日経ビジネスのインタビュー(119) 失敗の積み重ねこそ宝 | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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失敗の積み重ねこそ宝
2014.04.28・05.05

ジェームズ・ダイソン(James Dyson)氏

[英ダイソン チーフエンジニア(創業者)]



 より性能が優れた製品を開発できた時に

 喜びを感じます。幸いにも、ダイソンは

 私がすべての株を持っている非上場会社

 です。私がやりたいことを社員のみんなに

 やってもらっています。


 研究開発費を2年で2倍に、4年後には

 現在の4倍にまで引き上げます。生産規模

 も同様に拡大し、競争力を高めていくつもり

 です。


 力を入れ始めたのがロボット開発です。
 
 最近、英国内の大学と新しいプロジェクト

 を立ち上げました。研究は長い道のりと

 なりそうです。いつになるかは分かりませんが、

 消費者向けの製品として発売したいですね。


 私から見れば、かつてのソニーやホンダは

 輝いていました。創業者の盛田(昭夫)さんや

 本田(宗一郎)さんは挑戦する勇気を持って

 いたように思います。


 実際、成功している企業を見渡してみると、

 リスクを取る決断ができる経営者がいる点で

 共通しています。


 リスクを取って、省電力で高効率なモーター

 の開発に挑んだことで、コードレス掃除機が

 完成しました。


 新製品が出来上がると、まず日本のお客様に

 使ってもらっています。これが非常に勉強に

 なります。エンジニア自らが家庭を訪問し、

 掃除機を使っている様子を見ながら、なぜ

 そのような動きをするのか、問題点はないか

 といったことを聞きます。エンジニアが直接

 意見を聞くプロセスが非常に大事なのです。

 決して外部へ委託することはありません。


 実は英国の平均的な住宅は今、日本より狭く

 なっていることが分かりました。米ニュー

 ヨークは5年おきに50%ずつ狭くなりつつ

 あります。こうした点からも、もともと家が

 狭い日本で培ってきたノウハウが生かされる

 機会が増えています。


 今回のコードレス掃除機に使うモーターの開発

 でも、もう数千回は失敗しましたね。

 このモーターはF1に積むエンジンよりも5倍、

 ジェット機のエンジンよりも6倍も速く回ります。

 高速で回転するため、モーターのバランスなど

 細かな部分まで調整が必要でした。


 エンジニアの頭の中で素晴らしいアイデアが

 ひらめいても、それだけでは発明になりません。

 失敗を繰り返すことで初めて、定まった理論に

 なるのです。より深く理解するためには手を

 動かして試してみるしかありません。


 若いエンジニアは皆、世界を変える技術を開発

 したいというエネルギーを持っています。

 私の役割は、彼らのやりたいことを聞いて

 「頑張ったらいいんじゃないか」と背中を

 押してあげることしかありません。すごく

 シンプルなことです。


 メーカーにとって製品回収は悪夢です。でも

 問題を発見したら何も隠さずにすぐに対応

 することが大事です。お客様のことを考え、

 心配している姿勢を見せれば理解していた

 だけると思っています。


 蛇口とハンドドライヤーが一体となった

 洗面台などを発売しました。


 洗面器で手を洗って、そのまま乾かすことが

 できれば、最も合理的で時間もかかりません。

 
 既に英国をはじめ、海外では販売していますが

 好評です。日本でも東京の羽田空港や品川

 プリンスホテルなどに先行して導入しました。


 幸運にも息子(ジェイク・ダイソン氏)がいます。

 今は照明器具を開発する会社を経営しています。

 既に、いずれ後継者になってくれると同意して

 います。
 





ブログを書いている時、私はRadikoかRadiro
というインターネットラジオでFM放送を
聴いています。


先日(4月26日土曜日)の午後10時すぎ、
J-WAVEの「PRIME FACTOR」
という番組を聴いていました。


その番組は、テレビ出演もしている経営コンサル
タントのショーンK氏がMCをしていて、業界の
著名人へのインタビューなどで構成されています。


その日のインタビューの相手は、ジェームズ・
ダイソン氏でした。


ショーンK氏は、「日経ビジネス」でダイソン
氏がインタビューを受けたことを知っていて
(「日経ビジネス」を購読しているのでしょう)、
記事に関連した事柄や、全く別なテーマについて
突っ込んだ質問をしていました。


インタビューの中で、ダイソン氏はこう語って
いました。

「コードレス掃除機では、失敗は5127回
しました」

(5127という数字ですが、私の聞き違い
かもしれませんが、5000回以上と発言した
ことは間違いありません)


さらに、こう付け加えました。

「日本企業は、なぜ、たくさんの失敗をしないのか?
失敗しないから優れたものができないのです」と。


今回のインタビューで、

「新製品が出来上がると、まず日本のお客様に
 使ってもらっています」と語っていますね。


私はこの話を聞いて、あることを思い出しました。
その「あること」とはこういうことです。


日本の消費者は、製品に対して、世界で最も
うるさい。だから、日本で売れる製品であれば、
世界のどこでも売れる、という話です。


その考え方を念頭に置いて実施している、
と思ったのです。


ダイソンの製品は高価格ですが、それでも売れる
のは、確固たるブランドを築いているからでしょう。


1点だけ危機感を抱いてるのか、と感じたことは、

「力を入れ始めたのがロボット開発です」

という発言です。iRobotのルンバを意識した発言だった
のかもしれない、とふと思いました。






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