夏の逢瀬 | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

いきなりなのであるが、桃ゼリーが大好きなのである。



「好きな果物は何ですか?」と聞かれたら、「白桃」と答えるほど桃が好きなのである。
しかしながら、白桃はとても高い。
普通1個、200円近くする。ヘタをすると300円近くする白桃もあるのである。
よって、いくら桃好きだといえ、奥様に「桃買ってきて」とおいそれとは頼みにくいのである。
被害妄想だといわれるかもしれないが、なぜか「だったらもっと稼げ」と言われそうな気がしてこわいのである。

だからして、冷蔵庫の野菜室をゴソゴソとあさり、桃なんかが入っていると、気になってしょうがないのである。
うちの奥様は、桃をきれいにむいた後、りんごと同じように小さく切ってつまようじで食べられるようにしてくれるのである。
そして、朝、食卓に出されることが多い。
しかしながら、我が家では、子供たちの方が早起きなのである。
つまり、子供たちが食べ残したときのみ、私は桃を食べられるわけである。
中学生のころの子供は、朝なかなか朝食を食べない。
食卓でほとんどいつも寝ている。
ところがである。
なぜか、桃だけはしっかり食べるのである。
では、私がその日の朝に桃が出たことがなぜわかるのかといえば、野菜室に桃がなくなって、生ゴミ入れに大きな種が一個残っているからなのである。
というわけで、私はこんなに桃が大好きなのにもかかわらず、よく食べそびれるのである。


そんなさなか、コンビニで見つけたのである。桃ゼリー!

フルーツゼリーシリーズは、最近とてもすばらしい。
いろんな果物がゼリーの中にリアルに入っているのである。
桃ゼリーなんか、桃ゼリーの中に眠っている桃はまさに桃そのものなのである。
ぶどうゼリーやグレープフルーツゼリーも同様、まるでカットフルーツを食べているがごとく、とてもおいしいのである。


だからして、出張のときの夜のデザートは、ついつい桃ゼリーになってしまうのである。
私は、年間100日以上、出張があるのである。
そして、この夏、特に8月は出張ばかりしていた。
そして、さびしい出張の夜、この私を慰めてくれたのが桃ゼリーであった。


8月の初旬、温泉チームで温泉旅行に行った折、メンバーの一人がどうもウィルス性の胃腸炎にかかったようで、温泉地でダウンしてしまったのである。
温泉地にもかかわらず、夕食もとれずに部屋で寝込んでしまったのである。
「いくらなんでも何か食べないと元気が出ないわよ」と温泉メンバーの一人が彼女に声をかけたものの、食べるものがないのである。
温泉が出るところは、ものすごい山奥が多い。
そして、ここも、ものすごい山奥だったのである。
山奥の温泉地ゆえ、もちろんコンビニなどはないのである。

そんなとき、私が夜食用にと夕方買っておいた桃ゼリーが、病人用の唯一の食料として目をつけられてしまったのである。
断腸の思いで、提供した。
さすがに昼から何も食べていなかったせいか、「おいしいおいしい」といって桃ゼリーを全部食べてくれたのである。
しかし、5分後、トイレで全部もどしてしまったのである。
どうか、私の気持ちを察していただきたいのである。

そんなこんなで9月2日、私は東京の出張でゆうぽうとに泊まっていたのである。
無料説明会を終えてホテルの部屋に帰り、夜食用の桃ゼリーを買うべく、いつものファミマに行ったのであるが、なんと桃ゼリーがないのである。
「ちっ」さすが桃ゼリーは売れ行きが早い、と思い、セブンイレブン、ampmとコンビニをはしごしたのであるが、桃ゼリーがないのである。
そして、最後のコンビニで聞いたのである。
「桃ゼリーないですね」
すると、店員さんが、すごいことを言うのである。
「はい、桃ゼリーは8月いっぱいで終了しまして、9月1日からは、なしゼリーにかわりました」
はっきり言う、なしはゼリーで食べるより、普通に食べた方がおいしいと思うのである。


夏の終わりとともに、突然、桃ゼリーは私の前から去ってしまったのである。

また来年の夏の逢瀬まで、プリンちゃんや、杏仁ちゃんと浮気をしながら私はすごすのである。