野球の国際大会、2015年より本格再編へ | 欧州野球狂の詩

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 国際野球連盟(IBAF)の第26回目となる総会が、アメリカ・テキサス州ダラスで開催され、2013年のWBC以降、国際大会の仕組みが本格的に再編されることが、正式に決議されました。


 IBAFの財政難と、MLBによる経済的支援の交換条件に挙げられていることによって、今年限りでの廃止が濃厚とみられていたW杯は、WBCに吸収合併される形で、その見込み通り消滅。これに伴い、2年後の第3回大会から、WBC優勝国が正式に「世界王者」を名乗れることになりました(このブログでは、過去2度のWBCを連覇した日本を、便宜的に「世界王者」と呼んでいましたが、厳密には現在の王者は日本ではなく、W杯を制したオランダということになっています)。


 総会においては、WBC主催者であるMLBによるプレゼンも行われ、第3回大会の開催要項が、改めて以下の通り確認されました。


・新規参戦12か国を含む、全28か国で第3回大会を争う。

・新規参戦組の顔ぶれは、ブラジル、コロンビア、チェコ、フランス、イギリス、ドイツ、イスラエル、ニカラグア、ニュージーランド、フィリピン、スペイン、タイである。

・新規参戦組と、第2回大会で勝利を挙げられなかったカナダ、パナマ、台湾、南アフリカの4チームで、来年秋に史上初めて予選を開催する。

・予選のホスト国と組み合わせは、来年1月に発表する予定である。

・最終的には、各地域ごとの予選を勝ち上がった国々が参加する、文字通りの世界一決定戦とする予定である。


 その他の大会については、女子ワールドカップ、U-21世界選手権、U-18WBC、U-15世界選手権、U-12世界選手権の開催が決議されました。各年代別の大会は、それぞれ世界大学野球選手権、AAA世界選手権、AA世界選手権、A世界選手権からの鞍替えとなります。また併せて、4年ごとに新設大会の「プレミア12」を開くことも決定。第1回は2015年に行われる予定で、前述の年代別大会も、このプレミア12に合わせて再編されることになります。このプレミア12、以前もお伝えしましたが、NPBが独自に計画していると噂される大会とは、まだどのような形で絡むのかははっきりしていません。


 また同時に、2020年以降の五輪種目復帰を目指すことに関しては、ともに削減されることとなったソフトボールとともに、合同で活動していくことが決定。それぞれ正式種目だった頃と同様、男子は野球、女子はソフトボールという棲み分けになることも明らかになりました。近日中に、両連盟の会長によって覚書が取り交わされる予定となっています。男子ソフト界と女子野球界にとっては、非常に厳しい決断にはなったものの、種目削減によって政府からの援助が絶たれてしまった国のためにも、まずは復帰することを選んだというところでしょうか。やるからには、目的達成のために全力を尽くしてもらいたいですね。


 その他、総会の場で議決などがされた主なトピックは、以下の通りとなっています。


・米大陸野球連盟(COPABE)のイスラエル・ロルダン新会長、ホルヘ・オオツカ新副会長の就任を承認

・2010年度と2011年度の、各種連盟表彰の実施

(1)最優秀審判:小谷啓介(日本、2010)、アダム・ダウディ(アメリカ、2011)

(2)最優秀コーチ:エデュアルド・マルティン(キューバ、2010)、ブライアン・ファーレイ(オランダ、2011)

(3)最優秀地域連盟:台湾(2010)、パナマ(2011)

(4)最優秀ジュニアアスリート:リン・ウェイツー(台湾、2010)、ザッカリー・コリンズ(アメリカ、2011)

(5)最優秀シニアアスリート:ヘクター・オリベラ(キューバ、2010)、カート・スミス(2011)

(6)最優秀女性アスリート:六角彩子(日本)

・リカルド・フラッカリ会長によるスピーチ

・リカルド・シローリ氏の著作"The game we love"の紹介

・汚職を繰り返していた元専務理事、ジョン・オスターマイヤー氏の連盟からの永久追放