■太陽光発電事業者に立ちはだかる壁、アンケートで判明した電気買取のずさんな実態 | ★実録!太陽光発電投資で月20万円の収入を得る!

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太陽光発電事業者が電力会社との交渉上、不利な立場に置かれていることが明らかになった。自然エネルギー財団(東京・港)が実施した電力会社と太陽光発電事業者間の接続契約の実態についてのアンケートで判明した。昨年7月には、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が導入されたが、その加速にブレーキをかける大きな壁が存在していた。

アンケートは、2月7日から18日にかけて、国内の太陽光発電事業者 252社を対象に行われ、回答は79社から得られた。

アンケートから聞こえる太陽光発電事業者たちの声は、長い時間を費やす上に電力の接続契約を結ぶまでどうなるか分からない不明瞭な手続き、費用を負担するにもかかわらず電力会社主導で工費や工期について交渉できないなど、苦しいものだった。


自然エネルギーの普及・拡大を目的に、2012年7月1日に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は始まった。本制度は、太陽光、風力、バイオマスなどの自然エネルギー源を用いて発電された電気を、国の定める価格で一定期間電気事業者に買い取ることを義務付けるものだ。

発電事業者は、電力会社に電力を買い取ってもらうために、国からの設備認定と、電力会社との協議と契約をこなす必要がある。国からの設備認定は、認定に必要な申請書類を経済産業局に提出した後、その1カ月後(バイオマスは2カ月後)に認定書として発行される。

電力会社との協議(連系協議)には、連系する設備の詳細な仕様・システム設計図の提出と手数料21万円の支払いが必要だ。連系協議の結果は、一般社団法人電力系統利用協議会(東京・千代田)の示す自主ルールに基づき、原則3カ月以内に出る。

協議をこなした上で、発電事業者は電力会社と本申込み(特定契約)を結び、連系にかかわる工事負担金を支払うことで、電力会社に電力の売却ができるようになる。


■ 連系拒否は15件、供給量の制限は28件

今回の太陽光発電事業者に向けたアンケートでは、連系協議の事前相談段階で電力会社から連系を拒否されたケースが15件(20パーセント)に上っていた。連系する電力供給の許容量(連系可能容量)に制限があると回答されたケースが28件(37パーセント)もあった。

法律上は電力会社に接続義務が課せられているものの、例外法にある連系可能容量の制約などを理由にした接続拒否や、大幅な設備容量の縮小要請、遠い連系点への接続要請などによって、太陽光発電事業を断念せざるを得ないケースが多発していた。

事前相談段階では接続可能だろうという話だったが、連系協議に入ったら接続できないという話に変わるというケースも出ている。

接続手続きにかかわる対応も電力会社ごと、営業所ごとにばらつきがあった。連系協議にかかる時間は平均2.6カ月と長く、4 カ月以上経っても電力会社から回答が無いケースも出ていた。

事前相談(平均1カ月)と特定契約(平均1.5カ月)の期間を合わせると、電力の買い取りまでに太陽光発電事業者は半年近い交渉を強いられることになる。


■ 金額や工期の妥当性も確認できない

連系にかかわる工事費用と工期の妥当性に対する不満も出ていた。現状、電力会社が連系工事の費用の見積もりを行い、発電事業者が当該金額を電力会社に支払う形になっている。しかし、ほとんどのケースで工事は電力会社の関連会社が行い、発電事業者側には交渉の余地はなく、金額や工期の妥当性を確認できる仕組みがないのである。

このほか、公道内に送電線の敷設工事をする必要があっても発電事業者側では工事ができないため、電力会社に工事を依頼したが拒否されてできなかったという話や、電力供給開始後に問題発生した場合、発電事業者に追加で費用負担が発生することもあって、事業が安定しにくいという話もある。

契約に至るまで連系の可否や時期が確定できず、システム設計などに費用をかけづらく、事業実施に支障をきたしているなどの声も上がっていた。

こうした発電事業者の厳しい背景のためか、計画していた発電事業を断念する理由に、電力会社との接続に関係するものが60件に上っていた。


自然エネルギー財団の真野秀太上級研究員は、「固定価格制度の議論は買取価格のみに関心が集中している一方で、接続義務について中立的な検証が進められていない。事業可能性を担保する買取価格が設定されても、系統への接続が保証されなければ、自然エネルギーの導入は不可能だ」と訴えている。

さらに、「自然エネルギーの導入拡大を実現するために、政府は系統接続に関する実態調査を行い、『優先接続』(注1)の概念に基づいた系統接続の義務化を確立すると共に、送配電部門の系統のオープンアクセス(注2)、条件の同一化を早急に進め、系統利用の公平化・透明化を実現すべきである」と続けている。

(注1)優先接続:化石燃料など他の発電設備よりも自然エネルギーからの電力を優先して系統に接続すること

(注2)系統のオープンアクセス:電力大口顧客が供給会社を自由に選べる制度