2010年06月06日(日)

マイホームは結局国のもの:今年も来たショバ代の請求書

テーマ:経済・社会

太田 忠 様

平成22年度 固定資産税・都市計画税 納税通知書

次の税額を納付してください

合計税額 ¥○○○,○○○


先週、郵便物の中にかような支払通知書が紛れ込んでいた。都税事務所から発送された固定資産税・都市計画税の請求である。


ちょうど半年前に「持ち家か賃貸か、一生後悔しないために留意すべきこと 」というブログを書いた。かなり反響が大きく、今でも毎日キーワード検索によって読まれている記事である。その時、私はこう言った。


「毎月お金を払っても賃貸ならば自分のものにならないが、持ち家なら自分のものになるので得だ、という世間一般の迷信に惑わされて持ち家を買える条件を満たしていないにもかかわらず安易に買ってはいけない」

「その条件は5つある」

「ローンを組んでいるのならば、最後の返済が終わるまでそれはマイホームではなく銀行の所有である。マイホームなどでは決してない」

「持ち家を所有しても、結局は賃料の支払いから逃れることはできない。国からショバ代としての固定資産税が毎年請求される」


ということで、「持ち家=自己所有」というのはかなりの部分が幻想であり、賃貸の優位性を述べた。


私は昔から一貫して賃貸派であったが、持ち家取得の条件が揃ったために40歳のときに初めて持ち家を取得した(裏を返せば、条件が揃っていなければ今も賃貸であったということだ)。我が家のローン返済は終わっており、世間一般の考え方からすれば「持ち家なので、もう住宅費用が一切かからなくていいですね」ということになるだろうが、全くそんなことはないというのが実感だ。都会ならばワンルーム、地方ならファミリーが住める賃料に匹敵するショバ代を請求されるのみならず、結局持ち家というのも所詮は国のものであり、それを仮住まいさせてもらっているだけのような気がする。


家族が住むためだけの純粋な居住用ならば、土地・建物の登記に関わる際の税金、不動産取得税を納めればそれで十分に国に対して税金を支払ったことになると思うのだが、毎年ショバ代が請求されるのは腑に落ちない。これが商業用として収益を目的とする不動産ならば理解できる。しかし、居住用も同じ扱いだ。


それともう一つ、固定資産税の計算が路線価に連動している点も納得いかない。不動産価格の上下は不動産を商売としている人々やその時その時の不動産を取得する人に対して影響を及ぼすのならば分かるが、すでに長年住んでいる純粋な居住用としての不動産の固定資産税が不動産価格の応じて変化するのはたまったものではない。毎年公表される公示地価をみて「自分の住んでいる土地の値段が上がった=持ち家の値段が上がった」と喜ぶ人をたまに見かけるが、それは固定資産税が上がるということであり、本来ならば悲しむべきことである。居住用以外に不動産を持っているのならば、その物件を売却すれば大きな利益を獲得できるが、居住用不動産しかもっていないのであれば、それを売っても周りの不動産も上がっているので、相対的に有利というわけではない(都会から田舎に移り住む、などのケースは別だが)。


加えて、相続税の支払いの際に不動産を国から没収されることも起こる。結局、稼いだお金の多くの部分をつぎ込んで取得した「マイホーム」の所有者は国である。


それにしても賃貸はいい。自分のライフスタイル、所得の状況、に応じて住む場所を自由に変えることができる。ショバ代はないし、設備が故障すれば大家が負担してくれる。それだけではない。最近、急増している騒音などの近隣とのトラブルが起こった際、最悪自分たちが出て行けばよい。しかし、これが持ち家だとそんなわけにはいかない。


「マイホーム」という概念は純粋にはどこにも存在しない。


太田忠の縦横無尽 2010.6.6

「マイホームは結局国のもの:今年も来たショバ代の請求書」

        **太田忠投資評価研究所のHPはこちら**



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