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三橋貴明の新刊、続々登場! (「歴代総理の経済政策力」予約開始!)
昨日、BS11の「未来ビジョン 元気出せ!ニッポン!」(http://www.bs11.jp/news/960/
)の収録があったのですが(放送は6月上旬予定)、日本国内の「情報の歪み」を解説する際に、「日本の治安は、実は年々、改善している」という話を取り上げました。
収録の中において、
「2009年の殺人事件件数は、戦後最少を更新しました。2010年も、09年の記録をさらに更新し、殺人事件が戦後最少になった可能性が高いと思います」
と発言したのですが、戻って調べてみると、すでに警察庁から発表されていました。
日本のマスコミ(特に、新聞)の取り上げ方が、あまりにも小さく、全く気がつきませんでした。すでに今年の一月には、本件に関連した記事が出ていたんですね。
とりあえず、2010年の殺人事件の件数は、戦後最少を更新しました。毎年毎年、治安が改善していくにも関わらず、
「日本の治安は悪化している! 安全神話は崩壊した!」
などと一般の人々が信じ込んでいる(マスコミのせいですが)「不思議の国、日本」という感じです。
『2011年1月14日 毎日新聞「刑法犯:平成最少158万5951件 10年」
昨年、全国の警察が認知した刑法犯は158万5951件(暫定値)で、平成に入った89年以降では最も少なかったことが13日、警察庁のまとめでわかった。殺人事件は戦後最少を更新した。
刑法犯は02年をピークに減少傾向が続いている。平成に入って最も少なかったのは90年の163万6628件だったが、10年はこれを下回った。殺人事件は09年の1094件より27件(2.5%)少ない1067件で、戦後最少を更新。ひったくりは1万4559件で、前年比4477件(23.5%)の大幅減となった。昨年の刑法犯の検挙率は31.4%で、前年を0.6ポイント下回った。』
※URLは「http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110114k0000m040134000c.html
」ですが、すでにリンク切れ
昨年の毎日新聞は、殺人事件戦後最少(もちろん、刑法犯も対前年比減少)という「慶事」を伝える記事の見出しに、
「コンビニ強盗:景気悪化影響か46%増 警察庁まとめ」
を持って「きやがりました」ので、散々に嘲笑し、
「バカじゃねえの! マジで!」(参照「The Fact」)
という言葉をプレゼントし、あちこちで「毎日新聞の記者は○が変だw」と吹聴して回ったわけですが、今回は比較的まともでした。というか、毎日新聞が「刑法犯:平成最少158万5951件 10年」などとまともな見出しをつけると、逆に戸惑ってしまいます。
まあ、今回は毎日がまともな分、他紙がおかしくなっているようですが。
『時事通信 「わいせつ事件の認知件数増加=昨年の刑法犯-警察庁」
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c0%ef%b8%e5%ba%c7%be%af&k=201101/2011011400103
昨年1年間に全国の警察が認知した刑法犯は、前年比6.9%減の158万5951件となり、8年連続で減少したことが13日、警察庁への取材で分かった。ほとんどの罪種で減少したが、賭博やわいせつなど風俗犯は増加が目立った。
風俗犯の認知件数は7.0%増の1万894件。このうち、強制わいせつは5.1%増の7028件と7年ぶりに増加。公然わいせつも12.5%増の2652件と約1割増加した。
同庁は2009年4月、全国の警察本部に女性や子供への声掛けやつきまといを未然防止するための専従班を設置。不審者の情報提供を呼び掛けるなどした結果、被害の届け出が増え、認知件数の増加につながったと分析している。
刑法犯全体では、殺人(未遂含む)が前年を2.5%下回る1067件となり、戦後最少を更新。ひったくり(1万4559件)や前年に急増したコンビニ強盗(723件)はいずれも2割前後減少した。(後略)』
何ですか? 日本の新聞社や通信社には、治安が良くなった場合、
「可能な限り、悪くなった刑法犯の項目(一昨年はコンビニ強盗、昨年はわいせつ犯)を見出しに掲げ、日本国民に治安が良くなっているという現実を伝えないように」
などの取り決めでもあるのでしょうか。
率直に言って、今年もまたまた「バカじゃねえの、時事通信(笑)」以外の感想が浮かんできません。
というわけで(何で?)、日本の最近の犯罪認知件数の推移です。今年から、警察庁のデータのグラフが格好よくなっているので、そのまま使用させていただきます。
【平成22年1~12月犯罪統計 (認知件数、検挙件数、検挙人員、うち)少年)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_33.html#Hanzai
出典:警察庁
元々、世界で屈指の治安がいい国において、犯罪件数が年々減っていっている。しかも、殺人事件は、戦後最少を毎年更新している。これは凄いことです。
昨年の毎日新聞や今年の時事通信の記事を見る限り、日本のマスコミの報道姿勢(日本の治安が改善している事実を、できるだけ隠そうとする)は本当に奇妙奇天烈としかいいようがありません。とはいえ、現在はインターネットがございますので、この手の正しい情報を国民側で共有していけば済む話です。
まともな報道をしようとしないメディアは、国民に見捨てられるか、あるいは最後の最後でまともな方向に転進するでしょう(さもなければ、単に生き残れないだけなので)。まあ、どうでもいい話です。
それにしても、新聞社の社員も、「治安の良い日本」の恩恵を相当に受けているはずなのですが、なぜこの誇るべき事実を隠そうとするのでしょうか。本当に不思議な人たちです。同時に、時代から取り残されつつある、可哀想で惨めな人たちでもあります。
時事通信の「わいせつ事件」の見出しに呆れ返ってしまった人は、
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