ヨウ素被ばくを測定する装置は「モニターは重く運搬が困難」と、実測出来なかったため、
昨年4月体内に残っていたヨウ素131を基に、1カ月前の3月12日の1日で吸い込んだと仮定して
<成人最大87ミリシーベルト>と試算した弘前大床次真司教授。

※ 当時、車載移動式機器が日本には百台

 この時、精度を上げるために床次教授はより多くの人を調べようとしたが、県の職員に調査を妨害されたという。

 ところが、今年1月には、
「ヨウ素被ばく0.2~4.6ミリシーベルト」?「健康的な影響は極めて小さいのではないか」?と発表、
この間 床次教授に何が起こったのか?

 <87ミリシーベルトの重度ヨウ素被ばく>から、<軽度被ばくの0.2~4.6ミリシーベルト>と、
180度違う計算結果。なぜ、人権派医師?から御用医師へと、身を崩した?のだろうか?

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 河北新報 2012年04月21日
 神話の果てに 東北から問う原子力
第2部・迷走(3)怠慢/ヨウ素被ばくを看過

【<安心感得られず>
 東京電力福島第1原発事故で福島県浪江町から宮城県に避難する男性(35)は1月、いわき市の病院で家族の体内被ばく量を検査してもらった。幸い長女(6)と次女(3)からは検出されなかったが、安心できない。

<「運搬できない」>
 ヨウ素131はウランの核分裂によってでき、甲状腺に蓄積する。原発事故で環境中に放出された場合、セシウム137(半減期約30年)とともに、最も警戒しなければならない放射性物質だ。
 昨年3月末、国はいわき市と福島県川俣町、飯舘村に住む0~15歳の約1100人を対象に、甲状腺被ばくの簡易調査を実施した。基準を超えるケースはなかったとされたが、実は使用した測定機にヨウ素の量を特定する機能はなかった。

 原子力安全委員会は政府の原子力災害対策本部に、甲状腺モニターを使った追跡調査を提案したが、実行されなかった。「モニターは重く運搬が困難」「本人や家族、地域に不安を与える恐れがある」との理由だった。

 「事故当初のヨウ素被ばく量が含まれていないから」と男性は言う。
 放射性のヨウ素131の寿命は短い。その量は8日で半分、1カ月で14分の1、3カ月過ぎると2435分の1…。時間がたてば測定機の検出能力を下回り、確認できなくなる。

<成人最大87ミリシーベルト>
 体内に残っていたヨウ素131を基に、1カ月前の3月12日の1日で吸い込んだと仮定して試算すると、甲状腺に与えた放射線の影響(等価線量)は成人で最大87ミリシーベルトにもなった。その数値を1歳児に単純換算すると700ミリシーベルトを超える。もちろん外にいた時間や空中のヨウ素濃度によって、この数値は大きく変わる。

 精度を上げるために床次教授はより多くの人を調べようとしたが、調査は5日間だけだった。県からやめるよう求められたという。
 線量がピークだった昨年3月中旬のヨウ素の濃度を知るデータは、ほとんど残っていない。床次教授は「追跡調査を行わなかったり、データを蓄積しなかったりしたことがかえって、住民に不安を抱かせる結果になっている」と指摘する。】一部抜粋

 河北新報 2013年01月12日
原発事故・放射線
ヨウ素被ばく0.2~4.6ミリシーベルト 浪江

【弘前大被ばく医療総合研究所の床次(とこなみ)真司教授のグループは11日、福島県浪江町の住民の福島第1原発事故で放出された放射性ヨウ素131による被ばく線量が、0.2~4.6ミリシーベルトと推定されると発表した。

 国際原子力機関が甲状腺がんを防ぐため安定ヨウ素剤を飲む目安とした50ミリシーベルトを大きく下回り、床次教授は「被ばく線量が増えればリスクは増えるが、健康的な影響は極めて小さいのではないか」と話した。

 調査対象は2011年7月11日~8月31日、日本原子力研究開発機構(JAEA)や放射線医学総合研究所(放医研)のホールボディーカウンター(WBC)で測定した0歳~60代の2393人。

 ヨウ素131は半減期が短く、事故後すぐに測定しないと被ばく線量が分からない。浪江町民の被ばく線量もほとんど不明だったため、昨年11月、2393人のうちセシウムが検出された399人について分析した。

 床次教授らは11年4月12~16日、浪江町と南相馬市の計62人の被ばく線量も測定。うちヨウ素とセシウムを検出した5人のデータから、セシウムに対するヨウ素の比率を求め、浪江町民の被ばく線量を計算した。

 62人のうちヨウ素が検出された46人の被ばく線量の中央値は4ミリシーベルト(最大33ミリシーベルト)で、床次教授は「推定値と大きな差はなく、信頼できる結果になった」と説明する。
 弘前大は来月以降、被ばくによる染色体の異常の検査を希望者に実施するという。】