EM菌の開発者、比嘉照夫先生の講演会@鎌倉に行ってきました。
震災後、2011年にも聴講させて頂いたので2回目になります。
比嘉先生は前回と同じく70代とは思えないお元気さで、溌剌と講演なさってました。
(将棋の加藤一二三 九段と同じ星からいらしてる気がする(´・ω・`)
内容は先生が最初に仰った通り、Webマガジン エコピュア記事(第90~92回)をまとめたものでしたが
◆ EM情報室 WEBエコピュア連載 「新・夢に生きる ― 比嘉照夫」
伺ってきたことを自分なりに整理してシェアさせて頂きます。
1.EM菌活性液について
(※ 「EM菌について」は、最後に私見込みでまとめたいと思います
EM菌の一般的な用法として、市販の原液(EM1)から活性液を作りますが、
◆ EM活性液・米のとぎ汁発酵液のつくり方 (上記サイト内記事へのリンク)
最新の製法では、海水(または同濃度の塩水)に糖蜜等を混ぜて作るよう推奨されています。
比嘉先生ご自身は(海水を汲むのが面倒という理由で)市販の安い精製塩に
農業用に売られているニガリを混ぜて(5ml/L)作っておられるようです。
海水で作ることで、従来は
・ pH3.5以下にするのが作成上のネックだったところ→ 容易に出来るようになった
(塩が雑菌の繁殖を防ぐから
・ 活性液の使用期限が作成後1ヶ月以内としていたところ→ 長期保存が可能になった
(一応発酵力のピークはあるが、それを過ぎても使用に適う
という2点のメリットがあるとのこと。
なお作成した活性液は、今までは(500~)1000倍に希釈していたところ
50倍希釈にして畑地に撒いておられるそうです。
(pH3.5を100倍希釈したらpH5.5、pH的には酸性雨くらいと言えるでしょうか。。
トマトのハウス栽培で、海水を使ったEM活性液を50倍希釈で使うようになってから
下葉が病変したり枯れることがなくなり、ハウス全体が安定したとのことです。
(以上、詳しくは「新・夢に生きる」をご参照下さい。
※ うちの畑では(ここ2年ほど)粗塩を混ぜて作った「米のとぎ汁発酵液」を
500倍ほどに希釈して使っていますが、この夏は(一部)濃度を上げてみます。
2.EM菌の農業利用について
EM活性液を希釈して(水遣りの要領で)撒く、または葉面散布する以外に
EM活性液と米ぬかや生ゴミなどを混和して熟成させた ボカシ肥料・堆肥 を
元肥や追肥として使用することを推奨され、4年前の講義でもそう言われていたんですが、
今はボカシ肥料や堆肥の使用を否定しておられ (※作るなら苗床orプランター用に、と
米ぬか(や、生ゴミ・雑草)を畑に撒いてEMを撒けば 畑ごと堆肥化できるじゃないかと
不耕起・連続混植栽培 を実践なさってます。
石だらけの荒れた、固い土でレタス苗を栽培した実践例を紹介されましたが、
苗を植え付けた後に地表を落ち葉で覆って、鶏糞をばらまいて
活性液を「ざばざば」かけたのだと。そうして育ったものが上記記事
第90回に記載の写真、駐車場跡地のリーフレタス(チマサンチェ)です。
比嘉先生ご自身の畑では、活性液は100L容タンクにどかっと作って
生ゴミもその中に投入、液肥的に利用しておられるそうです。
(十分に発酵されて僅かなカスしか残らないそう
EMを撒けば土が豊かになるうえ、残留農薬消失、塩類集積土壌改善、
重金属汚染土壌も、その重金属を不活性化するということを改めて語られていました。
(そういう微生物も存在する(単離・研究されている)のは事実です。例えば↓
また九州大学でEM菌を使った重金属汚染土壌処理試験が実施され、結果が出ています。
◆ 微生物の代謝を利用した重金属汚染土の浄化(九州大学・pdfファイル)
3.EM菌の放射性物質除去能について
非常に気になるところ(´・ω・`)
比嘉先生はEM菌で放射性物質を除去できると長年に渡って主張してこられ
チェルノブイリ事故後のベラルーシでも、また福島でも、減少を確認したと発表されています。
今までベラルーシ側の公式見解では、
・ EMX・GOLDの飲用で内部被曝を解消できる
・ EM散布により、放射性物質が作物に移行するのを防ぐことができる
この2点は認めたものの、放射性物質の除去に関して言及することはなかったそうです。
そこでベラルーシの国立放射線生物学研究所と共同研究を行ったところ
EM施用でセシウム137が減少するという「不都合な真実」が認められ、
今までネックとなっていた第三者の研究機関による証明がようやく得られたとのことです。
なお講演後の質疑応答で「放射性廃棄物のEM処理は可能か」と質問があったのに対して
10万ベクレル(/kg?)まではEM活性液の散布で放射性物質を処理することは可能、
数百万ベクレルになると(方法により理論上は可能だが)確証がないとのことです。
現在、高濃度汚染汚泥処理試験中なのだけれど、国の認可が下りないため
(地方自治体レベルではダメなんだとか
ボランティアで自腹(年間500万ほど)で実施している状況だとご説明ありました。
4.その他
先生は農学部のご出身ながら、現在は医療や建築、エネルギー開発と
幅広く手がけていらっしゃる(また、それを目指しておられる)ご様子ですが、
そのように転身された原点はやはり「農」の分野にありました。
EMを施用することによって、多収・高品質・連作可能になるうえに
