悩みの相談と回答について
人は悩む動物です。
悩むということには大きく2通りあって、
一つはまったく身動きでない状態で、
「何をどうすればいいのかさっぱりわから
ない、自分が何をしたいのかどうなりたい
のか自分でもわからない」というパターン
です。
この場合に厄介なのは、答えるほうが
「じゃあ○○をしてみたらどうですか」
「あなたは△△をやってみては?」と
せっかくアドバイスをしても、9割以上の
確率で素直にそれに従わないということ
です(←だったら最初から聞くなよ!
・・・なのですが)。
なぜ素直に従わないかと言うと、そもそも
相談した本人が行き先・目的地をわかって
いない、明確にできていないので、回答者
が答えた○○とか△△ということの是非性が
腑に落ちないでいるからです。
要は、納得できていないからです。
もう一つのパターンは、「ある程度方向性
については自分なりに見当はついている」
けど、そうなるために今どうすればいいの
かわからない、これから何をすればいいの
かわからない」というパターンです。
こちらは、回答に対して素直に聞く姿勢が
できていますから、即改善・行動に移せ
ます。
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「先生、私悩んでいるんです。どうしたら
いいでしょうか?」と漠然と質問されても、
聞かれた方は「あなたはどうしたいのです
か?」と答えるしかありません。
そう答えると「いや、だからそれを相談しに
来ているのですが・・・」と言いたくなりそう
ですが、中には実は自分で答えをすでに
持っていて「私は○○をしたいのです」と答え
られる人もけっこういるものです。
つまり、自分で答えはもう持っているけども、
それで良いかどうしても不安をぬぐいきれ
ないために、誰かに背中を押してもらいた
いわけです。
そういうときは、やはりポン!と背中を押し
てあげてその人が望むようにやらせて
あげることが大事だと思います。
なぜなら、それ以外の答えを示しても、
内心では納得できず、また別の人のとこ
ろへ行って同じ質問を繰り返すからです。
いつまで繰り返すか?
自分が考えているとおりの答えを言って
くれる人が現われるまで・・・すなわち背中
を押してくれる人に会えるまで・・・です。
他人に相談するときは、自分がどうしたい
のか、どうなりたいのかを自分なりに考えて
おくこと、また他人から相談されたときは
その人が何を望んでいるのかを可視化して
あげてハッキリと言語化してあげることが
大切です。
組織におけるリーダーも部下育成では
必ず通る道です。
悩みに対する回答は一つとは限りません
が、大事なのは本質をとらえることだと
思います。