地域で暮らす大人のひきこもり ③ | 宝塚発達心理ラボ <臨床心理士たちの研究会> 情報提供・発達支援・アセスメント・教材研究・不登校・ひきこもり支援

宝塚発達心理ラボ <臨床心理士たちの研究会> 情報提供・発達支援・アセスメント・教材研究・不登校・ひきこもり支援

宝塚発達心理ラボは、地元の臨床心理士たちによる有志の研究会です。日々の学びを地域に還元したいと願っています。学習会・イベントの開催・情報の提供など行っております。

小学生や中学生の不登校と、
おとなのひきこもりがどう違うのか。

学生はとりあえず「学校に行く」
ということが目標になります。

が、大人の場合は「就労」ということが
大きな目標になり、また壁になるのです。

学校ならば、とりあえず保健室登校も可能です。
早退も許されるでしょう。
担任のフォローや
スクールカウンセラーの支援もあるでしょう。

けれども卒業してしまうと本当に何もありません。

社会性やキャリアを
積むことのできなかった当事者は、

社会復帰したくても
履歴書に空欄の部分ができてします。

それが採用への壁を高くします。

そしてたとえ就職できたとしても、
人間関係でつまづき
なかなか長続きしません。

社会性は人と人の中でしか伸ばせません。
その時間が持てなかったひきこもりの方々は、
人との適切な距離がわからなくなっています。

こうした特性や当事者の過去を、
周囲が理解していかないと、
またひきこもる可能性があります。

中高年のひきこもりは、
最近ようやく問題になってきたこともあり、

今までの事例の蓄積があまりありません。
また国の施策も後手後手の印象を受けます。

大人のひきこもりの
正確な人数が掌握しきれない
という状況であっても

実は静かに困っているご家族が
たくさんいらっしゃいます。