「紺屋の白袴」、「医者の不養生」の
状態に陥っていた、経営コンサルティング会社を、
立て直すまでの著者の奮闘の記録です。
他人事ではないという意味でも、大いに参考になる本です。
企業大改造への決断 倉重英樹 ダイヤモンド社 1996/12/12
10年以上前に立ち上げたサイトに書評を書いたものですが、
今から見ると、「稚拙なページ」だな、と思います(笑)。
自分の経験の記録として、修正も削除もしません。
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