theme of a-nation’03 | S w e e t 

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主に名探偵コナンのノーマルカップリング(主に新蘭)を中心とした二次創作ブログです。
イラストや小説をひっそりと更新中。
気の合う方は気軽にコメント下さると嬉しいです。
※一部年齢指定作品も混ざっていますのでご注意ください。

theme of a‐nation’03








“「・・・忘れていいから。」”




どうしてそんなこと言うの?

あなたは、そんなに簡単に“約束”を消してしまうような人だった?

ねぇ・・・そんな人だった??





ドォーーン・・・


「・・・・・・っ!」




突然の音に驚いて、窓から暗い暗い夜空を見上げた。

そんな夜空に光り輝く、一瞬に花咲く“夜空の花”がきらきらと散っていた。

暗闇によく映える・・美しい・・。




「・・あっ今日・・夏祭り。」




その美しい花火を見上げながら、今日が年に一度の夏祭りだということを思い出した。

色々ありすぎてすっかり忘れてた・・。 





“「ほらっ・・・」”





昔・・よく一緒に行った夏祭りを思い出す。

はぐれないように手を握ってくれてたよね。

少し照れてるような横顔が懐かしい。



あの頃はね・・何もかも輝いてた。

何も恐くなんかなかった・・。




何でかな??




新一が・・・いてくれたからかな・・。

あの頃の新一は、無邪気に夢を追い続けてたね。



色々けなすような事を口にしていたけれど。



本当は。



本当はね?




そうやって夢を追いかける新一をカッコイイって、そう思っていたんだよ?



憧れていたんだよ。




真っすぐなアナタだから。




私は惹かれたんだよ。









ねぇ。



今もそう?



ねぇ。




私と一緒じゃ追い続ける事は出来ない?





ドォーン・・・ドォーン・・・





何度も何度も

咲いては散る花火の音に惹かれて、

何時の間にか窓から、体を乗り出してた。

パラパラ散る花火が・・

妙に・・悲しく・・目に写る。

何か伝え様としているように。




新一。



新一。





「・・・・・・・ど・・・して。」




視界は滲む。

窓のサッシに付いた手に力がこもる。





“いつか・・・いつか必ず絶対に・・・死んでも戻って来るから・・・

それまで蘭に待ってて欲しいんだ・・・”



あの約束を信じてはいけないの?



直接あなたから告げられた言葉ではないけれど。




今も胸に残っているのに。





あの約束を糧に私は頑張る事が出来ていたのに。




どうして?



どうしてそれを奪ってしまうの?







「・・・・し・・・・っいち・・・・。」





ポタッと雫が掌に落ちる。




止まらない。



止まるわけがない。






ー蘭!



らん。




・・・・・蘭。




私を呼ぶあなたの顔が頭に溢れる。




「・・・・・・・っぅ・・・・・・。」





ー蘭姉ちゃん!




そんな中に幼いあの笑顔が私を呼んだ。





いつもこんな事は君が元気づけてくれていたね。



だから私は耐える事が出来たんだよ。



でも今は君もいない。






新一も。



君も。





「・・・・・・・コナン・・・くん・・・・。」





お願い。




一人にしないで。







私はそんなに強くない。








さぁぁぁぁーー・・・




急に風が窓から入り込んで来て、私の体を通り抜けた。

その風が・・・

あまりにも・・優しくて・・切なくて・・

涙が頬を伝う。




何故だろう。




新一がいない事を、私に静かに分からせようとしている気がして・・

本当に・・優しくて・・

優しくて・・・

いくら堪え様と必死になっても、

止まない。







これからの人生の中で、私はいくつ“失う”んだろう。


私はすでにかけがえのない大切な人を二人も失った。



ねぇ。


例えダメだと叱られても。

例え拒絶されても。

これだけは変わらない。




明日の今頃も新一を大切に想ってて・・

明日の今頃も新一を一番に想ってて・・

明日の今頃も・・・新一を・・

きっと・・愛してる・・・





それだけは、きっと一生“失わないモノ”。




そう思う事はいけない事?




ねぇ・・・

どんなに、新一が「忘れろ」って言ったって、

私には、とてもじゃないけど忘れられないの。


アナタと過ごしてきた日々は私にとって大きすぎて。

眩しすぎて。



そんな簡単なものじゃない。




だって

全てが・・新一なんだもん。

忘れたら私は何を覚えていればいい?




いつか・・いつか新一が戻ってくるって

どんなに悲しくても、また笑って話せるって、

約束を果たしてくれるって、信じてるから・・。

もう少しだけ待たせてよ・・・・・ね?

新一は約束を簡単に消したりする人じゃないでしょう??


私は知ってるよ。





ねぇ・・・・新一。



この別れが意味のあるものならば。

私は受け止めるのかもしれない。


でもそれはきっといつかの話で。




私はそのいつかが本当に目の前に来るまでは簡単に受け入れられるほど出来ていないよ。



私頑固なの。



知ってるでしょ?






今の一瞬も。

私は生きて新一を想ってる。

新一だって生きて夢を追い続けてる。



「・・・・新一・・・・・?」




キラキラと散らばる夜空の花が私の胸を疼かせる。





「私は・・・・新一を信じているよ。」







今のこの一瞬。

花火は打ち上がって・・

美しく散っている。


どうか私のこの想いも散りばめて。





今もどこかで生きるあの人へ届けばいい。





ただ一つ。



私が受け止めるのは。






今年の、夏祭りはあなたに手を繋いで貰えない。




ただ、それだけ。





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:::後書き

こちらも浜崎さんの歌をイメージさせていただいています。

今回は蘭ちゃんの一人称となっています。
2004.08.17. の作品でした。

こちらもダイブ修正、補完しました。


タイトルが曲名ですのでこちらも是非聴きながら読んでもらえると嬉しいです。



2011.06 12 kako


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