リスペクトとオマージュ(上) | モノゴトをオモシロくスルドく見る方法「かふてつの方丈記 」

モノゴトをオモシロくスルドく見る方法「かふてつの方丈記 」

  
How to look everythings essentially
or
Everythings gonna be alright

今更ですが、「ジュラシックワールド」を見ました。

「ジュラシックパーク3」がつまらなかったので、公開当時見損なってしまい、今更BDにて見たのです。
 
そしたら、面白かった。
 
 -*-
 
特典映像で監督のコリン・トレボロウがこんな事を言っていました。
 
劇中、イルカショーのようなモササウルスショーが描写されており、この中で餌である大鮫にモササウルスが水面から飛び上がって食らいつくシーンがあります。


これは、「ジョーズ」であれほど恐ろしかった鮫に対し、それを遙かに上回る恐ろしさを恐竜が持っていることを示しています。


しかし、”これは「ジョーズ」の否定と受け取られかねないと”コリン・トレボロウは危惧します。そこで事前にスピルバークに相談し、スピルバークに理解して貰った上で映画化したと、コリン・トレボロウは語ってました。
相談の内容は語られていませんが、「これはジョーズの否定では無いこと」、「ジョーズを踏まえた上で、恐竜の更なる恐ろしさを強調する物であること」等と思われます。


これは、コリン・トレボロウが「ジョーズ」をリスペクトし、オマージュとしてこのシーンを作った事を意味しています。
 

 -*-
 

また、ちょっとネタバレになりますが、
 
この作品のヒールはインドミナス・レックスという恐竜です。

 

これはバイオテクノロジーによって人為的に開発された最凶・最悪な恐竜で、案の定 制御不能となり、暴走し始めます。(これも倫理を欠いた科学により作られた怪物という、本家「ジュラシック・パーク」の延長線上にある存在で、ここにも本家へのオマージュを感じます)。

最後は、人間、ヴェロキラプトル、T-REXが共闘してインドミナス・レックスに戦いを挑みます。これは感動的な光景です。

しかし、これは共通の敵に対峙しているが故にたまたま共闘関係となっただけで、ヴェロキラプトル、T-REXは決して「正義の味方」にはならないよう配慮されています。

 

共闘関係にあっても、人間にとってはヴェロキラプトル、T-REXはやはり恐ろしい恐竜なのです。
 
 -*-
 
これは、明らかに本家「ジュラシック・パーク」をリスペクトし、オマージュとしてこの作品を作っているということだ思います。

 

この「リスペクト感」「オマージュ感」をきちんと踏まえているからこそ、「ジュラシックワールド」は面白いのだと思いました。(傑作かと言われると話は別。でも面白いとは思った)
 
(続く)