自宅ゲーム会81 後半 アストラン 他  | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成29年6月18日

 

 引き続き3人でのゲーム会ですが、「シャングリラ」に続きコロヴィーニ氏のタイトルをプレイします。

 

☆アストラン

○概要

作者:レオコロヴィーニ

対象年齢:13歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60分程度

 

 アストランの地で競い合う部族の長となり、部族を繁栄させることを目的としており、毎ラウンド選択するパワーカードにより正体隠匿をしつつの陣取り系ゲームです。

 

①ラウンドの最初にパワーカードを1枚選択します。パワーカードにはこのラウンドの得点計算対象となる地形、戦力がかかれています。

②手番になるとコマを1つ任意のエリアに配置し、同時に既に配置されているコマを1つ隣接するエリアに移動させることが出来ます。手番順にラウンドに応じた数のコマがなくなるまで繰り返します。

③全てのコマが置き終わり、この時点で複数のプレイヤーが同じエリアにコマを置いていれば紛争となります。

④紛争ではエリアごとに「コマの数」×「選択したパワーカード」で戦力を比較し、多いほうが勝者となります。勝者はこの紛争を「戦闘(相手のコマを取り除く)」か「協調(相手のコマを残し、繁栄カードを引く)」のどちらで解決するかを選択します。

⑤紛争が終わると、得点計算を行います。連続して自分のコマが配置してあるエリアを一塊としてみて、この中に選択したパワーカードに示された地形があれば得点となります。

⑥5ラウンドが終了した時点でゲーム終了となります。終了時の得点に、使用しなかったパワーカード(6枚あるので1枚は使用しない)に応じたボーナス、繁栄カードによるボーナスを加え、最も得点の高いプレイヤーの勝利です。

 

○プレイ経過

 管理人赤、やま青、ちい黄で早速準備をしてゲーム開始です。

 

 1ラウンドが終了したところです。このラウンドはまだまだ土地に余裕があったこともあり、お互いほとんどエリアが被っていない割に、やまと管理人は「パワー9(最も高いパワーカードで、地形は都市、終了時まで持っていると20点)」を使用していますが、これはもったいなかったですね。

 得点的には都市をより多く押さえた管理人が少し抜け出していますが、紛争も協調で解決しており、非常に平和なラウンドといった感じです。

 

 2ラウンド目になるとコマも増え、領地争いも激しくなってきます。このラウンドではボード中央あたりでちいと管理人が競り合う形となります。

 

 2ラウンド終了時です。畑を狙った管理人は手広く狙いすぎたこともあり、重要ポイントをちいにとられ思ったほど得点が伸びません。一方のちいも管理人にコマを減らされ一部が分断されたりといった感じです。

 そんな中、紛争地から離れた場所に陣取っていたやまが悠々と得点を重ね管理人は逆転されます。

 

 続く3ラウンドです。2ラウンドに手広くやりすぎた反省をもとに管理人はコマの集中を画策します。また、2ラウンドで一人悠々と得点していたやまの領土に対し、管理人とちいが攻勢をかけるかたちとなっています。

 

 その結果、このラウンドだけで10コマを失いやまが失速します。管理人もコマを集中したせいで得点としては大きく伸びず。そんな中、ボード奥側で領土を広げ得点を稼いだちいが今度はトップになります。

 

 4ラウンド目になるとかなり住み分けがされてきた感じですが、微妙に国境辺りでは紛争が行っていますね。

 

 このラウンド、管理人がちいの領土を奪い分断したことでちいは思った以上に得点が伸びません。今度は、3ラウンド目に一旦凹んだやまが、「ラフトとカヌー(湖を挟んだ両岸の土地をつながっているものみなす)」という繁栄カードを使い、自分の領地を完全に一つの領地としたことで大きく得点を伸ばします。

 

 最終ラウンドです。管理人は森の地形を確保するためやまの領土に踏み込みますが、一方のやまは領土を分断するようにコマを動かします。

 

