「イブセキヨルニ」公開初日・いわゆる「都構想」投票まであと1日 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

ブログタイトルで並べてますが、「イブセキヨルニ」はいわゆる「大阪都構想」だけに関連する作品ではありません。
なので、並べない方が予断を持たれないためには適切と思いますが、関連しないとは言えないの並べてます。

他にどんな並べられそうな問題があるか考えてみると… キリがないのでいちいち出来ません(>_<)

さて、初日なのでTwitterの感想をリツイートしてみようと自宅仕事だったので始めたんですが、予想外にかなりの分量になってしまい。
賛否両論、ボクが共感する・共感しない、都合が良い・都合が悪い…に関わらずリツイートしたら、ものすごい分量になってしまった。
驚かれた方がたくさん居たのでは?と思います。
ホントにすみません。

土日もこの感じだとすると時間は絞って、ツイートも選ばないといけないでしょうね。
賛否両論リツイートのスタンスは変えないつもりです。

なぜなら、賛否両論でもって完成する作品になるのが原作の「顔のない独裁者」であり、その側面に忠実に構成したのが「イブセキヨルニ」だからです。


ツイートで指摘された方もいますが、いわゆる「大阪都構想」の投票日の直前に公開されたのはスゴイことだなぁ~と思わずにいられません。
前回も書きましたが、「都構想」と関係なく原作を選んだわけで、投票日の直前になったのも偶然なんですよね。
解説番組の「同トレス」にこの問題で精力的に言論活動をしている藤井先生をお招きするのも、作品の中身についてお話して頂ける数少ない専門家だと考えたからです。

何しろ、都市計画から社会心理学、哲学まで広く研究されている方ですからね。
これらの一見無関係に思える要素は「人間の営みについて」という意味で濃厚な関連があるのだと経済を勉強し始めて少しずつわかるようになりました。

けっこうアニメを観られていて、映画について分析されていることもあるので、「イブセキヨルニ」をどうご覧になったのか伺いたいと思います。


中身からかけ離れた言葉が飛び交う、いわゆる「大阪都構想」現象
藤井教授が提示した「7つの事実」から始まって、現在まで「何が真実か?」次第に明確になってきていると思います。
【藤井聡】大阪都構想:知っていてほしい7つの事実
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/

最初で最大のものは
「都構想」の住民投票で「大阪都」は実現しない、こと。
と同時に
「都構想」が可決されると「大阪市」が消滅する、こと。
です。

「大阪市が消滅する」という事実には様々な行政的な意味が生まれます。
上記リンクの「7つの事実」を読んでいただきたいんですが、ジャーナリストの岩上安身氏がロングインタビューを公開していて、これがとても良いと思います。
2015/05/15 「このままでは大阪全体が沈没する!」 住民投票が迫った「大阪都構想」のトンデモぶりを嘲笑う!~岩上安身による京都大学大学院教授・藤井聡氏インタビュー(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/245602

藤井教授が一人で話しているものが濃厚なのはもちろんですが、くだけた雑談も許容しつつリードしている岩上氏が巧くて、藤井教授のおちゃめな面も出て楽しく聴けるインタビューになっています。

2時間の長い動画ですが、ラジオを聞く感じで大丈夫だと思いますよ。


「都構想」推進しようとしている橋下市長側の論調は、もはや論評するものがないくらい、大阪市の未来の話からかけ離れてしまっています。
出してくる数字は粉飾。
「とにかくやってみよう!」みたいな無責任な白紙委任要求。
今の(歴史ある)大阪を悪者にして、良くするには「都構想」でぶっ壊すしかないんだ、と考えることを止めさせようとする言葉、「煽り」が目立ちます。

「都構想」に賛成している青山繁晴氏(賛成の理由をよく聞けば、今回の「都構想」を決めようとする必要はないのでは?と言っているようにも思えますけどね。方法は他にたくさんあることを青山氏なら即座に見抜けるから。)ですら、議会が橋下氏のやり方に付いていけなくなっていることなど批判的に話しておられたくらいです。

大阪を良くしたいという市民の善なる気持ちが、橋下氏の政治的な欲求実現に利用されていると言わざるを得ない。

もはや「都構想」そのものすらどうでも良く、「悪」と戦う自分を演出したいのではないか、と。
賛成派と「悪を叩く」共依存を強化しようと躍起になっているように見えます。

そんなんで大阪市を消滅させて、政令指定都市の権限を失い防災を始めとする命にかかわる行政が弱体化する「都構想」に賛成票を投じるのは、やはり論外なのです。


藤井教授や約130人の学者の批判に根拠を示した反論ができないまま、次々と粉飾した実績や机上の根拠なき将来設計を振りかざすさまは、滑稽ですらあります。
ギャグですよ。


「イブセキヨルニ」の登場人物が、もし滑稽に見えるとしたら、これも関連する一つの側面なのだと思います。