M12[バイバイ] M14「メンメ」 M11[人見知り]
子どもは課題ができたときに先生の顔を見ていますか?
大人と子どもが同じものを見ていることを「共同注意」と言います。
子どもが自分の行動の前後に大人の表情を見ることを「社会的参照」と言います。
これらはコミュニケーションの基礎です。
自閉症の早期発見に「共同注意」のある・なしは重要です。これは乳幼児検診でも必ずチェックしています。
課題がうまくできたときに,子どもが先生や親を意識して振り返って顔を見ているかどうかというのはとても重要なことです。
人への気づきがまだない「物―自分」の段階のこどもには,この振り返りはありません。
課題がうまくできたときに先生の顔を見るというのは、「物―ひと―自分」の世界ができたということなのです。
だから先生は課題がうまくできたときには子どもを大いに褒めてあげてください。
自分がやったことで相手も喜んでくれる経験は子どもを大きく伸ばします。
この「物―ひとー自分」の関係を深めていくことはとても大切
です。
V30 指さし の深~い意味
この検査では「共同注意」を見ています。
つまり「自分―ひと―物」の三項関係が成立しているかを見ています。
共同注意は社会性の基礎です。
改訂版乳幼児自閉症チェックリスト(M-CHAT)でも
共同注意はとても重要な質問項目です。
健常のお子さんであれば,共同注意は生後9カ月頃に自然に獲得していきます。
(これはしばしば「9カ月の奇跡」と呼ばれています。)
しかし9か月たっても何パーセントかの子どもは共同注意を獲得していません。
このような追跡調査の結果を自閉症の早期発見早期療育につなげている自治体もあります。
もし、受け持っている生徒に指さしの出現があれば、それはコミュニケーションの土台が育っている証拠です。
共同注意が出現するのと同時期に,大人の顔を見る行動(「社会的参照」)も出るでしょう。
子どもが新しい行動をするときに自分は不安であっても,そばにいる養育者が笑顔であることで,
子どもは大丈夫だと判断して安心して取り組めたりします。
特に年少の自閉症児においては,他の発達障害に比べて共同注意の出現が明らかに遅れるというのは
多くの研究者が報告しています。
でも遅れながらもその子のペースで出現します。
子どものどんな小さな社会性の芽生えにも敏感に応じられる職員集団
でいたいものです。