 紛争を解決し最後の得点計算となります。結局管理人の領土は分断されてしまいましたが、こちらも「ラフトとカヌー」を使用して湖で分断された領土をつなげ一つの大きな領土としたことで、得点につながり逆転します。一方、やまは前のラウンドで分断されていた領土をうまくつなげられず得点は伸び悩み、ちいはちいで思ったより広大な領土を確保(奥の領土は全てつながっています)している割に、同一地形が少なかったのが惜しいところです。

 

 最後に残ったパワーカードを確認するとちいは「9」、やまが「8」、管理人が「7」という結果で、それぞれボーナスを得点に加えますが、何とか管理人が逃げ切り勝利となります。

 

○評価

 陣取り系のゲームですが、毎ラウンド選択するパワーカードの駆け引きが悩ましいゲームですね。当然、パワーが高いものほど争いでは有利になりますが、どのカードもゲーム中1回しか使用できませんし、最終的に使わなかったカードはボーナスとして得点化(特に最強の9は20点と1ラウンド分に匹敵するくらいかなり大きい得点)するため、どれを残してどれを使用するかは難しいところです。

 面白いのはパワーカードによりパワーだけでなくそのラウンドに得点化する地形も選ばれるというところでしょうか。このため、パワーカードにあわせた地形の確保及びその地形を含んだエリアの接続というのが必要で、プレイヤーの動きがどのパワーカードを選んだかのヒントになってきます。手番にはコマの配置にあわせ、コマの移動を行うため、この辺をうまく使ってブラフをかけ狙いやパワーがばれないようにすることも必要です。ちなみに、コマの配置数しかコマの移動はできないため、手番手番にすることは簡単ながら配置はかなり考えさせられますね。

 あとは勝者が協調の選択が出来るというのも特徴的です。パワーカードのパワーにコマの数を掛けたものが戦力となるため、相手のコマが少なくなるに越したことはないのですが、あまり敵対心を持たれて過ぎても逆の立場に立った時に厳しく、繁栄カードというボーナスもあるため共存という選択肢も十分ありえます。戦力の少ないプレイヤーがエリアから得点を受けとれるため状況には注意が必要ですが、この辺の駆け引きは交渉みたいな感じもあり、これはこれで面白い要素だと思います。まあ、順位やエリアの重要性によっては問答無用となるかもしれませんがw

 で、気になる点ですが、協調が「可能」ではありますが自分がしたからといって相手に協調を強制することもできませんし、戦闘が完全に個人攻撃となるのでこういった要素が苦手な方には少し辛いかも知れません。あと、協調により受け取れる繁栄カードの効果にそれなりに強弱があるのも少し気になるかな。

 とはいえ、パワーカードの選択という正体隠匿の要素を取り入れた陣取り系のゲームとして、他プレイヤーとの駆け引きも多く、コマの除去という直接攻撃要素さえ気にならなければとても面白いゲームだと思います。

 

 

☆トリックオブスパイ

○概要

作者:川崎晋

対象年齢:歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:30分程度

 

 各国の諜報員となって世界情勢を左右する機密情報を探り合うというテーマになっていますが、内容はノンテーマに近い感じで、1枚だけ伏せられたカードを予想するという推理の要素に、予想する権利をトリックテイキングで決めると、推理とトリックテイキングを組み合わせたゲームです。

 

①ラウンド毎にカードをシャッフルし、各プレイヤーに配布します。残った3枚のうち2枚は場に公開し、最後の1枚を伏せておきます。

②スタートプレイヤーが任意の手札を1枚プレイし、他のプレイヤーは「同じスートのカードがあればその中で任意のカード」を、「同じスートがなければ任意のカード」を1枚プレイします。

③全員が1枚づつプレイしたところで勝者と敗者を決定します。全員が同じスートであれば「最も数字の高いプレイヤーが勝者、最も数字の低いプレイヤーが敗者」となりますが、違うスートが混じっている場合「最も強いスートで最も高い数字のプレイヤーが勝者、最も低いスートで最も低い数字のプレイヤーが敗者」となります。

