明日は第43期新人王戦決勝三番勝負/第1局
歴代優勝者 には
羽生善治三冠をはじめ、森内俊之名人、渡辺明竜王など
トップ棋士が軒並み名を連ねている若手棋士の登竜門
今期で43期目となる伝統の新人王戦。
明日より
注目の決勝三番勝負が開幕いたします。
<第43期新人王戦 決勝三番勝負/第1局>
永瀬拓矢五段-藤森哲也四段
今期の新人王戦決勝三番勝負へと
駒を進めてきたのは、永瀬五段と藤森四段。
永瀬五段は現在20歳。
横浜市出身で安恵照剛八段門下。
小学生の頃からすでに頭角を現し
09年の10月に16歳という若さで奨励会三段リーグを「通過」 。
あっという間に「四段、プロデビュー」を果たした逸材中の逸材。
攻め将棋が幅を利かせる現在の将棋界では異質な
受けが自信の棋風は「大山康晴十五世永世 名人の再来」
との呼び声がきかれるほどの強靭さを誇ります。
最近はNHK杯で千日手を連発。
昨年度は佐藤康光王将を相手に2度の千日手指し直し を演じ
今期も先週の放送 で名手・木村一基八段を相手に先手番で
千日手を披露したばかり。
ということで「千日手名人」との異名も囁かれるほど
手番にかかわらず全く千日手を厭わない永瀬五段ですが
プロ入り後の通算成績はほぼ7割(121戦84勝37敗.694)と
可能性を十二分に感じさせる成績を残しているのは立派の一言。
今期ここまでの成績も
30戦24勝6敗(.800)。順位戦はC級2組で2勝2敗。
対局数、勝利数、勝利率の全てで全棋士中2位 につけます 。
生意気そうな面構えといい
いかにも勝負師的な将来性を感じさせる永瀬五段。
プロとして、最初に手にするタイトルとして
新人王の座を虎視眈々と狙います。
対します
もう一人の決勝戦進出者、藤森四段は現在25歳。
東京都出身で塚田泰明九段門下。
お父様は有名なアマ棋士
お母様は女流棋士の藤森奈津子女流四段という
サラブレットでもあります。
しかし、永瀬五段とは対照的に
奨励会で苦汁をなめる日々を長く経験した苦労人。
三段リーグ参戦を果たしたのは20歳の時。
晴れて「四段、プロデビュー」を果たしたのは24歳の時 でした。
今期ここまでの成績は
21戦11勝10敗(.524)。順位戦はC級2組で1勝3敗。
正直、勢いを感じさせる成績とは言い難いですが
この新人王戦には簡単には負けることの出来ない理由があります。
今期の成績で一つだけ勝ち越している白星は
新人王戦トーナメント/準々決勝で戦うはずだった「親友」
門倉啓太四段から頂戴した「不戦勝」による白星。。
普段から仲が良く
同い年で奨励会で苦楽を共に苦楽をともにした門倉四段は
今期体調不良に苦しみ、不戦敗の続くもどかしいシーズンを送ります。
門倉四段入院時には頻繁にお見舞いに駆けつけた藤森四段。
その無念さは察して余りあるはず。。。
だからこそ新人王を獲得し
苦境に喘ぐ「親友」、そしてライバルに最高の刺激と嫉妬を
お見舞いしたいところ。
甘い坊ちゃん顔の藤森四段ですが、その心中は
燃えに燃えていることでしょう。
両者は明日が初手合い。
永瀬五段は振り飛車党、藤森四段は居飛車党と
何から何まで対照的な両者の対決、どうぞお見逃しなく。
対局開始は午前10時。