中山研究室・原発と放射線より
 【ミリシーベルトは被害者数

 ミリシーベルトの数字を見て危険性を判断できるようになれば、これからは断片的な報道に振り回されることなく自分で考えられるようになります。通常の自然界と同程度の放射線量なら問題ないので心配することはありませんが、それ以上ではミリシーベルトとは放射線が健康に与える影響です。

 端的に言えば『年間何ミリシーベルトという数値は、被曝した大人1万人のうちで発ガンする人数の増加』なのです。例えば100ミリなら1万人で100人発ガンします。

 発ガンによる死亡数は、低い被曝では治療で助かることがあるので死亡率は50%、高い被曝では100%になります。低い被曝とは一般には低線量被曝と呼ばれる100ミリシーベルト以下を言います。低線量被曝とはすごく高くはないという意味であり、実際は安全ではありません。

 そして100ミリシーベルトを超える放射線では、すぐに具合が悪くなるなどの短期的な影響も出てきます。250ミリシーベルトで白血球減少、1000ミリシーベルトで急性放射線障害などです。

 高線量被曝では、年5千ミリシーベルトを被曝すれば1万人につき5千人が発ガンします。高線量での発ガン後の死亡率は100%なので、5千人全員が死亡します。倍の1万ミリシーベルトならだれも助かりません。

 しかし100ミリシーベルト以下では短期的な影響がないのをいいことに『ただちに健康に影響はありません』と発言する政府を支えているのが、産科婦人科、小児科、放射線医療科の医師です。

 学会・医会の正式見解で一般国民100ミリ、乳児5ミリ、妊婦100ミリは安全としています。しかし自分たちの労働環境は放射線を扱う時には線量計を身につけて、妊婦は2ミリ以内で女性も安心して働けるのです。

 AppendixのPDF版『B.子供を守らない医者・P115』に詳細。

 年100ミリは低線量なので1万人につき発ガンが100人(1%)で発ガン死亡は半数の50人(0.5%)増加します。すでに放射能汚染が広がっている東北と関東の人口は1万人の5千倍で5千万人もいるのです。

 もし年100ミリシーベルトの被曝をしたら発ガンは100人の5千倍で50万人となり25万人が死亡します。年20ミリの場合には1万人につき発ガンが20人で死亡が10人ですが、これも被曝者が5千万人なら発ガン10万人、死亡5万人です。政府基準で全国が汚染されたら被害者はその2倍を超えます。

 しかも上記は大人の場合です。子供の場合は成長過程で細胞が急速に増えるので大人よりも放射線の影響を大きく受けます。そのため子供の発ガン率への影響は大人の比ではありません。

 年齢にもよりますが、子供の発ガン率は大人の5倍近くになり、特に女児は男児の2倍近くの影響を受けます、胎児は妊娠の時期によってはさらに大きな影響を受けます。ですから子供たちを考えると被害者数はさらに膨らむのです。】

 なんとも怖い話だ。
1ミリシーベルトで100万人に1人がガンで死亡するなら、福島原発の吐き出した放射能は、いったい何人をガンで死なせるのだろうか?

 放射能は、ガン以外の健康被害も起こすだろう、チェルノブイリでは、たくさんの子供たちが小児ガンに罹り、亡くなっている。放射能に筋組織が犯され、心臓疾患で苦しんでいる方も数多くいると、テレビの特集で言っていた。事故の収束にあたった作業員の殆どは、高線量被曝で亡くなったとも言われている。

 政府は、放射能の影響を過小評価し、放射能汚染地帯に住民の方を住まわせ続けたり、放射能汚染食物を全国に流通させ、日本中の人に食べさせたり、放射能汚泥で肥料やコンクリートを作らせたり、放射能瓦礫を全国の自治体に押し付けて焼却させたり、人間として許されない事を平気で行っている。