④勝者と敗者は伏せられたカードが何か推測し、「スート」「数字」「カード(スートと数字)」のいずれかにコマを置き賭けます。

⑤これを繰り返し手札が1枚になったらトリックは行わず、残った手札と伏せられた手札を公開します。コマで賭けた「スート」「数字」「カード」のいずれかが当たっていれば賭けた場所に応じたチップを受け取れます。

⑥ラウンド終了時最もチップが少ないプレイヤーは協力者を1コマ受け取れます。協力者はコマを配置する際に使用でき、賭けが当たった際のチップを倍にします。

⑦人数分のラウンド行い、最もチップの多いプレイヤーが勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人赤、やま青、ちい黄でゲーム開始ですが、こんな感じでお互いがカードをプレイするごとに場に使用したカードを配置していき徐々に伏せられたカードの候補が絞られていきます。

 ちなみに3人プレイの場合は各スートの1、2のカードは使用しません。

 

 最初のラウンドは、青の「9」が伏せられたカードでやまが「スート」と「カード」を的中させチップを受け取ります。

 

 続く2ラウンド目に伏せられていたのは「赤の7」。このラウンドは「赤の9」、「白の3」と最も強いスート(スートの強さは赤>青>白とボードの並び順)の最強カードと最も弱いスートの最低カードを持った管理人が後半しっかりとトリックを取り有利に進めます。

 結局、管理人が協力者を使った(本来は協力者と一緒に自分のコマを配置します。)「数字」と「スート」を的中させチップを受け取ります。

 

 最終の3ラウンド目の伏せられたカードは「赤の8」で、ちいは逆転を賭けカードに協力者を配置しますが失敗。管理人ややまもカードを的中させることは出来ず、結局スートを当てたやまと数字を当てた管理人という結果になり、3ラウンドの合計では僅差で管理人の勝利となりました。

 

○評価

 マストフォローのトリックテイキングにより伏せられたカードを予想をする権利を競いますが、最も弱いカードを出したプレイヤーにも権利があるというのが珍しいタイプですね。伏せられたカードがわかったとしても、そもそもこのトリックテイキングで権利を取らなければ予想することもできないため、他のプレイヤーのカードを推測しつつどのカードを出すかというのは結構悩ましいです。

 また、「スート」「数字」「カード」ごとにコマを配置できるのは1人までとなっており、早めに予想の権利を持つことで先におさえることができますが情報が少なく、後に権利を持つことで豊富な情報の中で予想が可能ですが置きたいところにすでに他のプレイヤーのコマがおいてあれば置けないというデメリットもあるので、ラウンドの中でもどのあたりに力を入れるかの判断も重要になってきますね。

 ちなみに、予想については自分の手札や場に公開されたカード以外にも、他プレイヤーがどこにコマを配置したかというのも重要な要素で、これらをもとに予想していく必要があります。ただ手札を1枚づつ残したところでラウンド終了ということもあり、論理パズルのようにどこかのタイミングで完全な正解がわかるといったものではなくラウンド最後のトリックでも「おそらくこれ・・・なんじゃないかな」といった感じでコマを配置するため比較的緩いです。その分手軽で、比較的テンポよく進むためこれはこれでいいんじゃないかと思いますが、あまりがっちり正解がわからないのでモヤモヤするところはあり気になるところかもしれません。

 ついでにもう一つ気になるのはコンポーネントで、メインボードがパズルのように組み合わせるタイプになっているのですが、ボードの厚みが薄いこともあり反り返りやすくちょっと使いにくいため、もう少ししっかり作って欲しかったところではありますね。

 とりあえず、外箱のデザインや箱に書かれた紹介文などから受けるガチな推理戦といった感じからするとかなりファミリー寄りの内容で、手軽なトリックテイキング系として楽しめるゲームだと思います。

 

 

 ここで時間となり本日のゲーム会は終了となりました。とりあえず、なかなか出来なかったコロヴィーニ氏の2タイトルが出来たのは良かったですね。ついでにどちらもしっかり面白かったのでそちらの意味でも良かったです。

 

 

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