施工した前田建設が、「シート自体も固形物の保管で使用されているが、水を入れた実績はなかった」と言うように、放射性汚染水の貯水槽に遮水シートを利用する設計に最初から無理があったのではないか?

 東電としては、「いずれ海に捨てるのだから」取り敢えず水漏れが目立たない程度ならOK?位に考えて
造ったのだろうが、誤魔化すにはチョット漏れた量が多すぎたようだ。

 移送先の貯水槽も水漏れを起こしたようだが、構造的欠陥からすると、おそらくは残る5つの地下貯水槽の使用を続けたい東電の淡い期待を裏切り、無事な貯水槽はなく全滅という結論になるだろう。
 
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 Yahoo!ニュースより
<福島第1原発>貯水槽の漏水…設計ミスか、施工ミスか
【東京電力福島第1原発の地下貯水槽から放射性汚染水が漏れた問題で、設計した東電と施工した前田建設工業(東京都千代田区)の間で、原因をめぐる見解の食い違いが目立ってきた。「ため池などで一般的な実績はある」と主張する東電に対し、前田建設は「通常はやらない設計」としている。一連の汚染水漏れは、設計ミスか施工不良が原因の可能性が浮上するとともに、両社で十分な検討が行われたのかも問われそうだ。【中西拓司、岡田英】

今後も最大47トン漏れる可能性】福島第1原発の地下貯水槽

 東電は現時点の原因として、貯水槽のシートに漏水検知用のパイプを貫通させて運用していたことを挙げている。水の重みでシートが下に引っ張られ、隙間(すきま)ができて漏水する可能性がある。この方法について、前田建設は8日夜、毎日新聞の取材に対して、「通常はやらない設計」と指摘した。

 貯水槽は内側から1、2枚目はポリエチレンシート(厚さ1・5ミリ)、3枚目はベントナイト(同6・4ミリ)という、いずれも防水シートを使っている。漏水検知用パイプは、2枚のポリエチレンシートを貫通し地表に突き出している。

 前田建設によると、漏水検知用パイプは通常、シートを貫通しないよう設計する。貯水槽の場合はパイプ下部のシートが水の重みで引っ張られて隙間ができる欠点があり、同社担当者は「通常は貫通するように設計しない。シート自体も固形物の保管で使用されているが、水を入れた実績はなかった」と指摘した。一方、同社は昨年11月ごろ、東電担当者とともに水張り試験を実施したが、漏水はなかったとしている。

 東電は現在、こうした構造が漏水の原因とみて、パイプ周辺を改良し貯水槽を継続利用する方針。しかし7基とも同じ設計のため別の問題があれば新たな対応を迫られる可能性もある。

 東電は「貯水槽のような構造は農業用ため池などで使用実績がある。パイプ構造も汚染水の水面より上にあり、問題ないと考えていた」とコメント。設計・施工段階でどのような協議があったかについて、前田建設は「調査中」としている。】

福島第一原発、別の貯水槽でも汚染水漏れ
【福島第一原発の地下貯水槽で汚染水漏れが続いている問題で、東京電力は9日午後、汚染水の移送先の別の貯水槽からも汚染水が漏れていると発表した。

 新たに汚染水が漏れたのは、最初に漏れた2号地下貯水槽から汚染水を移送していた1号地下貯水槽。1号貯水槽では9日午後、防水シートの間の水から一立方センチあたり1万ベクレルの放射性物質が検出され、東京電力は、1号貯水槽でも汚染水が漏れていると発表した。

 地下貯水槽からの相次ぐ汚染水漏れを受けて、東京電力は、2号貯水槽と1号貯水槽に入っている汚染水を全て地上のタンクに移送することを決めた。しかし、地上タンクだけでは汚染水の貯蔵容量が足りなくなるため、残る5つの地下貯水槽については今後も使い続ける方針。

 汚染水の貯蔵計画の見直しは待ったなしの状況となっている。】