どうしても通常の栽培方法では説明がつかない現象、「限界突破」が起こるのを目の当たりにして
(ミニトマトの花房が2メートルにも伸び、その先にまで花が咲き実がついたり
1回しか収穫できないはずのつるなし作物が2回以上実をつけたり
その理由を「エネルギーがより多く供給されているからでは?」と思い至ったそうです。
環境中のエネルギー量は、現状扱えていないだけで実際はもっと潤沢にあるのだと、
それらを利用可能なエネルギーに変化させる媒体になるのがEM菌であると。
EM菌の 抗酸化力、非イオン化、物質/エネルギー転換(悪いものを良いものへ)
この三本柱が全ての問題(食料、医療、環境、エネルギー・・)を解決する鍵だと確信されて
現在のご活動に至っている― ということのようです。
そしてEM菌、また比嘉先生の信頼度にも大きく影響しているところだと思いますが、
EMは高波動製品との併用で飛躍的に効果が上がること、
また「整流」という言葉を講演中何度も口にされていました。
曰く全ての病気は「電子の乱れ」が原因で、それを「整流」することが大事なのだそうです。
この世の全てが解っているとは言い難い状況ですし (私自身、また『科学』も)
「ない」ということを完全に証明するのも非常に難しい。。
なのでここは「分からないものは分からない」と、ペンディングさせて頂きますm(_ _;)m
番外・EM菌と私。
もう10年以上も前ですが、一応農学部の出身なので
EM菌が「学会」レベルでどんな扱いをされているか、具に見ていました。
でも私はフツーのオバチャンなので、使えるもの・良いと言われているものは
なんでも試して使おうというスタンスで今に至っています。
そもそも微生物の持つ「良いモノを生み出すちから」「悪いモノを消すちから」に魅力を感じたのが
農学部を選んだ理由だったので、「EM」の方向性はほぼ理想です。
(EM菌を使い始めた直接のきっかけは知人から偶々分けて頂いたことでしたが
EMとは「Effective Microorganisms(=有用微生物群)」を略したもの。
「EM菌を信じるか?」みたいな大雑把な議論がなされるのを何度か見かけましたが
私はEM菌の構成員である 乳酸菌・酵母・放線菌・光合成細菌
これらを個々に信じて(?)います。
(っていうかこれを疑い出したら私の農学部生活信じられるものは何も(´・ω・`)
そしてこれらの微生物を環境中に撒くこと、
一般に「微生物添加法(バイオ・オーギュメンテーション)」と呼ばれる方法ですが、
他所で培養した菌を土壌に接種しても「定着しない」というのが定説になっています。
だったら口から食べて腸まで届く乳酸菌はどうなるのかという話ですけど
生きて腸まで届いてもやっぱり腸内に定着することはなく、死滅するか排泄されるか・・
でも生きている間に酸を出して腸内pHを下げることで
腸内に棲む悪玉菌に一矢報いることはできるようです。(それとは別にデトックス効果もありますし
土壌に定着しないのなら遺伝子組み換え菌を撒いても良いんじゃないかとか(※ダメです
カプセルに大量に詰めて直接腸に送られる乳酸菌サプリの是非だとか
この辺つつき出すと個別の話になって収拾がつかなくなるのでここで置きます。
ならEM菌を畑地に撒くことで何故効果が得られるのかといえば、「分からない」のが現状で
唯一の説明が比嘉先生が仰るところの「波動」「整流」というところになっていますが、
ごくごく個人的には、EM菌の代謝物(有機酸やアミノ酸、核酸など)やEMの菌体そのものが
特定の微生物の餌となって増殖を促したり(基質特異的に)代謝経路のボトルネックを解消したり
土着微生物群(や、葉面微生物群)に好影響を与えているのではないかと考えています。
(ヤマカワプログラムの「土のスープ」も同じようなリクツかと。。
◆ ヤマカワプログラム、全国の畑に響き渡る (現代農業より)
これも想像なので、本当のところどうかは分からない。でも効果があるのは確か。
あと、微生物資材といえば、「農業は脳業なり」のフレーズで
独自の微生物利用農法を実践しておられる、能登の農家の西出隆一さん。
西出さんはEM菌は使っておられなくて、その理由に
バチルスが入ってないからと仰っておられたのをどこかで読んだことがあって・・
それもあって 健やかファーム をEM菌と併用していました。
※ 神奈川県内のスーパー等から食品残渣を回収、好気発酵して作られた堆肥。
発酵には内城菌=バチルス主体の好気性菌が使われている。
健やかファーム自体に栄養分が多いので、今はあまり使っていませんが。。
(その代わりというか、バチルスの餌として&防寒兼ねて籾殻敷いてます
ちなみに西出隆一さんは著書を出しておられないので、ネットで検索するほか
ルーラルネットで現代農業の過去記事を単発購入したりしました。
◆ 農文協ルーラル電子図書館 (無料でも記事概要までは読めます
━─━─ ━─━─━─ ━─━─━─ ━─━─
以上、長々ととりとめなく書きましたがEM講演会参加レポでした。私自身試行錯誤の連続ですが、
比嘉先生も試行錯誤なさっていて、日々新たに前に進んでおられるご様子が伝わりました。
微生物の力を借りて、人に・地球により良い在り方を目指すという初心も思い出しました。
試したいことはまだまだあります。この春夏もよく見て、よく学んで、畑しごと頑張ろうと思います。