ドイツで視覚障碍野球の大会が開催 | 欧州野球狂の詩

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 ドイツ・ミュンヘンから北に40kmほど行ったところにある街、フライジング。この週末、この街で視覚障碍者による、野球の国際大会が行われているようです。


 参加するのは、ホストチームであるフライジング・グリズリーズの他、ミラン・トルネードスとボローニャ・アンバサダーズ(ともにイタリア)、ノージェント・バンディッツ(フランス)の計4チーム。グリズリーズとバンディッツは、ともにそれぞれの国で初めての、視覚障碍者野球チーム(グリズリーズは、健常者のチームもブンデスの下部リーグに所属しています)。また、イタリアにおける視覚障碍者野球には、15年ほどの歴史があるそうで、トルネードスとアンバサダーズには、いずれも非常にレベルの高い選手が在籍しているとのこと。


 視覚障碍者野球は、正式名称を「グランドソフトボール」と言います。ハンドボール大のボールを投手が転がす、1チーム10人制で投手は必ず全盲(視力が一切ない人)、かつ1チームに全盲者が4人以上含まれていなければならないなど、晴眼者(通常の視力を持つ人)による野球とは、いくつかルールに違いがあります。もともとは「盲人野球」と呼ばれていましたが、ソフトボールのルールを基本としているため、1994年からこの名称に改称されました。他の視覚障碍者スポーツと同様、選手は音を頼りにプレーするため、観客はプレー中、一切音を出さないのがエチケット。日本では、1933年に最初の試合が行われているそうです。


 視覚以外の身体障碍者による野球は、以前俺も調べたことがあるんですが、視覚障碍者による野球競技が存在するということは、今回初めて知ったので驚きました。自分自身、生まれた頃は体が弱く、歩くこと1つにも苦労した経験を持つため(今は普通に歩いたり走ったりできますが)、こうした障碍者スポーツにはどこか親近感があります。どんな身体的ハンデを抱えているにせよ、自分の好きなスポーツを思いっきり楽しめるのは素晴らしいこと。大会を主催した、グリズリーズのフランツ・フィッシャー氏は、この大会を第1回として、これからも続けていく意向を持っているそうですが、ぜひとも末永く続く大会にしてもらいたいですね。なお、大会では現地時間の昨日、総当たり方式の一次リーグが行われ、今日決勝が行われるとのことです。